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レンジ、魔法検証してみる。

あらすじ:ヤンデレの愛(物理)から脱出し、外へ出たレンジ。

今回は魔法を試します。

※新ヒロイン登場

 


「さて・・・スキルは全部見終わったが、あとはこれだよな」


 そう言って自分のステータスウィンドウの魔法適正の部分をなぞる。

 するとページが変わり、次のようなページが現れた。


 適正魔法属性 

 闇(使用可能ランクSS)・光(使用可能クラスSS)・風(使用可能クラスS)・無色(特殊魔法)


 自分は急いでミレイの本から魔法のページを探る。


「あ、あった。」



 魔法について!

 この世界には神々の軌跡と言われる魔法があります。魔法はMP、又は魔石も魔力をを消費して発動させます。これを利用した道具が多く存在し、異世界の電気のような役割を担っています。魔法は適性があり、適性の中でさらに使用魔法ランクと言うのがあります。

 まず適正とは使用できる魔法属性の事です。

 属性は火、水、風、土、光、闇の六種類で優劣や相性はありません。例えば、火魔法のMP2で作るたいまつサイズの火の玉を水魔法のMP1で作れるコップ一杯くらい水で消すことはできません。もし消そうとするならば、MP2のビールジョッキ一杯ぐらいの量の水でないと相殺できません。

 このようにこめられたMPの量をぶつけることによって魔法は消滅させることはできます。また魔法にもHPがあるとされ、戦闘系のスキルでうまく当てると消滅させることもできます。

 次に、使用可能クラスについてですが、魔法は日常生活で使うのに便利なFクラスから大都市を消滅させることのできるSSクラス魔法が存在し、保有MP量と体内魔力変換効率によって判定されます。

 MP量はモンスター討伐をしてゆけば増えることがあり、体内魔力変換効率も魔法を使うことでよくなります。過去の変換不要の魔法種が当たようですがそれ以外はすべてMPを体内で変換して魔法を行使します。

 MPは周囲の微弱な魔力を吸収するか、食物に含まれる魔力を取ることで補充することができます。


 ミニミレイちゃんメモ♪

 魔法はそれぞれの属性に特徴があって、所有者の長所を伸ばす適正魔法が開花することがおおいいらしいよ。

 火→近距離戦闘系

 水→遠距離戦闘系

 風→移動補助・妨害系

 土→防御補助・妨害系

 光→回復補助・中距離戦闘系

 闇→肉体強化補助・魔法妨害系


 これを読み、自分は外へと向かった。

 正直ミレイが帰ってきて自分がいないとなると発狂しそうなので、置手紙だけ残しておく。

『森に食材取りに行ってきます』

 これがあれば、何とか彼女も許してくれるだろう。

 そう思い自分は森の中へ出る。

 あの屋敷から少し離れたところの小高い丘がある。

 その場所は賢者の丘と呼ばれ、この場所はこの開けている場所の中ならばどんな魔法を使っても森に被害が出なくなるよう、また内部の生命保護機能を付けるよう運動会で最優秀選手賞を取った何代目かの賢者がお願いしたらしい。以来、大型の魔法の試し打ちはここで行われており賢者就任の際のパフォーマンス場としてここでSS級魔法を打つのが賢者就任の通例になっているらしい。


 ・・・しかし、だれもいないな。


 ミレイの本にここら一体のさまざまなことの描かれた地図があり、この場所は上級魔法師が良く来ると書いてあった。

 しかしマップに気配察知を使ったが、今この場に人は一人もおらず、ほかに魔法の使える種族の者もいない。

 実は、今日勇者召喚されるとあって多くの強者はライファーの王都にいたりする。

 とりあえずこの広い場所を独り占めできると分かったので試し打ちをしてみる。


「まずは風魔法Fランク〈そよ風〉」


 心地いい風が吹く。


「うーん、わかりにくいな。…でもMPは1減っている」


 魔法は最低でも1は消費する者なのでさっきの風は魔法によるものと思っていいのだろう。


「じゃあ、もう少しランクあげて、Bランク〈突風の槍〉」


 風が収束し、一本の槍となる。それは100メートルくらい進むと霧散した。

 体から何かが抜ける感覚がする。MPを確認すると15減っていた。


「おお。でも、もしかして・・・よし。〈突風の槍〉!」


 再び風が収束し、槍を作る。


「Dランク〈加速〉・・・発射!」


 すると風の槍は先ほどより早く進む。これは付与(エンチャント)と呼ばれるもので実はかなり高度な技だったりする。

 加速した槍も先ほどと同じく100メートルで消滅する。


「・・・ふう。かなりMP持って行かれた気がする。これは重ね書きだとかなり消費するという事かな?」


 自分のMPを確認するとMPが30減っていた。槍に15と言うことは残り15で付与したことになる。自分は石を拾う。


「Dランク〈加速〉」


 そう言うと、投げた石は風を受けかなりの距離を飛ぶ。


「・・・ぁいた」


「うん?」

 何か聞こえた気がするがそこにはなにもない。

 マップを展開し、察知から気配察知のソナーを放つも反応はない。

 気を取り直してMPを確認すると15減っていた。

 つまり付与には基本消費量の3倍のMPを消費するということだ。


「それともう一つ。・・・〈突風の槍〉」


 先ほどより原理を詳しく想像し、先ほどの魔法を詳しくそして強固になるようにイメージながら再び風を集めた。すると、効率よく風が収束している気がする。・・・気のせいかもしれないが


 MPを確認するとMPの消費量が少し減っていた。

 ・・・魔法は想像が大切。だから、詠唱があり使い続けると無詠唱ができるのかもしれない。なら―――


「発射!」


 発射された槍が10メートルに達したあたりで風の魔力を手に込めて槍に上に向かいように指示する。


「・・・あがった」


 結界はきれいに90度真上に飛んで行った。

 今野は無詠唱で風魔法:初期の一つ、そよ風を応用して槍の風の流れを変更した。

 これはもう少し練習が必要だが、かなり使えると感じた。

 ただ使用MPが今回の単純な命令で8持って行かれた。もっと複雑化するとどれほど持って行かれるかわからないためMP増量を当分の目安とすることにした。


「さて・・・最後に、Sランクでもやってみますか」


 そう言って体内のMP100を風に変換して行く。


「・・・ふう、Sランク〈ハリケーン〉」


 自分から離れた地点に風が集まりその風が渦を巻く。風は下から上に上がりやがて竜巻となって行く。


「・・・おいおい。これはカテゴリー3クラスか?」


 最低風速96ノット最高風速116ノットの風が丘の草を根元から抉り取ってゆく。


「・・・これはそろそろまずいか?」


 ハリケーンがかなり深く土を掘り、大人の男子は入れそうなくらいの穴を作る。


「風の向きを逆に―――」


『光魔法 Sランク〈雷龍〉』


 背後から声が聞こえる。

 振り向くとすぐ横を雷の龍が通り過ぎてゆく。

 雷龍を放った少女は轟音の中透き通る声でこう言った。


「・・・あなた、名前なんて言うの?」


 雷龍はトルネードにかみつき、そのまま対消滅し、まばゆい光が生じる。


「人に名を聞くときは自分から名乗るのが礼儀・・・と言いたいところだがまあいいや。自分はレンジ。ちょっとした旅人」


「ふーん、旅人ね。・・・わたしはミオ。冒険者、かな?」


 そう言った彼女は褐色の肌に長い銀の髪。黒と紺を基調とした服にズボン。

 髪が短くて、もう少し中性な顔をしていれば男と間違えたかもしれない。


「・・・なぜ疑問形。まあいいや。消してくれてありがとうね、ミオ」


 レンジは優しく笑いかけながらミオにお礼を言った。


「・・・」


「どうした?」


「・・・なんかあんたに言われると胸が少しドキドキする」


 彼女の顔が赤い。その表情に思わず勘違いしそうになる。


「・・・病気かい?」


 この世界にミレイがいる限り不用意な発言はしない方がいいと感じた自分はそう切り返す。


「うんん。私風邪ひかないもん・・・もしかして」


「あー、自分これから行かなきゃいけないところがあるからこれで」


「あ、まって。私もついてく」


 そう言って彼女は僕の腕にしがみつく。

 ・・・ああ、当たってる。まずいな、離れないと…あれ?力が・・・入らない。


「あー、なんだか安心する」


 ・・・自分の心の中は大荒れです。これもしミレイに見つかったら、殺される!


「えっと、離れては?」


「あげなーい」


 彼女はそう言ってペロリと舌を出す。


 ・・・小悪魔だ。小悪魔に絡まれてしまった。


 後悔すでに遅し。見た目は自分よりも2つほど年下に見えるが力とか技の使い方がうまい。

 今も自分から腕を外されないように、痛覚を麻痺させながらうまく自分の力を最大限に使いながら相手の力を抜いている。


 ・・・どうしよう。


 僕は内心涙を流した・・・。

 これから背負うであろう苦労が目に見えて...




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