異世界での目覚め・・・そして、最愛の人との再会
耐性関連の記述を亡くして、ステータスを簡素にしました。
指摘があったので、OSを細分化。
先天性スキルの中でも保有者唯一スキルをOS。
その他先天性スキルにRとSRをつけることにしました。
ここはどこだ?
自分は目を覚ますとベットの上にいた。夕日がさしているので、今は夕方とわかる。
「あ、おきた?」
そう言って自分を覗きこむ少女。
逆光で見えにくいが彼女はどこか見覚えのある少女だった。
・・・綾香に似ている?
「・・・きみは?」
「・・・記憶が混濁してる?」
少女は首をかしげる。
僕は体を起こした。
そして彼女を正面から見ることで誰だかはわかった。
それと同時に片目から一筋の涙が零れ落ちる。
「・・・ 美鈴?」
それはかつて失った最愛の人の名前。・・・二度と会えないと覚悟した存在。
「そうだよ、ダーリン」
そう言って彼女は抱き着いてきたのだった。
自分はおそるおそると手を伸ばし彼女を抱きしめ返す。
そこには確かに肉体が存在した。生きている人の鼓動を感じた。
温かい、優しい、柔らかい、いい匂い。・・・彼女は確かに生きていた。
だからこそ彼女に聞く。彼女の口から 聞くために。
「本当に?」
「もう、そんな心配なら何か聞いて?」
彼女は頬を膨らませ、怒りながらそう言う。
自分は彼女の生前の情報から彼女…ミレイに関することを質問してゆく。
「娘の名前は?」
「綾香」
「君の誕生日は?」
「3月12日」
「自分の誕生日は?」
「11月11日」
「君に告白した場所は?」
「学校の屋上で、私から」
「えーっと、ほかには・・・」
「なんだって言えるよ。ダーリンのほくろの位置とか、体をどこから洗うかとか、ウソついた時に癖とか、エッチな本どこに隠しているかとか・・・そうだ、それなら信じてもらえるよね!たしか・・・洋服棚の一番下の段の二重底の―――」
「あー!待った、待った。確かに君はミレイだ。特にその表情・・・」
「え?」
自分の秘蔵本を見つけたときの彼女は般若の化身を背後に召喚し、自分に問い詰めてきたのをよく覚えている。あれは確かミレイと真逆のタイプの女性が載っている奴だ。
妻が亡くなった後に同じ場所に秘蔵本を隠していたら娘に見つかって同じ目にあい、親子だなと思ったのは懐かしい話だ。
「それで・・・ここは?」
自分はどこか屋敷にいるようだった。
「もしかして天国かい?君がいるってことは。それに・・・君も若返ってるし」
死者の国では自分の好きな年の姿になれるらしい。だからそう聞いたが彼女は困惑した顔になる。
「え?・・・ああ、そう言えばダーリン向こうでは死んじゃったんだっけ?」
ミレイはベットに座り、確認するようにそう言う。
そして思い出す。目覚める前、僕は銃に撃たれて死んだことを。
「そうだ、自分は死んだんだったな」
「・・・ふふ」
「?どうした」
急に笑い出した彼女に僕は戸惑う。
「だって、ダーリン普通の時は一人称が自分になるの直ってないんだもん」
「え?ああ、そうだな。相変わらず戦闘状態のときは俺って言っちゃうし、頭使うときは僕になるしな・・・」
「そういうとこ可愛いのよね♪」
そう言って彼女は自分の頬を触った。
少し恥ずかしくなる。
「顔、真っ赤よダーリン。お水飲む?」
「あ、ああ。頼む」
自分は今かなり顔が赤いのだろう。前世に置いてあれほど惚れ込んでいた妻が今いるのだ。
彼女の笑顔が再び見れることがかなりうれしいが同時に自分が抑えられなくなりそうな衝動に駆られる。
「ああ、いかん。理性を強く保て」
レンジはそう言って、頬をたたいた。
※※※
「やっぱり、ダーリンは鋼の理性は厄介ね。・・・と言うかダーリン、ステータスすごすぎない?」
ミレイはこっそりと見た蓮二のステータスに驚きを隠せなかった。
ステータス:レンジ (17) (高位)人間(隠蔽発動中) ジョブ:SP
HP:1500 MP:500 適正魔法属性 闇・光・風・無色
※現在OFF状態
スキル:気配察知(A)・鉄壁(OS)・ストレージ(OS)・家事(A)・鍛冶(B)
※OS→オリジナルスキル
※ユニークスキル(先天性スキル)R、SRがある。
※スキル熟練度→通常スキルに表記されF<E<D<C<B<A<Sの順に熟練度を示す。
このステータスはこの世界でかなり高い。ギルドのAランク(SS~Fまで)に相当するステータスである。さらにスキル保有数はそれなりに珍しい5つ。さらにそのうち2つはOSと言うレアものだった。
ただジョブのSP だけがわからなかった。SPとは前世の職業のSPの事なのだろうか?
「・・・ってそんな場合じゃなかった」
ミレイはコップに水を入れるとマジックバックから怪しげな薬を入れた。
「お香ではあの人の理性は崩せなかったけどこれなら・・・この世界では可愛い人多いからつなぎとめるために既成事実作っておかないと・・・服も変えていきましょう」
そう言って着替えた彼女はコップを持って彼の待つ部屋へと戻るのであった。
※※※
窓から外を見ていた。
そしてわかった。少なくともここは地球ではない。
なぜなら・・・
「月が2つと言うのも意外と風情があっていいな」
「ダーリン、お水持ってきたよ」
そういって、入ってきた彼女はもう寝るのかネグリジェを着ていた。
かつて自分も若かったころに見た、若い妻の姿に自分は息をのんだ。
「あ、ありがとう」
自分はミレイから水を受け取り飲み込もうとして止まった。
「なにか入っている?・・・!」
「え?・・・あ、そ、それは」
「ミレイ!」
「はい、ごめんなさい!嫌いにならないで!」
「え?あ、大声出してごめん。・・・それより君には今の自分どう見えてる?」
そんなことを言われてミレイは首をかしげる。
「ダーリンは地球の時と同じ顔だけど・・・」
「いくつの時のだ!」
「・・・え?高校生の時のだけど?」
「・・・そうか」
僕は水の張ったコップをもう一度見る。
そこには高校2年生頃の自分の顔が映っていた。
「自分も若返っているのか」
そういって自分はコップの水を飲み干した。
「あ、その水は・・・」
「え?」
「いや、なんでもない。・・・それより久しぶりにしない?」
彼女はネグリジェの下部分を持ち上げ下着を見せてくる。
「なっ、・・・おまえ」
その瞬間、胸が熱くなる。
どうしようもなく妻を抱きたい衝動に駆られ彼女へと手を伸ばす。
・・・だめだ。ミレイはこの世界で婚約者がいるかもしれにじゃないか。
そう思い、自分は手を止める。
「この世界に君を好きな人、君の思い人がいるんじゃないか?それを前世の夫だからと言って手を出すのは・・・」
自分は後ろを向く。息子はもう元気なのでそれを見せないためだ。
「も~、ダーリン。私は一もうダーリン一筋。ほかの男はさる以下なの・・・」
そう言いて彼女は自分の背中に胸を当て、耳元でそうつぶやく。
その瞬間、僕の理性は限界を迎えた。
「あんっ!」
自分は彼女をベットに押し倒す。
「どうなっても知らないからな・・・」
「いいよ、ずっと待ってたから・・・」
その日、自分は妻の2度目の初めてを奪い、彼女に二度目の初めてをささげた。
※※※
翌朝。目を覚ます。
・・・少し後悔している。自分が彼女を縛り付けているんじゃないかと。
「ダーリン。私を抱いたこと後悔している?」
「いや・・・その、お前を俺が縛りつけているんじゃないかと・・・」
「もう、ダーリンたら。・・・ダーリンは何度生まれ変わっても私の夫なんだからね♪」
そう言って彼女は自分の唇にキスする。
「絶対に誰もやらないから・・・ね♪」
その顔の表情に僕は苦笑いになった。
その表情は高校生時代に一度見たことがあるからだ。
あれは間違いない・・・妻がヤンデレ化した。