お正月スペシャル:レンジの異世界風お正月料理
少し未来のお話です。
新キャラ続々登場。
「いいにおいがする」
そう言って、起きた私はいつも3人で(たまにそれ以上で)寝ているベットの真横にいるはずのお父さんがいないことから、お父さんがリビングで料理をしていることに気づいた。
「うーん、あれ?あーちゃん、おはよう。今日は早起きだね。」
私が起きて間もなくお母さんに声をかけられる。
私は相も変わらずこの世界でも家事全般をお父さんに任せている。
まあ、お父さんが起きる時間が早やすぎる、家事が上手と言うせいでもあるのだけど。
ちなみにだが、決してお母さんが料理下手と言うわけではない。
むしろ一般の料理本などを出して売れるくらいの料理研究家であった時があるくらいの腕前だ。
世間一般では、新妻が夫のために味と健康に配慮した科学的にも栄養的にも素晴らしい料理ばかりと言う評価だ。
ただその時の話には裏があり、水に薄めた薬などが父に気づかれるようになり、それを隠すのにちょうどいい料理を研究した結果と言う。
そのせいで父は自らも料理の研究(研究と言うより実験に近い)を繰り返し、さらには自ら率先して料理を作り薬を混ぜる暇を与えないようにしていた。
それがいつしか、日課のようになり仕事で早く出る日もお母さんと私の朝食を準備してから出かけて行った。
前世でお母さんが他界してから、できるだけお父さんの出勤する時と帰ってくるときは出迎えるようにしていた私はお父さんお料理の匂いを嗅ぐと体が反応して目が覚めるようになっていた。
最近ではお母さんが丸くなって(単に、お父さんが薬物感知系スキルを手に入れたせいかもしれないが)お母さんの料理を食べることも多くなり、お父さんも前世のように早朝出勤がなくなったので家族みんなで過ごせる。
それに二人が若くなったことで家族と言うより友達みたいに過ごせるし、お父さんが若返って性欲が戻ったのか、自分を娘じゃなくて女として見てることが分かってとても嬉しい。
まあ、でもお母さんがいるので独り占めできないのは少し残念。
「おや?起きてたようだね、二人とも」
「うん、おはよう。ダーリン」
「おはよう、お父さん。・・・・・・ところでいいにおいがするけど、何作ってたの?」
すると、お父さんに笑顔で「・・・着替えてリビングにおいで」と言ってはぐらかして戻っていってしまった。
あの笑顔は、何かをたくらんでいる顔だ。
お母さんや、私のサプライズパーティーを企画した時と同じ顔だったもの。
「お母さん、なんだと思う?」
「?あ、ダーリンの今の?今日が何の日か考えればわかるよ。たぶん、だけどね」
今日?・・・まだ、転移してこの世界の暦になれてないからわからない。
取り合えず、さっと着替えてお父さんの所に行こう。
そう考えるとアヤカはベットから降りて着替えを始めた。
生活魔法:〈清潔〉の込められた杖でアヤカとミレイは体をきれいにして、水魔法で互いに頭を洗浄、保湿。火と風を組み合わせて温風を作り乾かして互いに髪をとかして結んで、着替える。
「・・・あ、そういうことか」
一階のリビングに降りたアヤカはそこに並べられた料理の数々を見て、納得をする。
「どう?向こうの世界のお節料理を、この世界の食材と調味料と自家製調味料で作ってみました!」
そこには重箱が置いてあり、様々なおせち料理が並んでいた。
沼花と子供竹、キノコ系モンスター、石芋(里芋の事)の煮物に、千軍小弾魚で作った田作り、黒豆、重装甲殺しの異名を持つ潰し縦蟹(巨大なイセエビのようなもの)など、おせち料理もどきが数多く並んでいた。
「・・・さて、さっさと包んでいこうか?」
「あれ、どこか行くの?」
お父さんは作っていた重箱(10段×10)を風呂敷に詰めてイベントリにしまうとあきれたようにお母さんを見た。
「・・・・・・ミレイ、言っていないの?」
「あ、忘れてた」
「どういうこと?」
「今日、城で新年会やるんだって。それに呼ばれてる」
「えっ!普通の服きちゃった!」
「あー、アヤカ。服は城で特別なの着せるから。安心して」
そして私はお父さんに言われるままにお城に行き、そこで見た服に思わず喜びの声を上げた。
隣の部屋から出てきたお母さんとともに新年会の会場に着くと名前を確認され、扉が開くと同時に放送で私たちが紹介された。
「今年の運動会でご活躍された、聖女さまと勇者さまがご到着です!」
みんなの視線が私たちに集まり、そしてそこらじゅうから驚嘆の声が上がる。
「ミレイ、アヤカ!似合ってるね、着付けを彼女達に押しておいてよかった」
そう言って会場の方からお父さんが来た。
服装は和服。メガネをせずに髪型をきれいに整えたお父さんは別人のようでこれは記憶に永久保存すべきものだった。
すると、奥の扉が開きテトレーン王がお父さんと同じ和服姿で出てくる。
デザインがお父さんと少し違い、お殿様が着るようなデザイン。
続いて王妃様が出てくる。王妃様も着物を着ており、外国人だというのにとても似合っていた。ひとえに、着物が現代風の水色と白の二色というシンプルでありながら、朝顔のような模様に桜色の帯という王妃の清楚を表したような着物が違和感をなくしていた。
「うん、ミレイもアヤカも似合ってるね。ミレイは聖女と呼ばれてるからね、白にクリーム色、そして無地と小物で表現した静かな美しさが、アヤカは浴衣をイメージした、ゆったりに加えて、大和撫子を意識した色合いと素朴なな美しさ素材の良さを引き立ている。うん…よくにあってるよ」
そこまで私たちを褒めて、お父さんは照れた。
多くの人から注目を集める中で、家族をべた褒めしたのだ。
それは恥ずかしいだろう。だが、我慢してほしい。
…私たちも恥ずかしいのだ。お母さんも顔真っ赤。
「レンジ!私も褒めろ!」
いつのまにかミオがおり、黒を基調として夜空のように少し白がが浮かんでいる。
しかし、胸のせいか花魁のように肩が出ており色っぽい。
「み、ミオ!なんて格好してるんだ!」
「ミオちゃん!それじゃあ、花魁さんだよ!」
「…ダーリン?」
こわい!ミオちゃんを見るおかあさんの目が怖い!
あ、でもお父さん。なんでそんなチラチラミオちゃんの抜け見てるの!
「れんじ〜、みてみて」
「レンジ様お久しぶりです。あ、皇女殿下走らないでください!」
テトレーン王の方から少女がてとてとと小走りで振袖を着た幼女が走ってくる。
その後ろには獣王と呼ばれた女性が童貞を殺す服を着て走ってくる。
二人とも運動会を通して仲良くなったので、お父さんが衣装を提供したらしい。
まあ、似合ってる。
しかし…童貞を殺す服はないでしょう。
もう、前傾姿勢で動けない人が多い。
「れんじー!着付けありがとうなのじゃ!メイドの皆も講習を受けて試着した着物をもらえて喜んでおったぞ!」
「あっ、姫様それは…」
「ダーリン?」
「お父さん?」
流石にそれは許さないかな?
この着物のデザインや服飾屋を副業で始めたとき言ったよね?
リューシンさん(副店長のエルフ女性)が女性を対応するって?
今日のメイドさん達は全員着物か振袖。
その全員に着付講習をしたということは、全員の下着姿ないし、裸を見た?
ちょっと、いやギルティだよね?
気づくとお父さんは気配を隠してすでに逃走を図っていた。
なので、私とお母さんでこってり搾ったあと夜に美味しくいただきました。
ちなみにお父さんのおせちは会場に並べられ、大盛況でした。
着物とかよくわからないのでこういうのがキャラに似合うかな?と考えて配色しただけなので、あまり深い考えとかありませんt




