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第7話 崖の下にふたり

レスト:俺なんでこんな名前なん?

作者: 最初リヌスってしてたけど実在してて癪だからやめた。

レスト:どう行った意図でつけた?

作者: 決して休みが欲しいわけじゃないよ!違うから!

レスト:飲食店じゃなくて良かった。許す。

作者: ‥‥‥‥

さて、いよいよ王都へ旅立つときがやって来た。通るルートはまず山を迂回して谷側を下ったあと、近くの村をあちこち経由しながら進む、約1ヶ月の旅だ。


住んでいる村から出たことがなくて、他の所については聞いた話の範囲でしか知らない。結構ワクワクしているのだ。


地球の記憶でも海外旅行とかしたことなかったっからな、王都というところがどんなところか早く見てみたい。


「王都、楽しみだね。まあ、お兄ちゃんがいるだけで何でもいいけど」


「お、おう」


でも、王都っていつまでいていいんだろう? 4ヶ月前に行った他の連中はまだ帰って来てないし。以外と順番待ちで待たせれているとか?タダじゃなかったら本当に厳しいな。


何か出生届けとかの書類だけじゃまずいことが有るのだろう、じゃないとわざわざ王都に呼ばないといけない理由が想像つかない。


見送りには俺の両親、キャロの母親のコスニーノさんが来ていた。もう全快したみたいだな、とてもにっこりと笑っていらっしゃる。


やはり親子か、記憶を手にした俺にはキャロに負けず劣らず美人だ。しかも巨乳で長髪、レベルが高い。


はー、キャロも成長したらあんな風に変わるのかな、そっちの方も楽しみである。


キャロの父親は普段村にはおらず、年2、3回帰ってくる以外はどこかで働いており、勤め先を転々としているそうだ。


この世界では珍しいと言える。転職自体が少ないからだ。たまに副業をする人もいるみたいだが。


この世界はほんと狂ってるとしか思わないが、コスニーノさんも俺の母親も容姿や顔的には完全に負け組らしい。


よって、婚活はとても苦労したそうだ。いかに自分は内面が魅力的かを全面的にアピールしまくって恋人をゲットしたかを何回も聞かされた、または聞かされたそうである(キャロ談)。


俺は父親から道中の飯代わりにと、大量の野菜を袋ごと押し付けられた。またあの大根みたいなのか。いい加減飽き飽きしてたんだけど。


どうやって食えってんだよ、俺は草食男子じゃないぞ。


「後で美味しい食べ方を教えてあげるよっ、お兄ちゃん(はあと」


何と知っていましたかキャロさんよ。この味なしの家畜の飼料みたいなものを食えるものにする方法を。渡されたはいいが、生で食うとは考えてはなかったけど。


しかしキャロ、いつまで俺を見つめているんだい?お母さん方がさっきからこちらを見てはヒソヒソ話をしたりニヤニヤ笑っているんですが。恥ずかしいので今は止めてくれ。


「おーい、おんめえらーそろそろ出発するぞい。荷物ちゃんと持ったか~」


おっちゃんが呼んでいる。もう出発か。旅は立つとき時が過ぎるのが早く感じるな。ちなみに笛は返してお礼を伝えた。使わなかったと言ったが、使わないほうがいいに決まっている。




おっちゃんの馬車は馬2匹が荷台を引く形で車両2両編成見たいな感じになっており、荷台と荷台を紐で繋いでいる。おっちゃんは御者台に乗り、俺たちは後ろの方の荷台に乗せてもらって、そこに自分の持ち物を置いている。あの光る石は袋にいれて背中に背負っているが。


前の荷台はおっちゃんの商売道具だったり売り物だったりする。荷台にたくさんの物が詰め込まれていたので、相当儲かっているだろう。


なぜ店舗を持たないのか。おっちゃんに聞くと、


「そっりゃな、店なんて持っちまったら、いろんな所に行けねぇじゃろうが。ワイは旅のほうが性に合っとる。おめえも大人になったら分かるじゃろ」


言いたいことは分かるが今の俺は子どもじゃないぞ、おっちゃんよ。あくまで体は子どもでも、頭脳は大人だ。某劇薬を飲まされた麻酔針使いのように。


面倒になること間違いなしだから言わないが。


さて、いよいよ出発だ。俺たちは荷台に乗り込み、馬が走り出した時、


「行ってらっしゃ~い」


「楽しんでこーい」


「2人仲良くするのよ~うふふっ♪」


最後のはコスニーノさんだ。既に仲良しなのは知っているくせに。さらに何を仲良くしろと言うのか、俺たちは3歳児だぞ。俺からはなんとも言えないな。


馬の走る速度が上がったのを体で感じながら、俺はキャロと記憶の思い出について(ほとんどキャロが一方的に)話し合いながら暇潰しをした。








馬が山道にさしかかっとき、おっちゃんが、


「ここら辺は切り立った崖になっちょるからな、ゆっくりいくぞ。落ちたら谷底に真っ逆さまじゃけえの」


「「はーい!」」


「ほんとはもっと近道もあるんじゃが、そっちは通るのに時間も税もかかる。結果こっちのほうが早く着くんじゃ」


「「お任せしまーす!」」


もうおっちゃんが全てやってくれるので安心だ。大きくなったらまずはおっちゃんに恩返ししなきゃな。頑張って自分を磨きますか。


そんな危ない山道を通っていることも忘れ、俺はキャロに父さんからもらった野菜を食い物にする方法を教えてもらっていた。


へぇーやっぱり煮るのか。煮れば煮るほど味が出るというのか、おそらく煮込み方が足りなかったのだな。なるほど。そいえば話聴いてると馬車酔わないな。あぁ~旅も良いもんだね~。そう思ってた。





ところが急にガクッと荷台が揺れ、俺たちは外に投げ出された。何故に?


横目で馬車をみると大きく地面の溝に車輪がはまってしまっている。揺れたのはあれか。


て、ちょっとまてぇぇぇぇ!!!!! 下地面じゃないじゃないか! 落ちるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!!!!


「おい坊や! 嬢ちゃん! なってこったぁ!!! すまねぇぇぇぇ!!!」


上からおっちゃんが叫んでいるが、俺は必死で同じように落下するキャロの手を繋ぐ。キャロは投げ出された衝撃で気を失っている。


どこかで頭を打ったのか? くそっ、しっかり荷台に捕まっておくんだった! もう遅いが‥‥‥


俺たちは自由落下し続け、谷底に吸い込まれていく。ああ、こんなところで俺の人生は終わってしまうのか‥‥‥‥‥‥‥短い人生だったな。3年と18年の間しか生きられなかったかぁ、記憶で考えたら。


おっちゃんの姿が見上げても見えなくなり、下にはもう岩などが転がっている地面見えてるし。間もなく訪れるだろう体が打ち付けられる衝撃に恐怖を覚えて目をグッと瞑った。めっちゃ痛いだろうな。まさに昇天するほど。


背中が凄く熱い。何か焼けるように熱い。アッチチチチチ!!!!!燃える燃える燃えちゃう!!!急いで背中にある物に触れたところで‥‥‥‥


急に落ちるスピードが落ちてきた。丁度パラシュートで降りているような‥‥‥そっと目を開けてみる。


おぉぉぉぉぉぉぉぉ浮いている!!!!!!!! すげえ! でも熱いいいい! いい加減冷めろ! 火傷しちゃう! 


石の入った袋を背中から片手に持ちかえる。ようやく背中が涼しくなった、めっちゃ汗かいてるし。


もう片方の腕にはキャロが。ちょっとこんな事言いたくないんだが、重い‥‥‥。


子どもの筋力なんてたかが知れてるから、このままだと着地する前にキャロが落ちちゃう。何としてもそれは避けなければいけない。キャロは俺が守る。


おい! 飛○石! ちょっとは仕事しろ! そろそろ腕が限界‥‥‥。袋を持つ手に力を込める。頼む! ここで死ぬわけにはいかんのだ!!


するとそれに答えるかのように、石が強く輝きだした。さらに落ちるのがゆっくりになる。助かった‥‥‥。


何故かは知らないが、俺たちは無傷で谷底に着地できた。まだ世界は俺らを見捨てたわけでは無さそうだ。


いつの間にか石は光らなくなっていた。まるで役目を終えたかのように。助かりました恩に着ます。


荷物は全部荷台に置いてきてしまった。持っている所持品は、助けて貰った石と熱でいい感じに焼けている大量のダイコンモドキ。ユドラだっけか。


地味に食料持ってたな、石と一緒に入れておいたことが役に立った。ラッキー。後は着ている服くらい。食料以外全てを失ってしまったな。ないよりましだが。


キャロはまだ起きない。仕方ないので石と食料を腹に巻き、キャロを背負う。うっ、身体にどしんとくるな。とてつもなく重いのに3歳児の身体で荷物まで持てていることが奇跡だ。


もう驚かないぞ。地球じゃないからな、2次元の設定のほうがこっちでしっくり来るかもしれない。


見渡すと、落ちたところは道が左右に別れていて幅5m位の川が流れている。前と後ろは直角に近い壁だ。到底登ることは出来ない。


仕方ないので、川を下る方向へ進むことにした。ずっと続いているみたいなので、水の心配をしなくてよくなったことは助かる。水がないと3日しか生きられないからな、生き延びやすくなった。


キャロさんや~早く起きてくださーいぃぃ、お兄さんは腕がきついですぅぅ~。


そう思う俺であった。そういえば、おっちゃんどうしてるかな、ぺっしゃんこになったと思っているかも。




俺たちは奇跡的に生きてますよぉぉぉぉぉぉ!

毎日朝9時予約予定。暇ではないが続きが気になってしょうがない。書くまで話の先を知らない作者であった。

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