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第6話 キャロ、(いろんな意味で)目覚める。

みなさんはやらないといけないことは先にやっておく派ですか?それとも後でやる派ですか?私は後者です。人生いつ何があるかわからないので(人生を語る年では全くないが)。その結果、小説を書く楽しみを覚えた私はやらないといけないことを後回しにして小説を書き、机に長時間座ることになるわけです。やること?(一部)終わらせたよ!(終わってないものも多い

「おにいちゃん?」


その言葉を聞いたとき、俺はまず見せられた記憶の中で出てきた妹かと思った。だってそうだろう。いきなりお兄ちゃんだからな。おにいたんでもよかったのだが。


記憶の中を探ってみる。確か、妹は結構お兄ちゃん子だったが、中学校に上がるくらいの時にいきなり勉強に目覚めて俺には見向きもしなくなるんだったな。声をかけてもあまりそっけない。けんかしているわけではないが、なんか避けられてるみたいな。それが記憶の最後の方まで続いた。まあ思春期だしそういうこともあるかとも思った。


キャロに記憶のことを聞いてみようとしたその時、


「わぁぁーお兄ちゃんがいるよぅ!!!久しぶりぃ!!!まさか再びお兄ちゃんに会えるとは夢にも思わなかったよぉぉぉぉ~~~~~!うぅぅぅぅ~」


一体何のことだろう。こんなに感動するものなのか? 兄妹の再開って。というよりなんか俺を見る目が微妙に違う。しかも少し頬が赤い。てか涙目じゃん。おいおいどないした。


「お兄ちゃんずぅぅぅぅぅっと私のこと避けていたし、嫌われちゃったとてっきり思ってたよぉぉぉぉぉ!」


訳が分からない。避けてたのはそっちだろ。てゆうかキャロまでよく口が回るようになってるし。同じように誰かの記憶を刷り込まれたのは確かだ。


しかし言動が俺の中の記憶と一致していない。まさかの思い違いだったりして?


「ちょっとまって。キャロも何か思い出を?」


「え? お兄ちゃん覚えてないの? まぁしょうがないかぁ。あれだけ綺麗な人たちに囲まれてたら、私なんて気に掛ける暇すらないよね。でも寂しかったよぉ~ちょっとくらい暇だったら構ってくれてもいいじゃない~」


全く身に覚えがありません。はて、どんなきれいな人だろう、ちょっと気になる。いやいやいやいや、


「ちょ、ちょっと話し合おう。よくわからない部分があるし、情報交換しないと」


「ん、そだねー。何から話す~? お兄ちゃんの魅力ならいつまでも話し続けられるよ?」


どんなお兄ちゃんだよ。俺そんなに魅力あるように見えないと思う。いつまでたっても話が進まないので即、打ち切る。はあ、やっと記憶の交換ができる。全く持って理解が追い付いてないが。


まだ洞窟の地面に直接座り込んだままだったので、近くの手ごろな岩を見つけて座り、それぞれの記憶についていろんなことを語り合った。。。








ある程度情報を交換した結果、キャロの方についてこのようなことが分かった。


1、キャロは俺の記憶に出てくる妹の記憶は持っておらず、まったく別の星の国の記憶を見せられた。


2、その国の4番目のお姫様で、12歳までの思い出をいろいろ知った。おそらくキャロも2つの記憶が合わさったのだろう、俺のことはちゃんと覚えているだろうか。俺はちゃんと覚えてるぞ!(思い出せば)


3、その記憶の彼女は一番上の兄と他の16人の兄弟よりも断然仲が良く、遊んでもらえるのもその兄くらいだったらしい。兄弟多いな。


4、住んでいたところ(国の王宮)はとても豪華で、衣食住すべて贅沢だったが、パーティとかのお偉いさんたちの挨拶周りがとてもつまらないものだったらしい。うん分かる。


5、彼女は将来はその兄と一生を共にする思いだったらしいが(国の貴族とか身分の高い者は全然法律上OKらしい)、その兄は彼女曰く言葉で言い表せないほど魅力的らしいので、女の子、特に他国のお姫様を虜にするほどモテていた。うらやまC。


6、その星には国が地球にある国の数より断然多い1000以上あるため、毎日どこかの王女様が兄に面会しに来たらしい。大抵帰り際にいう言葉は、"いつでもお待ちしてますわよ" だそうだ。態度でかっ。


7、王族は政治的絡み合いがあるため、長男である兄は後を継がなくてはならず、いろいろ公務で忙しい。出来るだけ友好国を増やすためにも、婚約者選びは念入りに"担当の部署が"行う。自分で選べないのかよ。ハーレムではないのね。ご遠慮したいが仕方なくという場合もあるか。


8、兄が避けるようになったのは、おそらく婚約者になるための年齢になるまでとか他の婚約者の年齢差を考えてのことだろう。あまりにも離れていると婚約者どうしいろいろ合わなくなるからかな。もしくはその兄はシスコンではなかったか。あくまで家族として接していたい、とかなんとかだろう。


9、しかしあきらめきれない彼女はあの手この手で自分の魅力を兄に見てもらおうとさまざまな努力をしたらしいが、あまり役に立たなかった。料理を覚えてもコックと給仕係がいるし、手作り料理を食べて貰っても、おいしいとは言ってくれるが、それだけだ。さらに燃え上がった恋心を動力源にして策を練っていたところで……


10、ブラックアウト。





といった感じだ。ちなみに今の俺の顔はそのモテモテの兄貴の小さかったときと瓜二つらしい。なんでも王様が初めての長男に甘々だったので、絵師に美術館ができるほど肖像画やら書かせていたらしい。それを兄がいないときにずっと見ていたのか。良く飽きないな。俺は記憶では美術なんて嫌いだったし、美術館も行ったことはなかったが。


とりあえず状況は掴めた。そろそろこの洞窟から出ても問題ないだろう。結構眠ってしまっていたみたいだし。そう思い出口を探そうと見渡してみると……


そういや眠ってしまう前に白いモヤみたいなものが見えたな。あれはいったい何だったのだろう。確認する前に闇に落ちたが。


すると突然、寝落ちする前光ったと思われる所で(周りの地形が変わってなかったことから)光る塊のようなものが地面から浮かび上がった。文字通り浮かんでいるのだ。目の前でまたもや不思議な現象が起こっている。あくまでも地球の常識の範囲内で考えたらだが。


色はヒスイのようなきれいな緑色で、少し透明だ。中心の部分は赤く光って見え、大きさは完熟トマトくらいだ。それが空中に止まって見えるから一瞬吊るされているのかと思ったが、吊るされている様子はない。


その塊はまるで早く取ってくれと言わんばかりに震えだした。手を伸ばして両手でつかみ取る。少し暖かいな。鉱石みたいな見た目だから冷たいと思っていたが。


「お兄ちゃん、これなんだと思う?」


「空中に浮かんでるから、飛〇石なんじゃない? 色は青じゃないけど」


「飛〇石ってなにー? 空飛べるの? 私空飛んでみたい!」


「うーん、使い方が分からないから難しいかな。どう使うかよく分からないけど、とりあえず持っておこう」


「おっかしぃなぁ。"全知"の私でも分からない物があるなんて。こんなこと初めてだよ!!」


「何その中二的称号!!!」


またまた驚いた。地球ではおなじみの異世界はやはり存在自体が中二なのか。必然と様々な小説の題名がが頭の中に浮かんでくる。この記憶がある限り俺は一生驚きを避けることは不可能であろう。さて、その称号について詳しく聞かせてもらおうか。"全知"のキャロさんよ。


「えーと、確か古いだけの理由で置いてあった称号本にはねー、"全知”はそのまま"大抵のことは分からなくても理解できます。"って書いてあった。ついでにあっちのお兄ちゃんの称号は"共鳴"だよ。"とにかく他人を引き付ける。"って書いてあった。」


なんともテキトーな称号本だな。称号とはいったいなんぞや? 全員持っているスキルか何かか?


キャロは称号について丁寧に説明してくれた。称号とは「その人が持つ本質的な才能」とでもいうべきもので、一般市民は1万人に1人、貴族なら数百人に1人、王族ならほぼ全員が所持している。


なぜ身分が高いと称号がつくのかというのは、どうもやれることに幅があるからかもしれない。と本に書いてあったという。仮説かい。そして、なぜ称号というものがもらえることについての理由は1+1=2の証明より難しくとてもこの書には書き表せませんという。 


まだ分かりませんって書けよ。


平民は仕事はある程度決まっており、新しいことに挑む機会がそうそうない。しかし貴族とか王族は公務さえやっていれば遊び放題だ。狩りやら着飾ることやらいろいろあるだろう。


つまり、称号は神から勝手に与えられた特殊能力ってことか。神がいるかどうかは知らんが。地球の考え方を持ってくると大抵おかしなことになる。今度から自重しよう。


「まあその"全知"も万能じゃないさ。おそらくそっちの世界の記憶を持っていない俺は称号は効いてないだろう。とりあえず村に戻るぞ。暗くなる前に帰ってキャロのお母さんに薬草を飲ませないと」


「あー、そうだったね。危うく忘れるところだったよ。てへっ☆」


完全にキャロのキャラ変わってしまったな。~なの、が口癖の無口な子だったのが"全知"のおしゃべりになってしまった。しかも重度のブラコン。あ、やばい。またあの知ってる小説の名が頭に浮かんできた。厳密にはキャロはこの世界では妹ではないが。


そういえばこの洞窟に逃げ込んだから場所が分からなくなっているんだった。問題は帰れるかどうかだが。森の奥の方はかなりまずいと聞いているからな、ちゃんと暗くなる前に森を抜けられるか。


「問題ないよ、お兄ちゃん! なんたって私は"全知"だから! 帰る道もなんとなく分かるよ」


早速"全知"発動。もはやキャロに不可能はない。しいて言えばこの石の正体の解明だな。鑑定出来ない時点で相当レア物であろう。


洞窟から外に出た後、キャロに手を引かれながら進んでいき、あまり時間がかからずにあっさり森を抜けることが出来た。進む方向に迷いが全くなかったな。さすが"全知"だ。キャロが称号を持っていなかったら道のない長い雑草が生い茂るところなんか通れなかったと思うし。


おかげで完全に暗くなる前に村にたどり着いた。おっちゃんに笛返さないといけないな。王都に送ってもらう時でいいか。ついついおっちゃんに甘えてしまう。たとえ違う記憶を持ったとしても。


キャロの"全知"は母親の治療でも遺憾なく発揮した。つまり、一番効率の良い薬草の煎じ方、飲ませるタイミング、すべてが効力を発揮し、キャロの母親は翌日には起き上がれるようになり、その次の日には歩けるようになって、王都に向かう俺たちの見送りもできるようになった。王都行きは出費が嵩むからな、大抵地方の親は留守番だ。


おっちゃんが王都に行くための馬車を引いてやってきたのは、出発の日の朝早くの事であった。


2人の運命のタイムリミットは、刻々と近づきつつある。


やらないといけないことってやろうとするときが一番だるい~って思いますよね?しかしやり始めて集中してくると飯の時間とか風呂の時間が煩わしくなるわけですよ。今いいところなのにぃーとなります。一番良いのは夜中で邪魔する物事が無いのでひたすら集中できますから。(終わってないことの言い訳)


次回以降はとりあえず朝9時予約、多分今の調子なら毎日。ゲームやってないのが大きい。

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