第2話 ぼっち2人で
課題やるきがなくて他の作者の作品読んでたら「書かなきゃ」という気持ちになり勢いで書きました。二時間位?
アルカナイ大陸は、中央から東の海岸まで広がる広大な森と、西方にある3つの国からなる小規模な大陸である。南には砂漠が広がっており、砂漠と森の間にはそびえ立つ山脈が存在する。
3つの国の1つ、テグナッサ王国は森に隣接し人口のほとんどが人間で、中央の王都と郊外に分散する小さな村や町からなる、まあ至って普通な国だ。ちなみに他2つは察しの通り人間以外の国だ。
そのたくさんある村の中で山間にある村の1つ、ニロク村に、俺レストは生まれた。人口は12人じゃなくて100人くらい居るが。ちなみに1番近い村は王都に近いナロク村だ。地味に素数だな。町の名前の基準は分からん。
親は両親共々農家であり、ダイコンみたいなユドラなる作物を作っている。味があまりないのが欠点だが、保存食として多少売れるので、何とか暮らせる程度だ。
俺は村の子供のなかではみ出しものだった。いろいろ原因はあるが、1番は単に痩せていたためだろう。この世界では太っている=裕福で至高という価値観が強く深く根付いているため、野菜しか食わしてくれない俺とは違って、他のおうちがまだ良い方のぼっちゃんはなかなか食えない魔物の肉なんか常食にしているから、子供でも体型がブクブクである。
まさに格差社会。地球の記憶がなかったら(縄文時代の記憶じゃなくて良かった)惨め過ぎて毎日号泣してたかもしれない。今となってはメタボになるつもりは殊更ないが。
そんな記憶がないときの俺は、なるべく他の連中を避けるために、子供はあまり近付かないであろう森の近くで1人遊んでいた。やっていたことはお宝をさがすことである。大抵拾うのは何の変哲のない、ちょっと光るだけの石の時もあれば、食用の果実を見つけることもあり、時々親からほめられた。そのお陰で結構危険な森の近くの散策を黙認してもらっている。
そんなある日、いつものようにお宝探しに勤しんでいると、丁度同じくらいの年の女の子が大きな岩の影で泣いていた。
「どーしたの?」
「ふぇ? うぅぅ‥‥‥うぇぇぇぇぇん!」
泣いてばかりでちっともわけが分からない。子供だな。こんときの俺もか。とりあえず泣きやむまでひたすら待つ。優しい言葉をかけるなんて器用な真似は3歳児には無理な話だ。
落ち着いたところで理由を聞くと、予想はついていたが、俺と大体同じだ。まあ最初見たとき第一印象は"痩せている"だったもんなあ。ぼっち仲間発見。いや、笑えないよ? 他人事じゃないし。
それに加えて、彼女は色白だ。この世界では褐色に近い肌が好まれるため、やはり想像以上に回りからの目は厳しいものだったに違いない。きつい言葉でも言われてへこんでしまったか。で、助けてくれる大人もいないと。現代の話ならヒッキー確定だな、こりゃ。
俺も当時はこの世界での価値観に染まっていたから断然目を背けていたかったが、ぼっち仲間を見捨てるのは自分を見ているようでもっと嫌だった。とりあえず手を差しのべる。
「ぼく、レスト。遊んで? 一緒に」
「うぅぅ、うん。私、キャロ。(にこっ!) 」
あ、かわいい。このときは何故かそう思った。まあ地球の子供でも笑顔を振り撒く子は憎まれないからな。同じか。
その後、2人でお宝を探し回ったり、珍味とされる植物(気味の悪い花にしか見えなかったがキャロが知っていた。なんで知ってるんだ?)を見つけて晩飯がワンランク上がったり、いろいろなことがあったが、ここでは説明を省く。
事件が起こるのはそれから3か月後の戸籍登録の為の王都行きの最中のことであったが、このときの俺たちはそんなことは頭にもなかった。
せっかくの休みなので遊んでから課題やります。キリッ(死亡フラグ)次回は休みが終わる迄になんだかんだ言って書いてるでしょう。