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忘れられたストーリー達

異世界経験者を研究する者

どうも瀬木御 ゆうやです。


異世界って読んでて良いですよね。

でも現実に帰ってきたらどうなるんだろうと思って書いてみました。


※この作品に出る組織は現在連載中の作品に出てる組織です。

よぉ、俺は山崎 (とおる)

とある研究所である研究を行っている。

まぁ、言うのは簡単だが結構メンドクセェ研究内容なんだ。



俺が担当しているのはあー……アレだな。



『異世界に行ったことがある者』について研究しているんだわ。



ほら今一瞬変な顔した。

本当なんだって。



意味わかんないだろうが、こっちはガチで機械を通して研究してんだよ。ナノテクノロジーだが、素粒子計測器とか、表には公表できない秘匿の機器を使ったりしてさぁ。



いいか?

研究所外のお前に簡単に言ってやるとだな。


まず、俺たちの研究所……まぁ組織は裏社会にあるのは知ってるだろ?

いろんな超能力者を捕まえて研究したり、超能力を植え付けたりってサイケデリックな研究をしてるのは銃を持ってる戦闘班のお前でもわかるだろ?


でだ、その超能力の大半は説明がつく論文としてまとめ上げられて研究所で出ている。もちろん公表しないが。


そんな超能力者達の中でも、能力の発生原因が不明な特に異常な奴らを俺たちのような研究員が研究するわけだ。

もちろん、俺には全然わかんねーがな!


お偉い教授も博士も匙を投げて違う能力者の担当になっちまうから、被験体もかわいそうに、ここまで拉致されてあとは野ざらしにされるってわけだ。



もちろん俺たちのCEOが世界中の武装組織に高値で人身売買するから元は取れるんだけどよ、ほらこの前の爆破テロ。アレってイタリアの支部から送られた自爆能力の子供を使ったらしいぜ。

もっとも、隠蔽工作で大人にされてたけどな。



さて話を戻そうか。

えーーと、あぁそうそう!

異世界に行っていた者についてだったな。

忘れちまってたぜ。



ウチの研究機関はそれについて『空間を渡る能力』って理論をつけて研究している。

よくあるファンタジックな話だと不思議の国のアリスとかかな?

目が覚めて全部夢でしたってオチの。

でもそれじゃ理由がつかない場合があるから俺たちは研究しているわけ。



……内緒にして欲しいんだが、どうやら働いている研究所の地下に空間の歪みとかを計測する機械があるらしいんだ。それで計測して、しかも発信場所まで判定するとか。

そこから人物を割り出して、研究所まで拉致するわけ。

言葉に出してみると本当に人権無視した組織だな恐ろしい。




いろんなデータがあるけど……見るか?



まずはこれ、この前ここに連れてきた日本人の少年。


こいつはどうやら異世界でいろんなヒロインと冒険したらしい。

え?

そんなうまい話があるかって?

知るかよンなモン、こっちは尋問して聞き出してんだからさ。


妄想の可能性もあったので詳しく聞きながら調査したさ。異世界で10年も暮らしていたこと、その世界の言語を流暢に喋ったこと、こっちの時間にして一瞬ですべてを体験して帰ってきた事実なんかも俺は書いたよ。



まぁ、この手の異世界体験者は多くいる。


少なくとも被験体の能力ではなく、別の何かの力によって引き込まれているって事もわかっている。

え、じゃあどうしてこんな研究をしているかだって?


まー、あんまり言いたくないけど。


異世界って一つじゃないのは分かるか?

幾つもの夢や魔法に溢れて、行ってきた奴らは全員がまるで自分の想像していた世界だと思っているわけだよ。

そこで辛い道のりを経験して、そっから人生の厳しさを知るってな。


実際、家に返してきた学生達は今まで疎かにしていた学業を頑張ってるし。

異世界で王になって国を治めったって奴は政治家に。

大商人になった奴は社長になって人をまとめ上げている。


こうも検体のグラフがうなぎ登りだと、そりゃ異世界について研究したくもなるだろ。


夢を夢で終わらせないってある意味良いことだし、世の中をよくする原動力にもなっているわけだ。


ロマンチックだと思わねぇか?


……思わないか。


…でだ! ウチのCEOは俺のその報告を受けてなんて返したと思う?

「こんなの超能力のでもなんでもない」だってよ。

まぁそうなんだろうけど、ほとんどがそうなんだけどさぁー。



超能力っぽいこんなデータも出てんだぜ?



拉致して騒いでる少女がいてな……Sでいいか。

こっちがずっと質問してるのに泣き叫んで喚いてんだよ。

だから黙らせようとお前と同じ戦闘班が近づいて銃を突きつけたんだわ。

そしたらSがいきなり施錠した手錠から両手をスルリと簡単に抜け出して戦闘班の銃を奪ったんだぜ。

こっちは表でやり過ぎた軍人が殆どなんだぜ、そいつから銃をとってしかも人質にしちまったんだ。

言っとくがSってまだ14歳だぞ。



流石に俺たちも慌てて、ほかの戦闘班のメンバー呼んできたぜ。さすがのSも対抗できないと思ったら今度は呪文を詠唱して周りのメンバーに火の玉放ちやがったんだ。

流石の俺も逃げ出したぜ。


そっからは地獄絵図。


研究所内の戦闘班が出動して一斉に銃を放って始末しちまったんだわ。その間Sは職員を惨殺しながら歩いてたらしいがな。


悪いことしたぜ。

もったいないお化けに襲われちまうかもな。


……それは超能力じゃないかって?

いやよぉ、それも報告したら「死人は用無し」って言われてナシにされたんだわ。


本当に使えねぇガキだぜ。

俺たちの成果の足しにもなんねぇし、無駄に死人増やしやがってさ。


おっと今日はもうこんな時間か、そろそろ研究所に帰ってレポートまとめとかねぇと。




今も研究所には被験体を数千人も抑留してあるからな。









---------異世界に行って帰ってきて地獄の日々になった奴らがたくさん……な-----------

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