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第987話 第2皇子一家にご挨拶。1(一家が夕食中。)

ここは第2皇子一家の屋敷の食堂。

ニールとリネットとクリナとカリスがワイワイと食事をしている。

「んん~♪豆腐入りのサラダも良いですね♪」

クリナが恍惚の表情をさせている。

「ジャガイモに豆腐を混ぜてマヨネーズとハムですか。

 ポテトサラダがあっさりした感じですね。

 これは美味しいです。」

リネットももりもり食べている。

「うんうん。リネットの食欲が落ちなくて良いな。」

「?・・・ふむ。相変わらずスープが美味しいですね。」

カリスが顔を上げて玄関の方を気にするが直ぐに食事に戻る。

「カリス。どうしたのですか?」

クリナが聞いて来る。

「いえ。パナ殿が来ましたのでタケオが来たのでしょう。」

「タケオさんが来たのですね!?」

クリナの顔がパッと明るくなる。

「ん?今日はこの街に着いたばかりだから夕食後に来ると思っていたんだが・・・」

「ニール。宿泊費全部こちらが持ったのを気にしたのではないですか?」

「ピーターを授かったし、それに豆腐も教えてくれた。

 クリナにカリスも付けて貰った。

 このぐらいの出費は安い物だろう。

 まだまだタケオ達には感謝し足りないくらいだ。」

「そうですね。

 それにしても豆腐は美味しいですね。」

「3日に1回は出せるようになったな。

 街の酒場や穀物屋を呼んで勉強会をしているから勉強会後の夕食は決まって豆腐料理なんだがな。

 このまま順調に行けば・・・行ってしまうと・・・」

ニールはそこで考える。

「何か問題があるのですか?」

「いや。この調子で勉強会を開催していき、少しずつでも街中で定着してくれれば今年の増やす作付け面積は帰って来てから検討をした面積で十分だろうとは思うんだが、万が一、急速に流行りだし、さらにタケオの方から増産要請が来てしまうと足らない気もするんだ。

 さて。どうしたものか・・・」

ニールが首を捻る。

「贅沢な悩みですね。

 あんなに売り先がないと嘆いていたのに・・・」

リネットが苦笑する。

「お父さまはご自身で今年の作付け面積は決まったと言っていました。

 タケオさんにも決まった数を売るしかありません。

 今さら面積を変えるなんて言ったら皆が慌てます。」

クリナが堂々と言い放つ。

「ん?クリナ。俺は別に作付け面積を変える気はないぞ?」

「??・・・お父さまは何を言っているのですか?

 タケオさんから大豆の追加注文が来たら足らなくなるからどうしようと言ったではないですか。」

「言ったな。

 だが俺は皆で決めた作付け面積を変えようとは思っていないんだ。」

「じゃあ。何が問題なのですか?」

「足らないとタケオに言ったらタケオがどんな動きをするのか・・・

 そこはかとなく不安だ。」

「確かに・・・タケオさんは行動力が高いのでした。

 他から買うのでしょうか?自分達で作り始めてしまうでしょうか?

 お母様どうしましょう!?」

クリナがリネットに顔を向ける。

「・・・正直に言えば良いのではないですか?

 今年はこの量しか卸せられないから来年まで増産は待って欲しいと。」

「「ん~・・・」」

ニールとクリナが同じように腕を組んで悩む。

「あら?タケオさんに頭を下げるのは嫌なのですか?」

「そうじゃない。

 タケオにならちゃんと頼めるぞ。」

「タケオさんになら平気です。」

「「だけど・・・」」

親子仲良く声を揃える。

「・・・見返りがなんでしょうかね。」

「「うっ・・・」」

「でもタケオさんも別にたかる方ではありませんから大丈夫だと思いますよ?

 まずは聞いてみるしかないのではないですか?」

「そ・・・そうだな。

 聞いてみようか。」

「はい。聞いてみましょう。

 ・・・で。タケオさんが来たと報告に来ませんね。」

クリナが扉の方を向いて言う。

「うむ。少し遅いな。」

「そうですね。」

ニールとリネットも扉の方を向く。

「・・・執事長が来ましたね。」

カリスが食べながら呟く。

と扉がノックされニールが返事をすると執事が入って来る。

「失礼します。殿下方。」

「うむ。どうした?」

「キタミザト子爵様と従者の方1名が参っております。」

「そうか。

 急いでいたか?」

「いえ。夕食を取られている旨をお伝えしたら出直すと言われ帰られようとされたので、引き留めさせて頂き客間で待っていただいております。

 それと・・・料理長が会いに行きたがっていますが、いかがいたしましょうか。」

「ん?料理長がか?

 王都に来ていた料理人の方ではないのか?」

「正確には全員ですが、代表して料理長が手を上げています。」

「そうか・・・んー・・・」

ニールがリネット達の皿を見る。

「タケオにはすまんが、もう少しでこちらも終わるだろう。

 それまで待っていてもらおうか。

 料理長達に話を繋いでおくように言ってくれ。」

「はい。畏まりました。」

執事が礼をして退出していく。

「さて。ちょっと早く食べようか。」

「いや。タケオさんが料理長達と豆腐とかの話をしているなら絶対時間がかかるから多少は遅くなっても平気だと思うんですけど。」

「そうですね。

 王都から戻ってから料理人達が毎週毎に魚のすり身の料理研究をしていましたよね。

 あれの話でもするのでしょうね。」

ニールの言葉にリネットとクリナが「まだ大丈夫」と言ってくる。

「あぁ。すり身系も毎週出てきているな。

 今日は作っていないよな。

 だが・・・話だけで済むのか?」

ニールが開いている皿を見て考えてる。

「・・・来るのを見越して用意していたと言うのですか?」

「2、3日前から今日来る可能性は伝えていたが・・・」

「どちらにしてもタケオさんがどう評価するかですよね。」

「早く食べよう!」

「そうですね!どんな評価をするのか聞かないといけないですよね!」

「・・・早く食べてもそれはそれで私達が立ち会って良いのでしょうか?」

ニールとリネットが急いで食べ始めるが、クリナは考えてから少し早めに食べる程度に収めるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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