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第985話 120日目 出来ちまったよ。(精霊達の内職。)

テイラーの魔法具商店。

「「・・・」」

鈴音とテイラーが出来上がった小銃改4こと拳銃が2丁出来上がり机に置いてジーッと見ていた。

「・・・スズネさん。出来ましたね。」

「はい。

 皆さんのご協力で出来上がりました。」

「・・・まさか試し撃ちで暴発したり、魔法刻印が失敗し魔力の流れが変わってしまい火を出す為だけの拳銃が完成してしまったり・・・」

テイラーが目線を落として呟く。

「・・・試験・・・大変でしたね。」

鈴音が目線を落としながら呟く。


「体力を回復させる回復ポーションと魔力量を回復させる魔法ポーションをあんなに使うとは思いもしませんでしたね。

 あんなに使用したのは王都で無茶をしていた時期以来です。」

テイラーが苦笑する。

「あ。そう言えば聞きたかったのですけど、ポーションって回復薬ですよね。

 なんで体力回復用と魔力回復用の2種類があってそれぞれ1種類ずつなのですか?」

「それぞれの材料が違うからですけど・・・何が疑問なのですか?」

テイラーが鈴音が不思議に思っている事がわからずに聞き返す。

「いえ。この手の回復ポーションって・・・例えば上中下のように回復量によって値段が変わるような気がするのですけど。

 違うのですか?」

「・・・スズネさん。そのランク付けが出来たとしてどうやって変えると思うのですか?」

「え?・・・材料の違いとか・・・薄める・・・とか?」

「確かにポーションを薄めると効能が低くなるという考えはあっているのですが・・・勧めませんね。」

「出来るのですか?」

「詳しくは知りませんが、確かポーションは製作時に少しでも水加減を間違えると精製出来ないくらい繊細な薬だったはずです。

 なので出来上がった物は全て同等の品質で出来上がると言われています。

 で、このポーションに水等を加えて薄くするというのは出来るのですが・・・確か1.2倍に薄めると効能がなくなるはずですよ?

 なので薄めたとしても大して安値にならないんですよ。

 それなら品質を保証して売った方が信用もされると言われています。」

「・・・1.2倍にしか薄められない?・・・」

「はい。

 ですが精製する場所や材料の品質によってそもそもが性能的に1割の誤差は生まれてしまうだろうというのが皆の認識なのです。

 なので・・・ま。薄める者は居るかもしれませんが、店の評判を下げてまでする程ではないというのが結論になります。」

「そうなのですね。」

「あと人間種が作れるポーションは実は3種類です。」

「3種類?・・・回復ポーションと魔法ポーションだけじゃないのですか?」

「その両方を賄うポーションですね。」

「ポーションの効能はどんななのですか?」

「どのポーションも概ね本人の体力や魔力量の4割と言われています。」

「??・・・4割?・・・割合なんですか?」

鈴音が首を傾げる。

「そうなっていますね。

 魔力量が2000程度の者でも5000程度の者でも一旦限界まで魔法を使わせてから魔法ポーションを使わせると4割程度の魔法が使える結果になっているという事ですね。」

「・・・量が1000とか2000程度戻るというわけではないのですね・・・」

「?・・・逆に回復量が決まっているポーションって怖くないですか?」

鈴音が考えながら言うとテイラーも考えながら言う。

「そうなのですか?」

「ええ。

 昔から割合で回復する事に慣れていると回復量が決まってしまっている方が怖いですね。

 もし2000程度の人に5000程度回復する回復薬を使用したらどうなるか・・・

 不安がよぎりますね。」

「そう言われるとそうですね。」

鈴音が頷く。


「で。言われた仕様の拳銃が出来ましたけど、どうしましょうか?」

鈴音が改めて拳銃を見ながら言う。

「んー・・・

 スズネさん。本当に意匠は施さなくて良いのですか?」

「私は不要だと思います。

 それに意匠を施すとお金がかかりますし・・・武雄さんが欲しいと言えば施せば良いと思います。」

「わかりました。

 これはキタミザト様が戻ってから渡せば良いでしょうかね?」

「はい。

 腰ベルトに通して付けるホルスターも作りましたし、この店の棚に置いておきます。

 武雄さんが戻ってから渡しましょう。」

鈴音がホルスターと拳銃を一緒に箱に仕舞う。

・・

「で。テト。ニオ。何をしているんですか?」

テイラーがカウンターで何か作業をしている精霊2名に声をかける。

「内職。」

「バイトだな。」

テトとニオが作業を止めてテイラーに向かって言う。

「2人とも布をチクチク縫っていて何を作っているんですか?」

鈴音も聞く。

「コノハからの依頼でな。

 ジーナとパラス用の体操服を作っている。」

「そうそう。動きやすいのにしてくれって。

 今はハーフパンツを作っているの。」

「体操服・・・この時期に?」

鈴音が首を傾げる。

「体操服とは何ですか?」

テイラーが聞いて来る。

「私や武雄さんが知っている成人前の人間が運動する為の服装なんですけど・・・

 ハーフパンツですね?」

「ハーフパンツとVネックのTシャツよ。

 Vネックなら風も入りやすいだろうしね。」

テトが答える。

「いや・・・丸首にしなよ。

 屈んだらジーナさんの見えちゃうし。」

「・・・ニオ。仕様変更です。」

「・・・何とかなるだろう。

 すると・・・この仕様書の首の所は丸首にするか。

 ま。形は我らに任されているから問題はないだろう。」

ニオがお手製の仕様書に鉛筆で書き込みしながら言う。

「・・・ん?・・・ジーナさん達用に2着ずつなのはわかるのですけど・・・

 明らかにサイズが大人用のが5着あるよ?」

「そっちはコノハからタケオに渡すって。」

「何に使うのかな?」

鈴音が難しい顔をさせて聞いて来る。

「「さぁ?」」

テトとニオがすまし顔をさせて答えるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] いや、割合の方が怖いと思うけど だって、定量回復じゃ無くて割合だとすると 5割回復する薬だとして、魔力量1万の人と、魔力量1千の人が同じ薬の量で、回復量五千と五百って可怪しくない? …
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