表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
983/3618

第971話 大統領府への報告。

ウィリプ連合国 大統領府官邸。


「失礼いたします。

 特務隊ルイ・セイジョウ将軍が報告に来られております。

 第1執務室に通しております。」

執事が第2執務室に入るなり屋敷の主に告げる。

「そうか・・・では行くか。」

その男性が席を立つのだった。


「おう!戻ったか。」

男性が扉を開けて入って来る。

「はっ!アンヘル大統領。

 任務を終え戻りました。」

セイジョウが立ちながら言う。

「そうか・・・報告書は後で出して貰うが、とりあえず簡易的な報告を聞こうか。」

アンヘルが執務机に座る。

「はっ!」

セイジョウが執務机の前に立つ。

「さてと。アズパール王国の宝物庫には侵入出来なかったようだと同行した者が言っていたが・・・」

「手練れが扉前に陣取っていましたので、無理強いは致しませんでした。

 それに殺害厳禁でしたので問題はないと思いますが。」

「そうだな。

 で?報告書が来たのだが・・・キタミザト子爵の聞き取りと監視だったか?

 これは危険人物か?それとも協力者になるのか?」

「その判断をしていたのですが・・・我が国に対し直接の脅威はないと思われます。

 元はカトランダ帝国で知り合いましたが、着任地が魔王国側ですので協力者にはならないと考えます。」

「そうか・・・

 で。これがアズパール王国から取り寄せた新人貴族の簡易経歴だ。」

アンヘルが執務机引き出しから書類を出しセイジョウの前に出す。

「失礼します。

 ・・・そうですか。」

セイジョウが軽く中を見てアンヘルに戻す。

「平民出身で王国内で国王が魔物に襲撃された際にこれを撃退し、王に認められ研究所の所長として子爵位を与えられたそうだ。

 セイジョウ将軍。この者は頭がキレるのだな?」

アンヘルが資料を見ながら聞いて来る。

「・・・どういった感じで魔物に襲われたのかは書いていないのですね?」

「あぁ。キタミザトの情報は今見た通りだ。」

「頭がキレるというのはわかりかねます・・・それに精霊が付いていますからある程度は補助があるでしょう。

 ですが、使節団を率いて他国に行くように言われる人材というのは確かな所かと思います。」

「そうか。精霊魔法師だったか。

 それに使節団は新人に任せるような仕事ではないのも確かだな。

 魔王国側の研究所に行くのだな。」

「新人貴族の簡易経歴に書かれていた通り、研究所はカトランダ帝国と我ら方面に1つ、魔王国方面に1つの2か所体制とキタミザト殿より聞いています。

 ただ・・・キタミザト殿の第二研究所は我らの方の第一研究所のお飾り感があるようです。

 今、一生懸命研究課題と人材を集めていると思われます。

 本人的には研究所でありながら農業に力を入れてみたいと言っていました。

 事実、ドローレス国にてエルフを一家で買っております。」

「研究所は武器や魔法具が主にだろうが・・・農業・・・なるほど。国力の底上げを狙うのだな。

 キタミザトは遠くを見通せる人材なのかもしれないな。

 だが・・・農業を研究所でするのは角が立ちそうではあるがな。

 ま。そこはこのキタミザトが何かしら考えているのだろう。

 それとアズパール王国は奴隷からの兵士登用を始めるのだな?

 まぁ前々から似たような話は向こうから来ていたが。」

「はい。キタミザト殿からは良い国民が欲しいから買いに行けと言われたと認識していますが。」

「・・・いろいろ考えられるが・・・普通に考えれば対魔王国向けの訓練用なんだが・・・

 我らの計画が漏れていると思うか?」

「まだ早いかと。

 もう1、2年後だと踏んでいましたが・・・軍務局から噂程度で漏れても不思議はないと思われます。

 それと他国からも漏れるでしょう。」

「そうだな・・・領主達には言っていたな。

 4年半後の戦争に反対が2、賛成が4、保留が2だが・・・」

「侵攻軍の数は決まりそうなのですか?」

「ああ。今回は侵攻戦だからな。全国から出す。

 補給も考えると7家総勢10000名が上限だろう。」

「・・・対するアズパール王国は第2皇子方面で3500名でしたか。

 王都から騎士団が派遣されるのでしょうから4000名でしょうか。」

「カトランダ帝国側では第2軍と第3軍が展開し、7000名でアズパール王国が4000名程度だろう。

 もしかしたらカトランダ帝国に援軍を出さないといけないかもしれないな。」

「なら・・・カトランダ帝国側の領主であるバンデラス様がよろしいでしょう。」

「・・・バンデラスとファルケは2000名の予定なんだがな。

 他の4家が1000名、私が2000名となるんだが・・・2000名を必要と思うか?」

「まぁ私は特務隊ですので参戦はしませんが・・・1000名のどこかでよろしいのではないでしょうか。

 どうせ向こうでは威嚇用の数見せでしょうし問題はないかと。」

「そうだな。

 まぁこれから4年半後に向け奴隷が売れると思う。

 私も早いうちに確保しておくべきだろうな。

 ドローレスはどうであった?」

「活気付いていました。

 ですが・・・そもそもあそこは奴隷売買の中心地。

 前から活気はあります。」

「それもそうだな。

 ・・・わかった。後は報告書をくれ。」

「はっ!

 では。失礼いたします。」

セイジョウが礼をして退出していく。

・・

「・・・さて・・・これであとは手数の確保だけか。

 ふふ。領地が増えればそれだけで次の大統領の座も安泰だろう。」

アンヘルが窓の外を見ながらニヤリとするのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ