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第969話 112日目 合流と出立。(赤スライム。)

武雄達が宿に止めていた幌馬車前に集合していた。

「えーっと・・・私は問題ないですよ。

 少し時間がかかっても良いのでしっかりとして整備してください。」

武雄が言う。

「すみません。

 もう少し待ってください。

 車軸と車輪を交換します!」

ベイノンとブレアとバートとファビオが車軸を換えていた。

ワイン樽の上に幌馬車が乗るようにして車体を上げた状態で作業しており、テキパキと作業をしている。


「主に食料を買って来たのですね。」

武雄が幌馬車の横に置かれた皆が買って来た物を見ながら呟く。

「あと。地図と絵画と本?」

武雄が隅っこに置かれた物を見て首を傾げる。

「あ。テーア殿が好きな本との事で『鮮紅の冒険』を買われてましたよ。」

アンダーセンが苦笑している。

「好きなんです!すみません!」

テーアが馬鹿にされていると思ったのか謝って来る。

「あ!違います!テーア殿がどうのという話ではないんですよ。」

アンダーセンが慌てる。

「まぁ。相当売れた本ですからね。

 子供達が相当買ったと聞いていますよ。

 ちなみにテーアさん。第2弾が発売されてましたよ。」

武雄が楽しそうに言う。

「何ですって!」

「王都に居た時だから・・・先月発売していましたかね?」

「あ。してましたね。

 行列が出来ていましたし、うちの子供も並んでましたね。」

「・・・買います!お給料出たら買いに行きます!」

テーアが目を煌かせるのだった。

だが、小隊の面々は「所長。言わないの?」と武雄を見ている。

「そうですね。

 趣味の為にも仕事頑張りましょうね。」

「はい!」

武雄がそんなテーアを朗らかに見つめるのだった。


「所長の荷物はないのですね?」

「ええ。リュックに入れましたからね。」

「わかりました。

 後は車軸等の交換ですね。」

「所長~・・・幌馬車の裏にこんなのが居ましたよ。」

幌馬車の床下を見ていたブレアがやってくる。

「・・・スライムですか。

 それも赤。」

「はい。

 私達を見ても逃げないんですよ。手の上に乗りますし。

 所長知り合いですか?」

「全く知らないですね。

 逃げないなら付いて来たいのでしょう。

 とりあえずください。」

「はい。」

ブレアの掌から武雄の掌に自分から移動してくる。

「小瓶あったかな?」

武雄がリュックを漁りだす。

・・

・

武雄とマイヤーが皆から少し離れて雑談をしていた。

「さてと・・・『はい』なら右回り、『いいえ』なら左回りで少し聞きたいのですがよろしいですか?」

武雄が掌に乗せている赤スライムに言うと右回りをする。

「スライムは頭が良いですね。

 あなたはラーラさんから生まれましたか?」

武雄が言うと赤スライムが右回りをする。

「私達を監視に来たのですか?」

赤スライムは左回りをする。

「ん~・・・監視ではないと・・・

 こちら側に何か伝えたい事があるのですか?」

赤スライムが右回りをする。

「私達と争う気はないという事ですか?」

赤スライムが右回りをする。

「こちら側のエルダームーンスライムに伝言があると。」

武雄は「確かスライム単体なら情報量は大したことないんだよね。彩雲に確認させるかな?」と考える。

「私預かりで良いのですね?」

赤スライムが右回りをする。

「では。こちらの小瓶に入ってください。」

朝霧達が入っているのと同じ小瓶の蓋を開けると赤スライムが自ら入っていく。

「さて・・・あとは幌馬車の整備が終われば出立ですね。」

武雄が赤スライムが入った小瓶の蓋をしながら言う。

「向こうからの伝言なんでしょうね。」

「なんでしょうね・・・敵対しないと言っているので向こうの計画でも教えてくれるのではないですか?」

「どうなんですかね。

 お互いに生存していることを確認させておきたいのかもしれませんが。」

「・・・お互いに。

 彩雲の朝霧達なのですけど・・・一体全体どんな情報をやり取りしているんでしょうね。」

「所長でもわからないのですか?」

「知りませんね。

 夕霧達からはスライムが見たものを見ているとしか聞いていません。

 いつくらい前のまでとかは聞いていませんね。」

「よろしいのですか?」

「ん~・・・聞いて良いのか悪いのか・・・

 そもそも聞く必要があるのでしょうかね。」

「所長が聞かないとはどういった事でしょう。」

「・・・そもそも日にちの感覚も数百年は生きるであろう種と数十年を生きる種で同じなのでしょうかね?

 で、そんな時間感覚の者の意見を聞いて理解する・・・理解出来れば良いのですけど。

 夕霧達の感覚が1週間が私達の鐘1つとかと同じ感覚だったら『さっきの事』でしょうし。

 1週間が20秒くらいの感覚なら『今の事』ですよ。

 それに夕霧達は日数という物に気にしていませんよ。気にしているのは季節ごと・・・もしくは月単位で何となく覚えているだけだったかと。

 なので私からどのくらい前までの事を覚えているのかは聞いていません。

 知っていても意味はあまりありませんからね。

 それに夕霧達エルダームーンスライムはスライムからの情報を受け取って個々に選別していくと言っていたようです。

 そこで個性が出て来るのでしょうけど・・・私的には夕霧達にはどういった情報を集めて欲しいと依頼して動いて貰った方が良いと思っています。

 どのくらい前の情報を持っているではなく、目的の情報を集めてくださいとした方が良いでしょう。

 記憶する日数が足らなければ夕霧達が補助してくれますよ。

 そのぐらい夕霧達は優秀で考えて出来ます。」

「・・・確かにそうですね。

 さて。もう少し待ちますか。」

武雄とマイヤーが床に座りながら待つのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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