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第967話 111日目 ファルケ国領主邸がある街に到着。(はぁ・・・やっとだ。)

夕方。武雄達はファルケ国領主邸がある街に到着していた。

城門での受付を済ませ、今は行きの際に泊まった宿でのんびりとしていた。


今はドナートとジッロとエットレとファビオが湯浴みに行っている。

ボーナとエンマとフローラ組、フォレットとテーアとビエラとニルデとジルダ組の2組は既に入り終わって湯浴み後のお茶を飲んでいる。


「ん~・・・」

武雄が夕食後のティータイムで考え事をしていた。

「所長。どうしましたか?」

「いや。移動中に大きい事はなかったので良いんですけど。

 マイヤーさん。順調なんですよね?」

「想定ではドローレス国領主邸がある街からこのファルケ国領主邸がある街まで幌馬車で5日かかる所を4日で来ましたので順調でしょう。」

マイヤーが頷く。

「所長が危惧していた幌馬車の耐久性は大丈夫でしたね。」

ベイノンが言ってくる。

「でも確かに少し早く移動はしていたからなぁ。

 明日簡易的な点検をするか。

 所長。確か明日は昼の出立でしたよね?」

ブレアが言ってくる。

「ええ。明日の午前中は私はヴァイオリンを取りに行ってきます。

 なので皆さんは食料やこの4日で必要だと思った物と欲しい物の買い付けをお願いしますね。」

「・・・ふむ・・・地図関係でしょうかね。」

アーリスが考えながら言う。

「あとは王都への土産になるし絵画だな。」

オールストンも考えながら言う。

「・・・額縁の厚さと金具の位置の確認はしなくてはいけませんね。」

アンダーセンはお茶を飲みながら言う。

「もちろん。任せておけ。」

オールストンが返事をする。

「・・・」

テーアが何も言わずにお茶を飲んでいる。

「ふむ・・・土産は良いのですけど・・・」

武雄が口元に手を当てて考えている。

「どうしましたか?」

マイヤーが武雄に聞いて来る。

「いえ・・・手持ちが少なくなったので明日の朝一で冒険者組合に行って足しますのでその後費用を渡します。」

「「わかりました。」」

皆が頷く。

「あとは・・・班分けはどうしますか?」

「私とマイヤーさんとビエラで後はまとまって行動で良いですよ。」

「了解しました。」

アンダーセンが頷く。


「で。所長の悩みはなんですか?」

「いや・・・エンマを立たせたので道中で何かしら厄介事が降りかかるかと思っていたんですけど。

 何もないんです。

 越境もして今は他国の中心地ですし・・・良いのでしょうかね?」

武雄が考えながら言う。

「まぁ・・・私もそれは考えていましたが・・・

 カファロ一家が何かすると心の準備はしていましたね。

 皆もだろう?」

マイヤーがそう言うと小隊の面々が頷く。

「所長があの後行った奴隷商組合での話をカファロも聞いて信じたのでしょうか?」

「裏稼業が他国の貴族の話を真っ当に信じるのかはわからないよな。

 それにエンマ殿が下半身不随なのはカファロ一家の幹部は所長に売ったという報告から知っていたとしても不思議はない。

 あ。でも街中に居るのは下っ端だからエンマ殿がわからなかったのですかね。」

「いや。所長やマイヤー殿の話では奴隷商組合では、あの時既に一家を買ったという情報が入っているんだし、当然裏稼業の者達も知っているだろう。

 そして好き者が居るという報告が普通なら部下の前ですると思う。

 なら顔はわからなくてもエルフが5名、家族で動いていたんだからそこから上に報告が上がっても良いもんだが。」

ベイノン達が話している。

「どちらにしてもこの隊への襲撃はなかったという事実のみだな。

 相手の行動を読んでも今は意味がないだろう。」

マイヤーが結論付ける。

「所長。警戒態勢を敷きますか?」

「別に要りませんよ。

 あったらあったで対処しますが・・・特に気を張る物でもないでしょうからね。

 普通に警護していれば良いです。

 ミアも特にないでしょう?」

武雄が考えながら言う。

「無いですね。

 主の言う通り周囲の魔物や人間の行動を感じていましたが・・・特に何も。

 一定の距離を置いて付いて来る人間も居ませんでしたし、近寄って来る魔物もいませんでした。」

ミアが机の上に座りながら言ってくる。

「パナも何もありませんね?」

「はい。

 若干2名ほど幌馬車で酔ってしまった事以外は順調です。」

「まぁ。しょうがないでしょう。

 良く揺れていましたからね。

 とりあえず今日はのんびりして寝ましょうか。」

「はい。」

皆が頷くのだった。


------------------------

ここはファルケ国の東の街。

「はぁ・・・・」

獣人の女性が安宿でガックリとしていた。

「・・・」

女性が客から貰った小箱を見ている。

「はぁ・・・奴隷身分からの解放は出来たんだけど・・・まさか無一文に近いとは・・・

 それにしても足を挫いたと思ったら骨折だったとはね・・・

 叱られたくないから黙っていたら2日後に歩けなくて店長に怒られて歩けない奴隷を食わせるのも大変だからと即解雇されたんだけど・・・

 売られなかっただけマシなのかなぁ・・・」

女性は革袋を取り出し中から硬貨を出す。

「・・・こっそり貯めたお金は・・・んー・・・あと2日分くらいしかないかぁ。

 奴隷より高い従業員を雇う店はないだろうし・・・んー・・・

 確か国境まで馬で1日だったよね。

 これはアズパール王国に行ってみるしかないかな?」

女性が今後の身の振り方を考えるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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