第966話 107日目 武雄の準備と兵士の決意。(セイジョウの悩み。)
武雄達は無事に部屋に戻って来ていた。
「ふんふん♪」
「キタミザト様。味はこのぐらいで良いのでしょうか?」
「はい。問題ないです。
少し塩が足りないかもしれませんが、後は好みでかけて貰いましょう。」
「あ。キタミザト様。
プリンの素が出来ました。」
「はいはい。
うん。これも問題ないですね。
あとは容器に均等に分けてくださいね。」
「はい。わかりました。」
武雄とボーナとエンマが厨房で夕飯を作っている。
「あ~。」
「食べてるね~。」
「パクパクだね~。」
ビエラとニルデとジルダは仲良く食虫植物の捕食を見てご満悦。
フローラはチビッ子達を見ている。
パナは人間大になり何やら本を読んでいる。
ミアはパナの前の机で寝ている。
と。他の面々が戻って来る。
「所長。馬の用意と積み込みが終わりました。
幌馬車も再度確認しましたが問題はなさそうです。」
アンダーセンが報告してくる。
残りの面々は食卓に戻っていく。
「はい。ご苦労様です。
見ていませんが・・・何を買ってきましたか?」
「特には・・・昨日、ベルテ一家が買った種と寝具と鍋や皿等の食器。
あとワイン樽と車輪と太い棒がいくつかすでに・・・マイヤー殿から車軸と聞きましたが本当ですか?」
「ええ。少し無理をさせても良いように車軸は買っておきました。
車輪は1組にするか2組にするか悩んだんですよね。」
「車軸は折れないと思うんですけど・・・まぁ絶対ではないですね。」
「ええ。車軸は折れてしまうとどうとも出来ないと思うんですよ。
車輪も車軸も交換が楽な方の幌馬車にしました。」
「わかりました。
今日の夕食はなんでしょうか。」
「シーフードのスープパスタとから揚げとパンとサラダとプリンですね。
マヨネーズは用意していますよ。」
「凄い量ですね。」
アンダーセンが材料を見ながら言う。
「人数増えましたしね。
なので大皿料理ですよ。
取り分けてくださいね。」
「了解です。
では出来るまで向こうに居ます。」
アンダーセンが食卓の方に行くのだった。
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「んー・・・」
セイジョウが宿の窓際で考えていた。
「どうした?」
バロールが聞いて来る。
「いや。特にはないよ。」
「御仁は帰り支度だな。」
「何にもなかったね。」
「唯一の成果はタンポポ茶が手に入った事だな。」
「ふむ・・・監視はないんだよね?」
「目線はないな。」
「・・・俺達も帰るか。」
「お。始末書の山を処理する気になったな。」
「まだ始末書が山になっているとは決まっていないよ!?
俺は失敗はしてないからね!」
「成果もないがな!」
「そ・・・そうなんだよね~・・・
ま。おっちゃんの行動報告を提出するかなぁ。
バロールの見立てでは買った3名は人間種で言う騎士クラスなんだよね?」
「そうだな。
奴隷内でも上位だろうな。
ま。そもそもあの御仁にはドラゴンが居るし。」
「そこかぁ・・・報告するべきなんだろうけど・・・」
セイジョウが悩む。
「確かに迷うな。気軽に突いて良い事でもないのは確かだ。」
「下手に突くと一国が滅びかねないんだよね。
昔収拾がやらかしたらしいからドラゴン関連は慎重なんだよね。」
「そうなのか?」
「レッドドラゴンを確保しに行かせたらドラゴンに返り討ちにあっただけでなく村1つを壊滅させたらしい。
さらに持たせた高位の装備は流出してしまったそうだよ。」
「ほぉ。間抜けだな。
それはどんな装備だったんだ?」
「火の精霊を付けたバスタードソードと加護を幾重にも施した銀のフルプレート。
銀のフルプレートは魔王国にあるという噂だね。
バスタードは未だに行方不明だって。」
「はぁ・・・バスタードソードの回収もうちら潜在の仕事内容なんだけど・・・
バスタードソードってどんな外見かもあやふやなんだよね~。」
「探すのも一苦労だな。
銀のフルプレートはどうするのだ?」
「・・・無理っぽいよ。
確かめに行けないのも手伝っているんだって。」
「いつか行けと言われそうだな。」
「行きたくないよ・・・魔物の王国なんて敵に囲まれる物でしょう?
ヤダヤダ。潜入するのすら難しいだろうね。」
「他に欲しい物はないのか?」
「いくつか探せとは言われているけどね。
一応、リストはバロールにも見せたよね?」
「あぁ・・・面白そうなものはドラゴンソードか?
本当にあるんだな。」
「やっちまった件の1つね。
これはカトランダ帝国の宝物庫にある事は確認済み。」
「ほほぉ。なんで持って来ないんだ?」
「皇帝のみが取り出せる箱に入っているらしいよ。」
「確認しているのにらしい?」
「現皇帝の即位式で使われたんだって。
でも侵入した者が同じ箱が数十個あってわからなかったという報告書は見たよ。」
「次の即位式か。」
「行きたくないね。」
「まぁ2回連続で失敗しているしな。
次は留守番だろう。」
「・・・そう・・・ね。」
セイジョウが目線を落とすのだった。
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武雄達の夕食中。
「「「・・・」」」
3人がプリンを食べて静かに泣いていた。
「あ~・・・こうでしたっけ?」
武雄が「新しい反応なんだけど、どうしよう?」と皆に顔を向ける。
「確かに・・・これも表現方法として間違っていませんね。」
ドナートが苦笑してくる。
「「わかるわかる。」」
エンマとフローラが頷いている。
「王都に行って仕事を頑張れば毎日とは言えませんけど、食べられますからね。」
武雄が人差し指を立てて言う。
「「「本当ですか!?」」」
3人が目を煌かせながら反応する。
「頑張ります!頑張ります!
仕事頑張ります!」
テーアが思いっきり返事をしてくる。
「ファビオ。」
「はい。しっかりと勤め上げて祖国にこの味を持って帰りましょう!」
エットレとファビオが決意を新たにするのだった。
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