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第937話 夕飯後の話し合い。1(見慣れた光景。)

夕飯も終わり、食器も皆が率先して片付けをした。

武雄はお風呂中です。

「・・・」

残る面々は何も言わずにお茶を飲んでいる。

「良いお風呂でした。」

武雄がリビングに戻って来る。

「所長。おかえりなさい。」

マイヤーがにこやかに言い。小隊の面々も頷いている

「「・・・」」

で。いつか見た光景の如く、土下座しているベルテ一家とニルデとジルダが居た。

「・・・何でしょう・・・これってお決まり事なんですかね・・・・」

武雄が苦笑する。

「キタミザト様。この度は拾って頂きありがとうございます!!」

「こんな美味しい食事は初めてでした!

 キタミザト様。よろしくお願いします!」

ドナートとボーナがそう言い頭を下げると他の面々も床におでこをぶつけてしまいそうな勢いで頭を下げる。

「あぁ。はいはい。

 どれが美味しかったですか?」

「「全部です!」」

ドナートとボーナは揃って言う。

他の面々も力強く頷く。

「まぁ・・・食事の風景を見ていたら薄々はわかっていましたが・・・

 喜んでもらえたようですね。

 椅子にちゃんと座りましょうね?」

「はい。」

皆が席に座る。

「さて。プリンはどうでしたか?」

「最高でした!」

エンマが力強く言うと皆がにこやかに頷くのだった。

・・

「さてと。今日の成果はベルテ一家とニルデとジルダをうちで引き取った事ですね。」

武雄がのんびりとしながら言う。

「そうですね。

 えーっと・・・ドナート殿が481歳、ボーナ殿が452歳、ジッロ殿が272歳、エンマ殿が184歳、フローラ殿が154歳、ニルデ殿が25歳、ジルダ殿が21歳ですか。」

マイヤーが先ほど皆の自己紹介の時のメモを見ながら言う。

「ベルテ一家はエルフですけど、ニルデとジルダは種族は何でしょうかね?」

「ん~・・・キタミザト様。私達親が居ないのでわからないんです。」

「知らなーい。」

ニルデとジルダがあっけらかんとして答える。

「うん。まぁ良いですかね。

 パナ。」

「はい。タケオ。

 この場の全員にケアをかけるのですね?」

「それもそうですが、医者として新規の7名の体の具合を診察してください。

 それと冒険者組合でも言いましたが、エンマ。全快まではあと2日待ってくださいね。」

「はい。わかりました。」

エンマが頷く。

「では。新規組は向こうでパナの診察を受けてください。」

「はい。」

「あ。」

ベルテ一家とニルデとジルダとビエラがパナの後に付いて行く。


「・・・ビエラ殿は必要なんですかね?」

マイヤーがその後ろ姿を見ながら呟く。

「マイヤー様。ビエラはどちらかというとパナがする事に興味があるみたいですよ。」

ミアが説明する。

「なるほど。」

マイヤーが頷く。

「さて。こっちは明日の予定会議ですね。

 明日は2手に別れましょうか。

 私とマイヤーさんは奴隷商組合に行って打ち合わせ。

 アンダーセンさん達はベルテ一家とニルデとジルダを連れて街中に出てください。」

「それは構いませんが・・・

 奴隷商組合の方はお二人で大丈夫ですか?」

アンダーセンが聞いて来る。

「ん~・・・事務所に行って打ち合わせぐらいだと思うのですしね。

 まずはリストの精査をするぐらいでしょう。

 良いのが居たら買っちゃいますけどね。

 あとは事前市の視察もありますからこっちは使節団としての視察ですよ。

 それにそんな場所にあの面々は連れていけないでしょうからね。」

「まぁそうですね。

 自分達が通った道ですし・・・今回ヴィクター殿達を連れて来なかった理由ですね。」

「いくらこちらで保護しても・・・ね。

 流石にキツいでしょう。

 見せる意味もないでしょうし、それならこれからの事を考えながら街中で買い物でもしていてくれた方が将来の為になると思います。」

「どういった物を探しますか?」

「そうですね・・・穀物問屋に行ったら全種類を1㎏ずつ買って来て下さい。

 出来れば苗木があれば割と早く物に成りそうですが・・・皆さんが知らない種子があれば率先して購入してください。」

「種子ですか。」

「ええ。この際。珍しい物があればエルヴィス領で作れるか試しましょう。

 もしかしたらここは比較的温暖ですが、エルヴィス領のような少し寒い土地でも出来る作物があるかもしれません。

 少数しか作れないかもしれませんが、もしかしたら希少価値が高くて売れるかもしれませんし。

 あの一家には米だけでなく、いろいろ作って貰った方が良いかもしれないですからね。

 上手く向こうで作られ始めれば他の農家から作りたいと要望が出るかもしれません。

 これも振興策の一つですよ。」

「なるほど。

 他の土地で作っていない野菜を作ると。」

「農家もある程度、差別化はしないと生き残れないでしょう。

 他の地域と同じ物を作っているだけでは発展は出来ませんから。」

「難しいですね。」

「作付けの仕方を導きだすのは大変でしょうけどね。

 あと農具も欲しいですね。」

「農具ですか?鎌とかですかね?」

「ええ。

 アズパール王国で調べ忘れてしまいましたけどね。

 この地でしかなさそうな物があった場合は購入したいですね。」

「我々ではわかりませんね。

 武器や盾ならわかりますが。」

「そうでしょうね。

 なので、私のリュックに入りそうな物は全て買ってきてください。

 向こうで農家の方々に見て貰いましょう。

 良い物があれば真似ます。」

「わかりました。

 一見同じ物でも専門家が見れば違うかも知れませんしね。」

「ええ。取り込める技術があれば取り込みましょう。」

「わかりました。」

アンダーセン達が頷く。

「タケオ。終わりました。」

パナ達も戻って来るのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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