第929話 冒険者組合で打ち合わせ。1(一家に何があったのか。)
武雄とマイヤーとミアは小会議室でマッタリしていた。
他の者は男女別の湯浴み場に入って身綺麗にしています。
ちなみにビエラは大きい湯浴み場という物がわからないとの事で皆と一緒に体験しに行った。
「主。上手く行きましたね。」
ミアが机に座りオレンジを食べながら言ってくる。
「あれが上手く行ったのかは微妙ですけどね。
マイヤーさんはどう感じましたか?」
「買取の金額で言えば当初の金貨700枚の想定から金貨140枚で買えたのです。
商売としてなら上々でしょう。
ですが、話の内容が・・・」
「ふむ・・・カファロ殿は裏稼業の仕事をしっかりとしているという風でしたが・・・ま。あの程度でしょうね。
エマ殿が問題ですかね。」
「一国の王女なんですよね。
あの気楽さを装っているのは何でしょうか。」
「怖い人でしたね。
いきなり閨に誘われるとは思いも寄りませんでしたよ。
それに私に金額折衝をさせないようにしていましたし・・・王女は伊達ではなさそうですね。」
「閨の話は・・・王国が壊滅する寸前でした。」
「それ笑えないんですよね・・・」
マイヤーと武雄は神妙な顔つきをする。
「所長。マイヤー殿。お待たせしました。」
ベイノンが小会議室の扉を開けて皆が入って来る。
ベルテ一家が恐々入りベイノンが席を勧めると席に座る。
エンマもパナに抱き上げられていたが椅子に座らせる。
最後尾を歩いていたブレアとオールストンとバートが小会議室の扉の前に椅子を置いて扉に遮音の魔法をかける。
それを見届けると他の面々も座る。
「はい。お疲れ様でした。
「改めまして。タケオ・エルヴィス・キタミザトです。
今日からアナタ達の主です。よろしく。」
武雄がにこやかに言う。
「「「はい。」」」
ベルテ一家の5人が返事をする。
「さて・・・いろいろ聞きたいのですけど・・・
まずどうして奴隷をしているのですか?」
武雄が核心をついて来る。
「・・・はい。
ですが私共もわからなくて。
私共は農業をしていたのですが、夕飯を取って寝て起きたら奴隷船の中でした。」
ドナートが恐々話始める。
「「「「・・・」」」」
武雄とマイヤーとバートとフォレットが目を細める。
ヴィクターとジーナの時と同じ状況なのだ。
他の面々は「マジかよ」とその突拍子もない出来事に驚いている。
「・・・なるほど。
同情くらいしか出来ませんが・・・それは難儀でしたね。」
武雄が難しい顔をさせながら頷く。
「し・・・信じてくれるのですか?」
ドナートが驚きの顔をさせる。
「?・・・嘘を言っているのですか?」
武雄が不思議そうな顔をドナートに向ける。
「いえ。決して嘘を言っていません!
ですが、信じて貰えず・・・私達も訳も分からずで・・・とりあえず毎日を必死に生きていたので状況が上手く説明が出来なくて・・・」
「まぁそうでしょう。
言葉は飾らなくて結構です。思いのまま口にして構いません。
私達は貴方達がどういった状況に置かれていたかを知りたいのです。
で?奴隷船でこの街に着いて奴隷商の事前市に出てカファロに買われたと?」
「はい・・・最初は・・・娘が狙いだった様で・・・
くっ・・・すみません。」
ドナートが俯きながら苦虫を噛み潰したような顔をさせる。
他の家族も同じ様な顔をさせている。
「ま。これだけ綺麗な一家ですからね。
で?」
武雄が容赦なく聞いて来る。
小隊の他の面々は目を瞑り話を聞いている。
「はい・・・
エンマとフローラが私達の目の前で・・・これ見よがしに・・・」
「・・・わかりました。
行為の内容は知りたくありません。想像はつきます。」
「ありがとうございます。
事の最中にフローラが反撃をして、カファロは激怒したように見えました。」
「?・・・何でそこで剣闘士に繋がるのですか?
なぜその場で殺されなかったのですか?
彼は裏稼業のトップです。反抗をされれば即殺すと思うのですけど・・・」
武雄が難しい顔をさせて言う。
「カファロは一通りフローラを殴りつけた後。私達にこう言ったのです。
『これだけの力があれば戦えるだろう。反抗されるのも久しぶりだ。これも趣向としては楽しいな。
そうだな15勝すれば解放してやる。』と。
私達はその日のうちに1戦目をする事になりました。
そして今日で14日目になります。
奴隷船で目を覚ましてから20日でしょうか。」
「・・・」
武雄が何も言わずに腕を組んで眉間に皺を寄せながら考えている。
「所長。いろいろ言いたいのですがよろしいですか?」
ベイノンが眉間に皺を寄せて発言の許可を得ようとしてくる。
「・・・ベイノンさん。それは許可出来ません。
今その気持ちを言葉にしてしまうと皆が暴走してしまうかもしれません。
私達は使節団です。他国に喧嘩を売りに来ている訳ではありません。
なのでこの件についてこの場で口にする事も今後勝手に行動する事も許可しません。」
武雄が目線を落としながら感情を出さずに言う。
「ですが!」
ベイノンが席を立つ。
「ベイノン止めろ!所長は2回目なんだぞ!
俺らの気持ちはわかっている!だから止めろ!」
アンダーセンが部下を押し留める。
「・・・はっ!すいませんでした!」
ベイノンがやるせないという風にして席に着く。
その場にいる面々が難しい顔をさせる。
「・・・まぁ気分を変えましょうか。
ドナートさん。ボーナさん。ジッロさん。エンマさん。フローラさん。
今度は私達の話をしましょうか。
私達が何者なのか。これから貴方達をどうしたいのか。待遇等々についてですね。」
「「「は・・・はい。」」」
「まずは私ですね。
実はですね。私は貴族なんですよ。」
ベルテ一家の5人が返事をし武雄がにこやかに話し始めるのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。




