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第907話 情報擦り合わせ。2(こらこら賄賂はいかんよ。)

話はドローレス国の話になっていた。

「・・・やはりファルケ国とドローレス国の国境の素通り感は凄かったですね。

 道端に小屋があって立っている兵士が書類を一目見て終わりです。

 これが連合国内での移動なんでしょうかね。」

マイヤーが呆れている。

「ウィリプ連合国は早く言えば王国の貴族の中から代表を決める制度だからなぁ。

 アズパール王国の貴族間では関は無いのだから逆に関があるという事は国として認めているという事なんだろうな。」

ベイノンが頷きながら言う。

「簡単に入国出来たのは良いんですけどね。

 さて。ドローレス国の・・・というよりこの街も活気がありますね。

 まぁ私が想像していたのより活気があって驚いていますが。」

武雄が腕を組む。

「所長。詰所ではどうでしたか?」

アンダーセンが聞いて来る

「小箱はすんなりと受け取りましたよ。」

「そうですか・・・」

アンダーセンが微妙な顔をさせる。


実はファルケ国とドローレス国の関を越える辺りから武雄が情報をくれた兵士に頻繁に小箱を渡しているのを皆が目撃し、アンダーセン達が昨日の夜に聞いて来たのだ。

武雄は包み隠さず「パイプの葉と情報代として銀貨1枚を渡しました」と報告したので「まさかアズパール王国ではしていませんよね!?」と皆が驚き、「する必要が無いですね」と武雄が言うと「絶対ダメですからね?」という一幕があったりした。

武雄の受け止め方としては「アズパール王国でしなければ良いんだね」と楽観視していた。

ただし、皆も敵国での情報の入手において金銭を与えるのは常套手段ではあるとは知ってるので、「止めてください」とか強くは言わないが、「貴族が率先してやるのはマズいんじゃないの?」という警告を武雄にしていたのだが・・・昨日の今日でもうしていた。


「・・・所長。あと何箱あるんですか?

 お金大丈夫ですか?」

ベイノンがため息を付きながら言ってくる。

「えーっと・・・あと十個はありますよ。

 銀貨も1枚しか入れていませ・・・あ~・・・違いますね。

 情報をくれた方にアズパール王国のパイプの葉をプレゼントしているだけです。

 皆さん珍しがって頂いて喜ばれるんですよ。

 ただ、パイプの葉を箱に入れている時に硬貨を落としてしまいましてね。

 混ざってしまった可能性は否定出来ません。

 急いでいたもので全部は回収出来なかったのですが・・・それは致し方ないでしょう。」

武雄がベイノン達に笑顔を向けながら言う。

「はぁ・・・所長。絶対にアズパール王国ではしてはダメですからね?」

「わかっていますって。

 堂々と渡せば良いんですよね。」

武雄は笑いながら言う。

「・・・そういう事ではなくて・・・でもそうなのかなぁ・・・」

アンダーセンが悩む。

「はは。まぁ所長なら堂々と相手の所に行って『売ってくれ』と言いそうですね。

 コソコソすると私達が報告しますからね?」

アーリスが注意をする。

「ええ。わかっています。

 でも。まぁこの旅が終わればあとは籠って研究ですから。

 そうそう情報が欲しいとは思わないですよ。

 むしろ・・・私に誰が近づいて来るのかが問題になるんでしょうけどね?」

武雄が「ふふん♪」と笑う。

「あ~・・・そっちの方が面倒そうだなぁ。」

マイヤーが考えながら言う。

「ええ。日中は研究所に私は居ますが、夜はエルヴィス伯爵邸ですからね。

 そっち経由で来られると皆さんはわからないかもしれませんが・・・

 ちゃんとヴィクター達と連絡をしておいてください。

 相互の理解が重要でしょう。

 そのうえで必要な事は王都に報告してくださいね。」

「わかりました。

 人の出入り等はヴィクター殿達と話しましょう。

 まぁ内容は政策に関する事になるのでしょうからエルヴィス伯爵の考えと相まって王都に報告できない事の方が多そうですよね。」

マイヤーが考える。

「そこですね。

 まぁそこもちゃんと話し合ってください。

 どうせ陛下は『良い結果の政策は教えて』と言うでしょうからね。

 政策はエルヴィス伯爵が報告するようにすればマイヤーさんの仕事は減るはずですし、それに私はウィリアム殿下達にも政策を上げていますから、そっちで上手く行けば陛下はエルヴィス領には注文を付けないと思うんですよね。

 あとは魔王国と細々とですが、輸出入をしているのは王都の上位人達は知ってくれていますし、それが小麦に変わる物ではないとも知っているので、こちらも問題ないですかね。

 意図的に戦争の情報が流れるのはマズいですが、そもそも私達から仕掛ける気がないので、その辺の情報は問題ないと思いますし、私に近づいて引き出せる情報は研究室関連だけですね。

 領内の政策については私なんかより各局の担当官から聞けば問題ないんですから。

 結果として、マイヤーさん達は私の研究室での内容と会いに来た人をどう報告するかのみですよ。」

武雄が笑顔で答える。

「はぁ・・・その辺はヴィクター殿達と話し合います。」

「ええ。よろしくお願いしますね。

 さてと大きく話が逸れてしまいましたね。

 次はこの街の話をしますか。

 バートさんとフォレットさんにも話を聞きますか。」

武雄が次の本題を話し始めるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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