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第889話 99日目 武雄ウィリプ連合国 ファルケ国入国。

ここはウィリプ連合国 ファルケ国の関にある詰め所。

武雄とマイヤーが入国の為に詰め所に来ていた。

「はい、使節団殿。

 越境許可書は確認いたしました。

 我が国にようこそ。」

対応している兵士が入国を許可してくれていた。

「はい、ありがとうございます。

 で・・・この国は奴隷制があるのですよね?」

「はい。

 奴隷制を取ってはいます。

 ファルケ国としては労働力の確保という観点から採用をしております。

 こう言ってはなんですが、ウィリプ連合国内でも一番の穏健国になります。」

対応する兵士が普通に話してはいるが、武雄的には「ウィリプ連合国も一枚岩ではないんだね」と思いながら聞いていた。

「ドローレス国の奴隷市を見に行きたいのですが。」

「・・・正直に言うとアズパール王国の使節団殿が見に行かれるのは精神上あまりよろしくないと思いますが・・・

 まぁ使節団殿もお仕事でしょう。

 ドローレス国は貴国からすると相当過激な思想です。

 驚かれると思いますが、そういう国もあるとお考えください。」

「ええ、覚悟はしてきています。

 それにそこに行き売買を経験する事が仕事です。」

「そうですか。

 事前に貴国から問い合わせがあり、我々にも通達がされています。

 街道の清掃は済ませましたが、万全ではなく取りきれなかった賊もありますので移動の際はご注意ください。」

「私達は危害が加えられない限りは武力行動はしない事になっています。

 貴国で暴れる為に来たわけではありませんのでね。

 それと私達は外交特権で余程の事がない限り貴国の兵に捕まりはしませんが、襲ってきた者達を捕縛出来た際には貴国の兵士に渡す等の協力はいたします。」

「そうしていただけるとありがたいです。

 御入り用はありますか?

 食料等も少しですが取り扱っていますが。」

「肉の干物と果物を少し見せてください。」

「はい、わかりました。」

対応する兵士が頷くのだった。

・・

「終わりましたよ。」

武雄とマイヤーが詰め所から出て来て外で待っていたアンダーセンと合流する。

「所長、お疲れ様です。」

「いえいえ。

 それにしても外交特権って凄いですね。

 すんなりと終わりましたよ。」

「まぁ、それが国が後ろにいる強みですから。

 ミア殿、どうでしたか?」

「ん~・・・やっぱりあの建物の中に強めの魔物が居ますね。

 種族はわかりませんが・・・コラ達みたいな感じです。」

ミアが武雄の胸ポケットから顔を出して報告してくる。

「やはり何かいますね。」

「アンダーセンさん達はどう感じていましたか?」

武雄が聞いてくる。

「気配とかはわかりませんが、あの詰め所は何か怪しいですね。

 根拠はないですが、嫌な感じがします。」

アンダーセンの言葉に他の面々も頷く。

「所長はどう思いましたか?」

マイヤーが聞いてくる。

「気配も嫌な感じもわかりませんが・・・国境なのに人が少ないと思いました。

 カトランダ帝国の方がもっと人数が居たと思いますね。

 こういう物かと思うと同時にこの人数で守りきれる(・・・・・・・・・・)何かがあるのかなとも思いました。

 まぁ、ミアが胸ポケット内でトントン叩いていたので警戒はしていましたよ。」

「やはりミア殿が居ると警戒が楽ですね。」

アンダーセンが頷く。

「自身の勘が鈍るから兵士達には勧めない方が良いかもしれませんよ?

 私みたいに頼りすぎると警戒をしなくなります。

 と、さっさと出立しますか。」

「はい。」

皆が一斉に騎乗する。

「さて・・・行きますか。」

武雄の呟きで皆が動き出す。

・・

関から少し離れて。

「所長、もう他国ですから気軽に狩りはできませんからね?」

アンダーセンが注意してくる。

「・・・毎日の日課が無くなりました。

 まぁ今日からは毎日宿に泊まるのが無難ですかね。

 野宿して難癖を付けられても面白くありませんし。

 あと各街の冒険者組合に行って仕事の掲示板の確認をしてください。」

武雄が少しガッカリした風を装う。

「そこはわかっています。

 各街周辺の治安状況は掲示板でわかるのは鉄則です。」

「あとは城門が見える所の宿が取れるかですかね・・・

 門に近い所は格安と相場は決まっているのですよね。」

ブレアとアーリスが考えながら言う。

「私は別に安くても良いですよ?

 ベッドと毛布があれば十分ですけど。」

武雄が「気にしないけど?」という顔をする。

「ミア殿とパナ殿が居ますからね・・・流石に最安の宿は難しいでしょう。

 商隊が使うそこそこくらいの宿が良いとは思うのですけど。」

オールストンが言ってくる。

「1階が酒場で2階が宿というのもありましたよね?」

「あ~・・・そうか。カトランダ帝国の時はブルック達が居ましたね。

 そういった宿は連れ込み宿も兼ねているんですよ。

 酒場の従業員の女性に多めのチップを払うとサービスされるんです。

 なのでこの人数は泊めて貰えないですね。」

ベイノンが言う。

「あぁ・・・なるほど。

 ふむ・・・オークとかを狩った対象部位を冒険者組合で売ってその辺の調査費用にしますか・・・」

「所長もされるので?」

ブレアが聞いてくる。

「お目付けが2名居ますので・・・私は女性がいる店に行くぐらいで止めておきます。

 まぁ組織のトップとして所員の家庭円満を堅持する立場から今回の旅での性行為は許可しません。

 それ以外でたのし・・・情報の収集をしてきてください。」

「「「は~い。」」」

皆が返事をする。

「羽目を外し過ぎないように・・・まぁ今さら非嫡出子の問題事を作りたい者はいないと思いますけどね。」

武雄が皆を軽く睨みながら言う。

「「「・・・はい。」」」

皆が恐々返事をするのだった。


「主。」

「ん?どうしましたか?」

ポケットから顔を出していたミアが唐突に呼びかけて来る。

「100mくらい先にドラゴンが居ますよ?」

ミアが何の気なしに言うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。


今日の15:00ごろに人物紹介を投稿します。

今後の展開で出て来る者も少々入れておりますからその辺はスルーをお願いします。


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