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第886話 93日目 エイミーの初デート。3(経過が知りたい人達。)

王城の客間に居残り組が勢ぞろいしていた。

「うむ・・・そうか、エイミーとスミスは何事もなく行動しているのだな?

 お、街中の店もなかなかだな。」

アズパール王がジーナが買ってきたスイーツを食べながら聞いて来る。

「はい、陛下。

 スイーツ店に入る際にお姿を確認しましたが、特に何かあるようには見受けられませんでした。

 ですが、試験小隊のブルック殿の報告では『面白い出来事は1個だけ』と報告は受けています。

 また同アーキン殿や警護の方々からも異常はないとの報告が来ております。」

ジーナがアズパール王の横に立って報告をしている。

「面白い事は何があったの?」

レイラが楽しそうに聞いて来る。

「はい・・・何でもスミス様とエイミー殿下がベッドを見る際に少し横になったと。

 同じベッドでだそうです。」

「ほほほぉ♪」

アズパール王の顔が綻ぶ。

「あらぁ~?何をしたのかしらね?」

ジェシーも楽しそうに笑う。

「少し横に・・・あ、レイラお姉様。」

「うん、ベッドの選び方ね。」

「あぁ、向こうに行った時にタケオに教わったあれだな。」

「そう言えばしましたね。」

アリスにレイラ、アズパール王とウィリアムが頷く。

「何?何?タケオさんが何で絡んでくるの?」

アルマが置いてけぼりで焦る。

「エルヴィス邸に行った際にタケオさんにベッドの正しい選び方を教えて貰ってね。」

「あ、レイラが戻って来たらさっさと家具屋に行った件ね。

 私達一家で行って見たのよね。

 なによ、あれタケオさんの知識だったの?

 したり顔で説明していたから『よく気が付いたなぁ』と感心しちゃったわよ?」

ウィリアムの説明にアルマが頷く。

「あはは、バレました♪

 まぁそれは良いとして、スミスとエイミーちゃんが少し同衾したのね。」

「同衾・・・エイミー殿下が聞いたら怒りそうな言い方ですけど。」

レイラの言葉にアリスが呆れる。

「既成事実だな!エイミー良くやった!」

アズパール王の目が光る。

「なわけないでしょう。

 スミスが寝る横でエイミーがボーっとするわけにもいかないですし、タケオさんの知識ならとエイミーもやっただけでしょう。」

ウィリアムが呆れる。

「そっかぁ。でもその場面は見たかったかも。」

アルマが楽しそうに言う。

「ですね。

 それはエイミーちゃんから聞かないといけないわね。

 それで今は2人ともこのスイーツの店に行っているのね?」

「はい。料理人から言われたお勧めの店で軽食を楽しまれているかと。」

「こんなに美味しいなら本に載って良さそうなものなのに・・・」

アリスが食べながら言う。

「なんでもそこの料理長が『本に出して人が多く来られても困る』との事で口伝えで広まっている店のようです。

 それに元王城の料理人との事で今の料理人達とも交友があると言われていました。」

「ならスイーツだけでなくても味は確かね。

 でも人気店になりそうね。

 ジーナ、お店の予約はすぐに出来たの?」

ジェシーが聞いて来る。

「はい。

 今日の朝一で王城の料理人から紹介状が来たので準備していましたと言われてすんなりと。

 席も目立たない落ち着いた席を用意いただけていました。」

「なるほど。

 あとはエイミー殿下とスミス殿の報告を待っていれば良いのですね。」

エリカが頷く。

「こういう企み事は良い物だな。」

アズパール王の言葉に皆が頷くのだった。


------------------------

こっちは王城内の厨房。

ジーナがお土産として厨房にもスイーツを持って来ていた。

なので今は皆が手を止めて久しぶりの味を楽しんでいる。

「相変わらずあの方のスイーツは上手ですね。」

「だな。

 キタミザト殿を除けば1番だろう。」

「全くです・・・良く朝一で予約を取れましたね。

 あの店は隠れ家的な人気もありますし、若者に絶大な人気がありますから少し不安でした。」

「あそこは朝一なら融通は利くし、エルヴィス殿とエイミー殿下なら断りはしませんよ。

 馴初めの最初にあそこの店が出て来るなら料理長も喜ぶでしょうし。」

「そうだな。そうそう、俺あそこで求婚したんだよ。」

「あの店は求婚場としての知名度が高いからなぁ。

 特に男性に人気なんだよな。『絶対に上手く行く求婚場所』だし。」

「店の雰囲気と料理の味で女性の感情を良くして一気に畳みかける。

 まぁ女性の方もあの店に行くとわかれば何をされるか事前にわかっていると妻は言っていましたけどね。」

「スミス殿もエイミー殿下も楽しんでくれていたら良いのにな。」

「この料理なら問題なく楽しめるだろう。

 あとでジーナ殿に結果を聞かないとな。」

「「ええ。」」

厨房の料理人達が嬉しそうに言うのだった。


------------------------

アーキン達男性陣がスミス達の入った店を遠目で見ていた。

「アーキン・・・ここってあれだよな?」

「ええ、超有名な求婚店ですよね・・・」

「いや、まさかとは途中から思ったんだが・・・あの2人わかっていないよな?」

「地方の貴族だしな。

 滞在数日でそういった情報はないだろうし、誰もエルヴィス殿に教えなかったのか?」

「どうやって教えるんだよ・・・」

「だが、雰囲気と料理は良い店だし、王家の姫を連れて行くには良いかもしれないのは確かなんだが・・・良いのか?」

「入ってしまってから狼狽えてる俺らも俺らだけどな。」

「「まぁなぁ。」」

警護の男性陣が一番苦悩するのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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