第879話 89日目 意外と挙式が大変な事が発覚。と研究の事をアリスにお願い。
ここは武雄達のお部屋。
皆との夕飯や話をしたり有意義に終わっていた。
そしてジェシー達も部屋に戻り、チビッ子達との湯浴みを終えたアリスは今は武雄に髪を乾かして貰っていた。
パナ以外のチビッ子達はベッドの上でうつらうつらしていた。
パナは何やら本を読んでいる。
「はぁ・・・今日でこの髪を乾かすのも終わりですね。
早く帰ってきてくださいね。」
「わかっていますよ。
ん?・・・パナ、彩雲が帰ってきました。
扉を開けてください。」
「はい。」
武雄がテラスに目を向けると彩雲が戻って来ていた。
「戻りました。
向こうからの伝言事はないとの事です。」
彩雲がピョンピョンと飛びながら部屋に入ってくる。
パナはテラスの扉を閉めると読書に戻っていく。
「わかりました。
こちらも明日は私が出立するくらいで・・・今の所ありません。」
「はっ!」
「という訳で王都への飛行はとりあえず終了。
あとはアリスお嬢様の指示に従って動きなさい。
まぁアリスお嬢様の帰路でエルヴィス家とのやりとりは必要でしょうからね。」
「そうですね。
彩雲、すみませんが、馬車と家との連絡をお願いします。」
「はっ!」
彩雲が頷くのだった。
「さてと。
タケオ様、忘れ物はありませんか?」
「金と命令書と越境許可書だけですからね。
それだけあれば問題ありません。」
「越境許可書?出たのですか?」
「はい。陛下から渡されましたね。
それと家としての入出金のカードはヴィクターに渡しました。
ジーナの寄宿舎関連は終わりましたし、お付きとしての勉強等の話はアリスお嬢様達に任せますからこれも問題ない。
料理関連も第2と第3皇子一家に渡したから終わりましたし、授与式も立食も終わった。
・・・何も問題はないようですね。」
武雄が指折りで数え終わり頷く。
「私の方は挙式の準備かぁ・・・
うちで挙式って実はお父さま以来なのかしら?」
アリスが考えながら言う。
「確かにジェシーさんもレイラさんも嫁いだ身ですから向こうでしたんですよね。
・・・アリスお嬢様には申し訳ないですけど、私に嫁いだ感はないでしょうね。
どちらかというと私が婿養子的な立場ですからね。」
「そこは私が周りに気を使わないので全然楽で良いのですけど・・・
ん?待ってください・・・お父さまの時ってことは・・・妻を娶る時と旦那を迎える時では段取りが全然違うかも?・・・あれ?資料が有っても使えないのでしょうか?・・・もしかして私の挨拶が多いかも?」
アリスが武雄の話は半分くらいで自分の考えに没頭している。
「楽なのが良いんですけどね。
で、何を考えているのですか?」
「いえ・・・挙式の段取りが・・・
お父さまの時の段取りと違うのではないかとそこはかとなく不安が。」
「そうですか。
戻って確認しておいてください。」
「タケオ様は?
何も不安ではないのですか?」
「不安も何も・・・こっちの挙式の段取りを知りませんので・・・
言われた通りにするだけです。」
「・・・そうでした。
あ、各村の特産品祭りは近い日時で良いんですよね?」
「そうですね。
挙式の後の方が街の人達も来やすいでしょうし、お祝い感も出せそうですね。」
「なるほど。
それは伝えないといけないですね。
ジャガイモ料理でしたよね?」
「はい。ジャガイモを細く切って鶏肉の胸肉を一口大にした物に付けて一緒に揚げる『鶏とポテトのミノムシ揚げ』という物なら銅貨3枚で4個くらいの販売が出来ると考えていますけど。
これをすれば鶏肉事業の目玉になるかなぁと。」
「食べた事ないのですけど・・・」
アリスが武雄をジト目で見て言ってくる。
「そうですね、作り忘れましたね。」
「・・・」
アリスは無言で「食べさせて」と抗議してくる。
「私が作っても朝食だけですから昼食まで待つと油でベタベタに・・・」
「・・・」
「朝から揚げ物は辛くありませんか?」
「いえ?特には?」
「・・・朝はサッパリとした物が好みでは?」
「ん?私はそんな事を言った事ないですよ?
ただ肉の干物の塩が強いとは言いましたけど。」
「確かに。だからローストビーフを作ったんですけど・・・
はぁ・・・わかりました。明日の朝食はそれを用意しておきます。」
「本当ですか!?」
「ええ。あとで厨房に行って段取りをしてきます。」
「やった♪」
アリスが満面笑みを向ける。
「はぁ・・・
特産品祭りについては、文官の方々が企画した一店舗を借りる形でエルヴィス家の料理人を使用します。
エルヴィスさんには了解を貰っておいてください。」
「お爺さまは了承していますよ。
ですけど、出す料理は食べてからと言っていましたからそのミノムシ(?)を試食させないと決まりませんね。」
「わかりました。
他に出来るかも含めて帰ってから作ります。」
「はい♪」
アリスの髪を乾かし終わると机に移動してお茶を始める。
「他だと・・・
研究所等々についてはヴィクターとジーナに任せますが・・・
部屋割りは出来ているのかなぁ?」
「あぁ・・・そこはタケオ様が見ないと出来ないですかね?
でもそれだと竣工が遅れそうですよ?」
「・・・ヴィクターとフレデリックさんに任せますか。」
武雄が明後日の方を見て言う。
「投げるのですね?」
アリスがお茶を飲みながら武雄を見て言ってくる。
「欲しい部屋はこの前の初案を見て要望は言いましたしね。
別に調度品はあればあれで便利ですけど、実際に欲しい物は部屋を見てから考えます。
部屋の大きさについてもこの広さが良いというのはその地域や貴族とか・・・わかっている人が決めれば良いでしょうね。
それにヴィクターも元貴族。執務室にはどんな物が必要かもわかるでしょう。
うん。やっぱり調度品や机や本棚も全部ヴィクターに決めて貰いましょうかね。
ハワース商会で大量注文すれば割り引いてくれそうですから良いですかね。」
「タケオ様の要望は何ですか?」
「意匠がゴテゴテしていないのでお願いします。
あ、研究室については手つかずで良いです。
それは決めなくて良いですよ。」
「良いのですか?」
「トレーシーさん、パナ、鈴音が揃ってから決めます。
なので研究所の一室は何もしなくて良いです。
部屋割りもしなくて良いです。
発足後に中に仕切壁を作って対応するのでそれは別途で構いません。」
「はぁ・・・わかりました。」
「試験小隊の方はアーキンさんとブルックさんに選んで貰えれば良いでしょう。
なので・・・所長執務室と総監執務室と執事室と応接室の4か所の机等はヴィクターとジーナが、試験小隊の机等はアーキンさん達が選んでおいてください。
ハワース商会については見積りのみで私が戻ってから確認して許可すれば良いでしょう。」
「わかりました。そのように動きます。
何か言ってきますかね?」
「ハワース商会からは納期が短いと文句を言ってくるかもしれないですが・・・ギリギリまで短納期をするようにと言っておいてください。
それに・・・」
「それに?」
「もっと仕事を用意するから頑張れと言っておいてください。」
「はは・・・わかりました。
伝えておきます。」
アリスが苦笑しながら頷くのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。




