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第877話 夕飯。4(再び王家の男性陣と第1皇子一家の新規事業。)

「・・・ふむ。」

「「「・・・」」」

アズパール王と3皇子が考え込んでいた。


題材はタケオが言った王都とエルヴィス領との物流の話なのだが。

武雄は輸送する物品の盗難防止案を説明していた。

簡単に言えば「幌馬車を止めて全面を囲った荷台を作り鍵で荷台の前と後ろから出せば良い、それだけで多少は保障が高まるのでは?」

という。武雄的には幌を板張りにでもしてコンビニや宅配で見られる有蓋車を提案していた。

だが、同時に「幌馬車よりも重たそうですけどね」とも言っていた。

だが顔からは重たい事がデメリットではないように言っていたので4人とも「何をする気?」と考えていた。


「・・・父上、タケオは本当にするのでしょうか。」

クリフが難しい顔をさせて言ってくる。

「するんだろうな。

 まぁ具体的には何も決まっていないと言っていたが。」

「ウィリプ連合国から帰って来たら協議すると言っていたし、エルヴィス伯爵には言っていないと語っていたのでまだまだ先の話なのだろうが・・・上手く行くのか?」

ニールも考えながら言う。

「現状の幌馬車より重くなるのに・・・保障が高まるだけで売れるわけないですよね。

 ならタケオさんは今の幌馬車より有利な荷台が出来ると思っているんですよね?」

ウィリアムが考えながら言う。

「布よりも軽い・・・いや同等な物が出来ると?

 そんな素材は無いぞ?板を薄くするにしても限度はあるだろう。

 板の重量は馬鹿にならない。

 なら新素材か?そんな話は聞かん。有益ならタケオが売り込みに来そうなものだが・・・」

クリフが言う。

「はぁ・・・タケオの考えがわからんな・・・

 まぁ少なくともタケオが面白い幌馬車を作って試験するという事か。

 確か専売局と話してみると言っていたか。

 タケオが戻ったら・・・ウィリアム、頼むな。」

「わかりました。

 どんな物が出来るのか見ておきます。

 それにしても明日の会議・・・どうしましょうかね。」

「財政局長がやる気になるとは思わなかった・・・ヤツは経費関連で却下する方かと思っていたからな。

 何とか時期尚早として先延ばしにしないとな。」

「「ええ。」」

男性陣がため息を付くのだった。


------------------------

武雄は皇子妃達の席に来ていた。

そしてローナとセリーナとクラリッサが武雄を囲んでいた。


「ねぇ・・・タケオさん。」

「ローナ殿下、どうしましたか?」

「うん、アンなんだけどさ。

 料理が楽しそうなのよ。」

「先ほども本人からそう言われました。

 簡単な物から挑戦すると言っていましたね。」

「うん。

 そうなんだけど・・・実際問題としてアンはどうなの?」

ローナの質問にセリーナとクラリッサが頷く。

「どう・・・とは?」

「『料理人として修業させた方が良いのかな?』と思って。」

「王家の皇女様が?・・・修行までの必要はありませんね。」

「やっぱりそうかぁ・・・でも楽しそうなんだよね。」

「なので、料理人というより発起人が良いのではないですか?

 自身も作れるなら皆と一緒に作って本を出すとか・・・あ、料理学校という手もありますか。

 でも料理学校はそもそも既にあるかもしれませんね。」

「料理の学校?・・・どういった物なの?」

「そうですね・・・調理人の国家免許制度を作ってみるのはどうでしょうか?

 最低限の料理方法の習得、基本的な味の統一、料理器具の扱い、料理人の心得等々を1年か2年に渡って教える学び舎です。

 そこの卒業生達は酒場やレストランに就職出来るように斡旋してあげれば人は集まると思います。

 店主側も初期の教育をしなくて済むので経費的にも助かるでしょうし。」

「なるほど。

 料理人の最低基準を作る事と料理人達とのつながりを持っておけば将来、有名店を起こした際も王家で作って貰える可能性があるのですね。

 そこの代表にアンさんを置くと。」

クラリッサが頷く。

「そうか・・・それを王都でやれば人が集まって来るし、王都は店の量も多いから需要はあるのか・・・」

セリーナが考えている。

「タケオさん、それはエルヴィス領ではしないの?」

ローナが聞いて来る。

「・・・エルヴィス家に余力が・・・」

「ごめん。」

武雄が伏せ目で回答するとローナが素直に謝るのだった。

「どちらにしても料理人の教育は各々の店(・・・・)でしていますからそれを統合しようとしても問題はないでしょうし、抵抗は低いでしょう。

 さらにアン殿下の方のメリットは味は別として新しい料理(・・・・・)を見る機会があるという事にありますね。」

「ん~・・・料理の基礎を教えるのに新しい物を作らせるの?」

「卒業制作と言って卒業の少し前に実施すれば若い料理人達は何か考え付くのではないですかね?」

「そうそう上手く行くかしら?」

「いかないならそれはそれ、ですが伝統的な料理を作る人は少ないと思いますけどね?」

「そうかしら?」

第1皇子妃達が首を傾げる。

「味が知れ渡っているのですよ?

 ・・・些細な失敗も見つかりそうです。

 なら誰も知らない料理や盛り付けをした方が誤魔化せると思いますが。」

「誤魔化すって・・・タケオさん、それで良いの?」

「構わないですよ。結果美味しければ問題ないですし、少し変わった味付けも他の料理の創作に良い影響を及ぼすと思います。

 それに逆に伝統料理を出すのは相当味や調理に自信があるのでしょうから・・・凄い料理人の卵かもしれません。」

「「「なるほどぉ。」」」

第1皇子妃達が王都での事業を考えるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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