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第856話 武雄とニール。

夕食も終わり食器もかたずけて各々が厨房でのんびりとしていた。

「あぁ・・・魚の練った物ってあんなにプルンプルンしているんですかぁ。

 もうお腹いっぱいです。」

クリナが満面の笑みで椅子に浅く腰かけて食後のマッタリを楽しんでいる。

「こらこらクリナ、お腹にタオルでもかけなさい。」

リネットがクリナの横に座りタオルをかける。


「タケオ、あの最後の麺は特別製か?」

「いえ、王城の厨房にあった物を拝借してきました。

 作りたてとは言われましたが、いたって普通だと思います。」

「そうか。いや、美味しかった。

 鍋の後汁を使うのも良いな。」

「魚の出汁が入っている汁を捨てるのは勿体なかったのでスープパスタにしたまでです。

 ちょっと塩を足しましたけどね。」

「いや、十分だ。

 うちの料理人達も勉強になったようだな。今一生懸命書いている。」

ニールは料理人達の方を向く。

「あ、そのレシピ本後で私にもくださいね。

 今回ので発覚した物があるかもしれませんし。」

「ああ、任せておけ。

 これだけ美味しい物のレシピを貰ったんだ。そのレシピはタケオも知っておくものだろう。

 他にあるか?多少の事には目をつぶるぞ。」

「そうですか・・・なら、当初の予定通りに大豆と苦汁と小豆はエルヴィス領に卸してくださいね。」

「ああ!それは取引としてちゃんと送付させて貰う。割引価格にするか?」

「輸送料がありますからね・・・値段はある程度抑えてくれるとありがたいですが、無理をしない範囲でお願いします。

 毎月定期的に買えるようにエルヴィス伯爵達を説得しますから数量等の詳しい話は後日、問い合わせが行くと思います。」

「そうか・・・どのくらいをタケオは見込む?」

「毎月ですよね・・・

 大豆も小豆も毎月200kg は欲しいですね。」

「ぶふぉ!!」

ニールがお茶を吹きだす。

「・・・ニール殿下・・・」

武雄がジト目で見る。

「ゴホッ・・・グッ・・・いや・・・

 いきなり凄い量が来たな。」

「一番消費する物としては豆乳ですね。

 これを作るのに大豆が大量に必要です。

 うちはエルヴィス伯爵家の3人、私、家の執事達、精霊、ミアやクゥに街中でも出して見たいですよね・・・1回で50㎏使うと想定して200㎏購入しても月に4回しか食べられません。

 もしかしたらもっと使うかもしれないですからね。

 ニール殿下・・・価格上がってしまいますかね?」

武雄が腕を組ながら聞いてくる。

「はぁ・・・何とか増産するように政策を持って行く。

 エルヴィス領には今は陸路だが、ウィリアムの街が出来れば水路が出来るからな。

 多少は安くなると思うぞ?」

「そこは期待します。

 あ、あと明後日にはウィリプ連合国に出立しますが、道すがら魔物の狩りをして良いでしょうか?」

「構わんぞ。大規模でないならな。」

ニールが即決する。

「ありがとうございます。

 どうもうちの部下達は血気盛んなので、オーク狩りで息抜きをさせながら行きたいと思います。」

「体力が余っているのも・・・いや王都守備隊を抱えるのも大変そうだな。」

「頼もしい限りですよ。」

武雄とニールは雑談をしていく。


アリスとスミスとエイミーが厨房の隅で肩を寄せあって寝ているのだが。

「ちょっと・・・これ良いわよ。」

「こういうハプニングは大事ですね。」

「これはどうなんですか?

 主にエイミーが重なるように寄りかかっていますが?」

「マリ、それが良いのよ~♪」

「着実に既成事実化していきますね。

 ほらっ!もう少しでエイミーの口がスミスの頬に♪」

と何やら片隅で精霊達が楽しんでいる。

「あ゛~・・・写真が撮れないのが残念だわ。」

コノハがしみじみと言う。

「ここなら銀板はいけるのではないですかね?」

アルが考えながら言う。

「タケオに作って貰う?

 でもあれってレンズの精度も必要でしょう?それに数十分だし・・・用意する材料もなかなか手に入らないだろうから簡単には出来ないわよ~。」

「そうかぁ・・・残念。

 エイミーの記念写真をいっぱい撮りたかったわ。」

「写真・・・出来上がればいろいろと文明が進むな。」

マリが考えながら言う。

「物を発明してもどう使うかは人間次第だしね。

 良くも悪くも進化するというのは意思あっての事だしね。

 何も考えが無かったら進化はしないわ。」

「そうですね。

 まぁタケオはまともで良かったわ。」

アルが武雄を見ながら言う。

「まともだから進化が遅いとも言えるわね。」

「だが・・・だからこそ我らが居るのだがな。」

マリが言う。

「その辺のネジが緩んでると進化は早いけど犠牲も多いしね。

 私達とは逆の性質の精霊が呼べちゃいそうだよね。

 今はこの速さが限界なのかも・・・ま、私はこの速さが好きだけど。

 タケオ、頑張っているし♪食べ物に注力してくれるし♪」

コノハが頷く。


と厨房の扉がノックされ、ニールが許可を出すとアンダーセンが入って来る。

「殿下方、所長、失礼します。」

「アンダーセン小隊長・・・調べは終わったのですか?」

「はい。

 報告は・・・どうしましょうか。」

アンダーセンが「ここでします?」と聞いてくる。

「・・・ニール殿下、席を外しますか?」

「いや、俺も聞いていよう。

 一応、エイミーが関わってしまったしな。

 まぁ口出しはしないから、タケオと小隊長で報告と今後の話をすれば良い。」

「わかりました。

 ではアンダーセンさん、簡易報告をお願いします。」

「はい。」

アンダーセンが報告を始めるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 『転移』はただの偶然なのか、 それとも精霊のみなさんが関係してるのか・・・・・ 無自覚に『需要』と『供給』?が一致した結果、て感じが一番スマートですかね。
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