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第812話 武雄は散策へ。3(部下への報告。)

マイヤーやアーキン等さっきまで居なかった面子も集まり魔法師専門学院の3名以外が揃った形になっている。

で、皆が武雄対全員の対面式で座り武雄は昨日と今日の精霊の事と懐妊の事を話していた。


「・・・その発表はいつなのですか?」

マイヤーが若干うな垂れながら聞いて来る。

「明日、王家の皆さんが貴族会議で話すと言っていましたね。

 なのでそれまでは公にされないのではないですか?」

武雄が「あとはあっちの話」と気軽に話している。

「そうですか・・・とうとう・・・とうとうウィリアム殿下とアルマ殿下とレイラ殿下に子供が・・・」

「それも男女1人ずつ!これは吉事です。」

「ああ!それにニール殿下にも男子が生まれ、パット殿下に弟君が出来るのか。」

「アン殿下やクリナ殿下も喜んでいるでしょうね。

 この1月、何だかんだ言って小さい子を見ると羨ましそうにしていましたし。」

各々が嬉しそうに話す。


「所長、我々に影響はありますか?」

アンダーセンが言ってくる。

「今の所、お使いの件や研究所の開設に変更はありません。

 皆さんの辞令は出ましたか?」

「はい。今日の朝一に出ましたので部屋決めをしていました。」

「なるほど。

 魔法師専門学院の方は?」

「トレーシーには連絡済みで今日の夕方に学院の学院長室でおこなって欲しいと返事がありましたので夕方に訪問してきます。」

「はい、よろしくお願いします。」

「所長、お使いの命令書はいつ出ますか?」

「明日の朝一に取りに行ってきますから第二研究所の打ち合わせはそれ以降でお願いします。

 マイヤーさんは私と朝一で陛下の書斎に集合です。」

「畏まりました。」

マイヤーが頷く。

「それでしたら明日の方がいろいろと打ち合わせをするには良いかもしれません。

 ですが、我々は明日で良いのですが、学院の方がわかりません。

 最近、トレーシーは忙しいようです。」

「・・・そうですか・・・なら・・・いや、やはり明日で調整をして貰えますか?

 トレーシーさんにも一応声はかけておいてください。ですが無理に参加しなくても良いとします。

 今回の打ち合わせはお使い関係の話をするつもりですから3人は忙しいならそっち優先で構いません。」

「わかりました。

 夕方に行った際に話をして時間が決まり次第、連絡をいれます。」

「はい、よろしくお願いします。

 あとは何かありますか?」

武雄が見渡すと皆が首を振る。

「では私はこれで戻ります。」

武雄が帰り支度を始める。

と言ってもリュックの中を覗くだけなのだが。

「所長、もう戻るので?」

ブルックが聞いてくる。

「ええ、用事は終わりましたので部屋に帰りますよ。

 のんびりと散策しながらですが。」

「そういえば今日はお一人ですものね。」

「アリスお嬢様やスミス坊ちゃんはジェシーさんと一緒にいます。心配なんでしょう。」

「所長は心配でないので?」

「心配は心配ですよ。

 ですけど、今妊婦の近くには精霊達がいます。

 その精霊達が母子を危険に晒すような真似はしないでしょう。

 それに王家はコノハが妊婦方の流産の危険性を低くしたという事だけでもかなり安心感は得られたでしょうね。

 あとはどうなるか見守るのみです。」

「所長・・・それは言い方と、言う場所に気を付けて言ってくださいね。

 変に勘繰る者がいるとも限りません。」

ブルックがジト目で見る。

「わかっていますよ。

 ですが、正直な話、妊娠5か月~7か月までは無理は出来ませんし、何が起きても不思議ではない。

 そのことを周囲もしっかりと認識しないといけません。

 何事も絶対はないのですから。」

「それはそうですけども。

 特にリネット殿下とアルマ殿下、レイラ殿下は初産ですし・・・」

「そこは王家ならいろんな支援があるから何とでもなるでしょうけど、ジェシーさんは王都では心細いと思うのですよね。

 その辺の事もあってアリスお嬢様達は近くにいるんでしょうけど。」

「まぁ・・・そうでしょうね。」

「さて、いきますか。」

武雄が席を立つ。

「「所長、お疲れでした。」」

ブルック達に見送られて部屋を出て行くのだった。

・・

武雄が退出して少し経った。

会議室内ではさっきの部屋の話をしていた。

と会議室の扉がノックされ、扉近くにいたアーキンが開け訪問者を確認する。

そこには総監局の文官が数人いた。

「失礼します。こちらにキタミザト殿はいらっしゃいますか?」

文官が挨拶をして室内を軽く見る。

「いえ、所長は先ほど王城に戻られると宣言をして退出しましたが・・・お急ぎなら我らも探すのを手伝いますけど。」

アーキンが普通に返す。

「あ、いえ、そこまでは急用ではないのです。

 王城に戻られたなら入れ違いになってしまいましたね。

 私共も王城に戻ります。

 ではこれにて。」

文官達が立ち去る。

アーキンは扉を閉めて皆の元に戻って来る。

「・・・誰だった?」

マイヤーが聞いて来る。

「確か・・総監局の幹部ですね。

 王家の執事とメイドのトップだったかと。

 所長を探しているようですけど。」

「ふむ・・・さっきの話を陛下が宰相に教えて事実確認の為に探しているのだろう。

 ・・・所長は『のんびりと帰る』と言ったのだ、真っ直ぐ帰らないだろうな。」

「まぁ・・・先駆ですし。」

「夕食前まで総監局は待ちぼうけだな。」

マイヤーの言葉に皆が頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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