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第808話 王家へ紹介。4(番いの為のコノハ。)

「キタミザト卿、子供達の精霊の件、そして懐妊の件。

 心から感謝を示す。本当にありがとう。」

「「「ありがとうございます、キタミザト卿。」」」

クリフ以下第1皇子一家、第2皇子一家が立って武雄に頭を下げて感謝をする。

もちろんクリナやアンも席に戻って挨拶をしている。

「殿下方からの感謝をありがたく頂戴します。

 ですが、知識はお教えしましたが、実践し子供を作ろうと努力したのは皆さまですので・・・

 皆さま、ご懐妊おめでとうございます。」

「「「殿下方、おめでとうございます。」」」

武雄の祝辞の後にアリスとスミスそしてジェシーも礼をする。


「タケオ、お主がいて良かった。本当にありがとう。

 家族が増えるのが楽しみだ。」

アズパール王が嬉しそうに頷く。

「はい、微細ながらお役に立てたのは嬉しい限りです。

 と、ウィリアム殿下達はもうすぐ名前を決められるようですよ。」

「ほぉ、上手く決まりそうか?」

「レイラ殿下の女の子の方はすんなりと決まったのですが・・・」

「男子か・・・こればっかりはな・・・

 我も3人は苦労した・・・」

「そうなのですか?」

「あぁ・・・とくにクリフの時がな。

 第1子というのもあったし・・・文官からもいろいろと言われていてな。

 王城内で生まれるといろいろと面倒なんだ。

 パットの時は向こうの領地でだったからな。

 皆我慢していたみたいだが・・・今回はどうなることやら。」

「決めて公表してしまえばその通りになると思うのですけど・・・

 というかウィリアム殿下の机の引き出しにいろいろと名前が入っていましたよ?」

「あぁ・・・兆候があるたびにウィリアムは楽しそうに名前を考えていたからな・・・」

「そうですか・・・」

アズパール王が寂しそうに呟き、武雄は難しい顔で頷くのみだった。


「父上、私達も今日明日中に名前を決めます。」

「俺もそうしたいと思っています。」

「ん?クリフ、ニール、どうしたのだ?

 お主達はもう少しのんびりとしていて良いぞ。」

「いえ、発表するなら同時にするべきです。

 なのでウィリアムが戻り、子の精霊契約が終わったのちに私達も一家で会議をし、名前を決めます。」

クリフがそう宣言し、その場の皇子一家全員が頷く。

「そうか・・・皆、頑張れ。」

「「はい!」」


「タケオ、ちょっと聞きたいんですけど。」

コノハが武雄に聞いて来る。

「どうしましたか?」

「ええ。

 今回の5名ともほぼ2週間以内に着床しています。

 丁度6、7週間前くらいですよ?何をしたのですか?

 アリスから保健のノートが出回ったと聞いたのですが?」

「あぁ、ちょうど前回の王都にいて渡した時期ですね。

 内容は子の出来方、摂取するのに注意が必要な食材や行動の注意等の子育て本みたいな物です。

 それでですね。

 その保健のノートをコノハとパナで話し合って詳細を書き込んでくれませんか?

 ジェシーさんやレイラ殿下達が実践して結果を教えてくれることになっています。」

「良いですよ。」

「私も良いですよ。コノハと協力して書けば良いのですね?」

コノハとパナが頷く。

「はい。

 えーっと・・・これです。」

と武雄が大袋からノートを数冊取り出す。

「はいはい・・・どれどれ・・・」

「ん~・・・?」

コノハとパナが武雄が書き溜めた保健のノートを見始める。

「それとマリ、これを。」

「某にもですか?」

「これは私が覚えている戦術が書いてあるのですが、隊列についてこの八陣が基本陣形だと思っています。

 まぁ知識転用でしかありませんけどね。

 どの陣形がどの陣形と相性が良いのか等々の確認をして貰えますか?」

「では・・・拝見しましょう。

 横陣、縦陣、魚鱗、鶴翼、偃月、鋒矢、方円、雁行・・・

 確かに各陣形の長所、短所はその通りでしょう。

 ですが、どのような戦場でどのような結果を望むのかで最適な陣形が変わります。

 なので陣形毎の優劣、相性というのは有りません。

 ですので、この相性という所は削除した方が良いでしょう。」

「なるほど・・・わかりました。」

武雄が頷く。


「・・・タケオさん・・・」

一連のやり取りを見ていたセリーナが恐る恐る聞いて来る。

「はい、セリーナ殿下どうしましたか?」

「その・・・私達にも保健を教授してくれない?

 王家だけの秘宝にしますから!」

セリーナの言葉にその場の皇子妃達全員が頷く。

「・・・陛下、良いのでしょうか?」

「ん~・・・皇子妃達が欲しがっているのなら渡してくれるとありがたいな。」

「そうですか・・・別に良いのですけど。

 ん?コノハ、もう書き込んで・・・ってなんで最後の方に書いてある体位を追記しているのですか?」

武雄がコノハを見るとどこから取り出したのか鉛筆を使い楽しそうに書いているし、後ろからアリスが「あわわわ」と言いながらも目を見張り凝視していた。

「ん?タケオが十数個しか書いてないので追記しています。

 江戸四十八手の内・・・まぁ出来そうな30個程にして終わらせましょう。」

「夜のレパートリーが増えるのは良いんですけど・・・

 いや、そうじゃなくて、もっと妊娠初期から出産、そして授乳時の母体の食事の方法とか書いて欲しかったのですけど。」

「・・・パナ、どう?」

「書いてます。少々お待ちを。」

いつの間にかパナもせっせと違う紙に書いていた。

「・・・書いているのですか。」

「パナが医者ですから食事等は専門家に書いて貰うのが良いでしょう。

 なので私はこっちを書いています。

 タケオ、マンネリはダメですよ?」

「耳に痛いですが・・・まぁ好きにしてください。

 あとでアリスお嬢様が清書するでしょうから見やすいようにしてくださいね。」

「私ですか!?」

アリスが、話を振られて驚く。

「はい、よろしく。

 パナ、どうですか?」

「この世界で手に入るであろう食材を中心に注意点等々を書いていますが・・・どうでしょうか?」

武雄はアリスを無視してパナの元に行き内容を見始める。

その様子を見ながら皇子妃達は「とんでもない物が来る」と期待と不安を覗かせる。

クリフとニールは「こっちが渇れない程度にしてよ・・・ほんとに」と疲れた顔をさせるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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