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第807話 王家へ紹介。3(摩訶不思議な事。)

こっちは会議室。

相も変わらず各々が騒がしく、アンとクリナはスミスに質問兼相談をしている。


「でですね!?スミス、男の子はどんな服が良いのですか?

 可愛らしいのが良いのですか?カッコいいのが良いのですか?」

「部屋の装飾とかどうすれば良いのですか?」

「はい、まずはカッコいいのを選んであげれば無難かとは思いますし、部屋も青系に統一しても良いかもしれません。

 ですけどそれはもう少し大きくならないと」

スミスは汗をかきながら説明をしている。

エイミーは親たちがいる席からその様子を見ている。


「あ・・・これ蘇に似ているわね。」

コノハが一口大のチーズを食べて頷いている。

「いや・・・コノハ、チーズで良いじゃないの。

 わざわざ古めかしい言い方しなくても・・・あ、ちょっと違う?

 んー・・・でもチーズだよね。」

アルも食べてから腕を組んで悩む。

「コノハ、アル・・・食べてばっかりですよ?」

アリスが苦笑してくる。

「ん?・・・他に何かあるのですか?

 各々が子供の事を話しているのです。私が何か言う事も無いですよ。

 あ、そうだ、アリスに聞きたかったのですけど。」

コノハがアリスに顔を向けて聞いて来る。

「はい、何ですか?」

「今回の5人の懐妊ですけど・・・なんで近しい時期で同じ状態なんですか?」

「同じ時期?」

「ええ。月経は各々で違うのである意味偶然なのかもしれないですけど・・・

 5名ともほぼ2週間以内に着床している状況です。

 丁度6、7週間前くらいですよ?何をしたのですか?」

「いや・・・特になに・・・あ、しましたね。」

アリスが何かに気が付き頷く。

「ん?どうしたのですか?

 まさか怪しい儀式?」

コノハが訝しがる。

「儀式って・・・何をするんですか?

 違います。

 タケオ様が保健という知識を王家一同とジェシーお姉様に伝えましたよ。」

「保健?・・・ふむ・・・

 どういった内容ですか?」

「え゛・・・それは・・・その・・・子供の出来方・・・等々です。」

アリスがしどろもどろに回答する。

「・・・それだけではわかりませんね。

 あとでタケオに聞きますか。」

コノハが話を打ち切りそっぽを向く。

アリスが内心ホッとするのだった。


アズパール王がクリフとニールと机を囲んで話し合っていた。

「で、文官達にはどう説明するんだ?」

「正直に精霊の見立てで懐妊の兆しがあるとしか言えないでしょう。」

「そうですね。

 クリフ兄上の言う通りです。」

「はぁ・・・そうしたら今回の精霊の契約がどうしてこうなったか説明しないといけないな。」

アズパール王がため息をつく。

「それは・・・言うしかないでしょうが・・・」

「タケオについて行ったら、皆が精霊付きになったと言えば良いじゃないですか。」

アズパール王とクリフが悩む横でニールが「何を悩むので?」と言ってくる。

「・・・そうだな。まぁそれ以外に言う事が出来ないんだがな。

 言い方を考えないといけないだろう。

 爺の報告書には『たまたま最後の組で条件が揃った』という締めくくりがあるのだ。

 だから押し通すしかない。」

「いや・・・押し通すも何も・・・タケオが何かした訳ではなくたまたま連れている人員で条件に合った者が居たという所でしょう?

 クリフ兄上もジーナへの精霊付きの法案はそう言った体でいくと言っていたではないですか。」

「それはそうなんだがな・・・

 結果だけを見れば王家の女子(・・・・・)エルヴィス家の者(・・・・・・・・)が精霊付きになった。

 そこを突かれるかもしれないとな。」

「・・・不公平と?

 ですが、他の新貴族もタケオ達より先に入っているのになれなかった。

 そこを強調し、条件は同等でありむしろ向こうの方が上だったというしかないでしょう。」

「まぁそうだな。

 ・・・今回の精霊達は戦力としては微妙という判断が王家専属魔法師からの報告に記載された。

 王家専属魔法師部隊に所属している精霊魔法師とその精霊であるヴァーユとトールには匹敵しないという判断だ。

 はぁ・・・会議が長くなりそうだ。」

アズパール王が後日に日延べした会議を思ってため息をつくのだった。


「そう言えば父上、立食会の時に賊が入ったと報告が回ってきましたが。」

「俺の所にも来ましたよ。」

「・・・もう行ったのか?」

アズパール王が明後日の方を向く。

「・・・なんでタケオにさせましたか?」

「手持ちの戦力で事を荒立てずにするにはそれしかなかった。

 王都守備隊は会場警備、王家専属魔法師部隊は我の書斎、タケオ達は宝物庫が最適だと考えた。

 実際、何も事態は急を要さなかった。」

「はぁ・・・普通させますかね?」

クリフがため息を漏らす。

「他に何か出来たと思うか?」

「・・・いえ、それしかなかったのはわかっています。

 ですが、事後で報告が来たことが嫌です。」

「うんうん、そうです。

 その手しかなかったとしても事前に言って欲しかったですね。」

アズパール王に対し息子2名が抗議する。

「お前達は街中に居たし、その後も疲れていたからな。

 それに実際に知っていたら何かしてたか?」

「「・・・」」

クリフとニールが考える。

「無いだろう?」

「まぁ・・・」

「そうですけど・・・」

クリフとニールが渋々頷く。

「今後は出来る限り事前に報告は入れるようにしよう。

 まぁ王都では早々お前達に通達する事はないだろうがな。」

「ええ、出来る限りで構いません。」

「俺もそれで構いません。」

「わかった。」


と執事が武雄とジェシーとジーナが戻ったと伝え、アズパール王が許可を出すと武雄達が入ってくる。

「陛下、失礼いたします。」

「うむ、ご苦労だった。」

「良い感じで賑やかですね。」

「吉事だからな。

 タケオ、ありがとう。」

アズパール王が礼を述べるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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