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第777話 アニータ達の練習風景。2(準備運動2。)

武雄は魔法を使う際に各魔法の消費魔力量という考えをあまりしていない。

もちろんテイラーやアーキン達から見聞きしているので魔法はそもそもは魔力を調整して(・・・・・・・)から発動させる(・・・・・・・)のは知っている。

だが、武雄は「元々少ないのに調整しても・・・」と思い、常に全力で発動(・・・・・・・)していた。

武雄の場合はなくならないのだから出し惜しむ必要性すらないので当たり前と言えば当たり前なのだが。

今回はアリスの剣をシールド×15で難なく防いだのだが、武雄は「魔力が2割増えたからか(・・・・・・・・)」と考え「15枚分で18枚分の強度になるならお得だね」と安易に考えている。


「・・・」

アリスが再び距離を取る。

「・・・タケオ様、どうしますか?」

「・・・次も上段から来てください。

 次はいなしますよ。」

武雄が考えながら小太刀を抜き順手で持ち、額の前に両手で若干左が下になるように平らに構える形で上段からの攻撃を受ける姿勢を取る。

「・・・はい。

 行きます!」

アリスが一気に距離を縮めて剣を降り下ろし武雄が剣で受けると思われた瞬間。

木剣が何の抵抗もなく(・・・・・・・)武雄の左側を通り地面を叩く。

「ドガッ!」と音を立てて軽く地面にクレーターを残す。

「え?・・・」

アリスが叩いた姿勢で驚いている。

武雄は受ける体勢のまま目線のみをアリスに向けている。

と、一瞬止まったがアリスが飛びのき武雄から距離を取る。

「タ・・・タケオ様、何をしたのですか?」

「なるほど・・・こうなるのか。」

武雄がそう呟きながら小太刀を終う。

「タケオ様!」

「はいはい・・・あ、時間ですかね。

 じゃあお昼に説明しますから。」

「あ!タケオ様!?」

アリスが制止させようとするが武雄はさっさと陛下達に挨拶をして王城内に消えて行く。

「むぅ!!!!何なんですか!?」

アリスが絶叫するのだった。


------------------------

アリスが「むぅむぅ」言いながら素振りをしているのを陛下達は楽しそうに見ている。

「タケオ、相変わらず凄まじいな。」

アズパール王がサンドイッチを食べながら言ってくる。

「そうですね。

 最後のはどうやったかわかりませんが・・・アリスのあの威力の剣を片手で受けていたのですね。

 話には聞いていましたが頭おかしいとしか言えませんね。」

クリフがため息交じりに言う。

「全くどんな精神をしているんだ?

 あの威力の剣をいくらシールドで防御しているからと言って片手で凌ぐのか?」

ニールも苦笑しながら言う。

「タケオさんらしいね。

 あ、またタマゴサンドの味が変わってる。」

ウィリアムもサンドイッチを食べながら言ってくる。

「おぉ、タケオさんも流石アリス様の婚約者だけのことはあるのですね♪」

「そうだね。まぁアリス様も本気ではなかったようだけど。」

アンとクリナも朝食を食べながら言ってくる。

「クリナ、アン、食べるか話すかどちらかにしなさい。

 ほら、口の周り・・・」

エイミーが妹たちのお世話をしている。

「はぁ・・・実質アリス負けてるじゃない・・・

 ほんとタケオさんには感謝するわ。」

ジェシーがお茶を飲みながら心の中で感謝している。

「・・・ジーナ、タケオさんが何をしたのかわかる?」

スミスが横に居るジーナに聞く。

「さて・・・わかりません。

 剣でいなすと思っていましたが、剣同士が当たった音(・・・・・)は聞こえませんでした。

 なら魔法で何かしたのでしょうけども。」

ジーナが首を傾げる。

と、「総員集合!これより剣技の訓練をする!」

王都守備隊の訓練が始まるのだった。


------------------------

「はぁ、はぁ、はぁ・・・もうだめ・・・」

ミルコがその場にへたり込む。

「よし!次の者前へ!」

そう呼ばれミルコの代わりに後ろに控えていた者が前へ出る。

ミルコはノロノロと自陣に戻っていく。

「始め!」

今までミルコと打ち合っていた者と今出て来た者で模擬戦が始まる。


剣技の訓練。

東方と西方の2手に別れ双方から1名ずつ前に出ての模擬戦。

勝てば次の者と連続で戦い。負けたら自陣の最後尾に回り休憩。

勝ち抜き戦方式の1対1の模擬戦。

ミルコもアニータも1勝も挙げられていなかった。

そこについては当たり前なので誰も何も言わない。

むしろ王都守備隊員の剣を何とか受け切っているのに感嘆を漏らしてさえいた。


そしてこれからが試練が待っていると皆が思っている。

東方はあと2名でアリスが出て来るのだ。

だが、そこは王都守備隊。誰もわざと負ける(・・・・・・)事はしない(・・・・・)

訓練には真面目に参加するのが当然だと皆が考えているが、アリスが出て来た時点で東方の面々も西方に加わる事になるだろうとは皆が考える事だった。


「ふふん。もうすぐだな。」

アズパール王が楽しそうに見ている。

「いや、そこは不安しかないのですけど・・・

 それにしてもあのエルフの子供は凄いですね。

 うちの部下の剣を凌ぎ切っていましたね。

 まぁ多少は力加減はしているのでしょうけど。

 逸材とは良く言った物です。」

いつの間にか総長がアズパール王の隣に来て一緒に観戦していた。

「あれだけ動けるのは資質ですかね?

 磨けば良い兵士になるでしょうね。」

ウィリアムも感心しながら言ってくる。

「ほんとタケオは引きが良いんだな。」

クリフがため息を漏らす。

「あのエルフの子達凄いですね。」

「ほんとだね。ああいう子を探せばいいんだね。」

アンとクリナが何やら話している。

エイミーはそんな妹たちの言葉を疲れた顔をさせて聞いているのだった。


「よし!次の者前へ!」

剣技の訓練が進んでいく。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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