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第764話 立食会。6(宴もたけなわではございますが。)

会場内で大人たちが武雄達の居る所を見ていた。


「あれ?タケオさんが何か仕掛けているわね。」

「本当ね。アンが楽しそうだわ。」

「あ、クリナが可愛く不貞腐れていますね。

 可愛いですね。」

レイラの呟きにセリーナとリネットが目を向ける。

「何か講釈している感じね。

 何を話しているのかしら?」

セリーナが言ってくる。

「タケオさんなら何か面白い事を話しているのでしょうね。

 はぁ、スミスもこれぐらいすれば良いのに。」

レイラが不器用な弟を心配する。

「いや、タケオさんのようにするのは無理ですよ。

 エルヴィス家のスミスでは経験も知識も足らないのではないですか?

 タケオさんが加わってからあの机が楽しそうですね。」

「タケオさん、口上手いからなぁ。」

「そうね。」

「そうですね。」

レイラの呟きにセリーナもリネットも頷くのだった。


------------------------

こっちはアズパール王と息子3人。

「ん?子供達の所が騒がしいな。」

「タケオさんが何かしていますね。

 あ、クリナとアンが不貞腐れてる。

 珍しいですね、2人があんな顔をするなんて。」

ウィリアムが楽しそうに言ってくる。

「まぁ、タケオなら平気だろう。」

「ですね。タケオなら問題ないですよ。」

クリフとニールも素っ気なく言う。

「うむ。そう言えばフィルとさっき話していたな。」

「叔父上ですか?

 グレースを連れてくれば良かったと言っていましたよ。」

「まぁ、あの様子ならスミスに会わせたかったろう。

 ん?スミスが何かエイミーに渡したな。

 なんだ?」

「さぁ?」

「なんでしょうね?」

アズパール王の呟きにウィリアムとニールが一緒に首を傾げる。

「後で聞いてみるか。

 ん、そろそろお開きか。」

アズパール王がオルコットと目が合ったようで最初の席に戻って行くのだった。

・・

「さて、今宵は細やかだが皆と歓談が出来て楽しかった。

 これを契機に更なる発展に繋がることを切に願うものである。

 カトランダ帝国並びにウィリプ連合国ご使者殿。この度は感謝いたします。

 貴国が益々発展される事を祈念しております。」

「「はい。」」

「では、我は先に退出するが、皆明日の出立まで心行くまで飲んでくれて構わない。」

「「「はっ!」」」

皆が返事をするとアズパール王を先頭に王家が退出していく。


------------------------

「さてと、ゆっくりご飯でも食べて」

武雄が軽く伸びをしながら残り物で腹を満たそうかと思っていると。

「キタミザト殿。」

ボールドが話しかけてくる。

「どうしましたか?」

「新人貴族だけで飲みに行きませんか?」

「良いですねぇ。同期の親睦会ですね。

 店はどこですか?」

「あ、近くで警備している兵士に聞きました。

『安めでボッタクリされない安全な店』を教えて貰いました。」

「それは良いですが・・・」

武雄がアリスを見る。

「ん?どうしましたか?」

アリスが「行くんでしょ?」という感じの顔をさせている。

「い・・・行って良いですか?」

武雄が恐る恐る聞く。

「何でそんなに恐々聞きますかね?

 同期で飲むのに参加させないなんてないですよ。

 ただし、あまり遅くならない事。それだけですよ。

 私はスミスとお茶をして部屋に戻ります。」

アリスが苦笑している。

武雄は「これどこ行くかわかってないな」と思うが、許可を頂けたので何も言わない。

「わかりました。

 遅くならないうちに帰ってきますね。」

武雄が楽しそうに言う。

「では、参加ですね。」

ボールドが言ってくる。

「予算は?」

「銀貨5枚。」

「時間。」

「鐘1つ。」

「よし!行きましょう!」

「ええ!」

武雄とボールドが仲間の居る所に向かうのだった。

・・

「あれ?タケオさんは?」

ジェシーとテンプルがアリスとスミスの所にやって来る。

「新貴族方で飲むとか言って出て行きました。」

「ほぉ。」

テンプルが何か感づくが言わない。

「アリス、良く許可したわね。」

ジェシーが驚きながら言ってくる。

「え?新貴族方の親睦会に同じ新貴族のタケオ様が参加しないのは不自然ですし、行くのを拒否すれば角が立つではないですか。」

アリスがキョトンとしながら言ってくる。

「まぁ・・・そうだけど・・・

 アリス、前にタケオさんが歓楽街に行きたいと言っていたら怒っていたらしいじゃない。

 お爺さまに聞いたわよ。」

「はい。

 でも今日はただの飲み会ですよね?」

「・・・なわけないでしょう?」

「え?」

ジェシーが呆れながら言うのをアリスは「はい?」と首を傾げている。

「1次会はここで終了して後は店を変えて話し合いだろうが。

 大体2次会は女性が居る所だな。」

テンプルが苦笑する。

「まぁ、風俗というよりも女性が居る酒場だろうけどね。」

「でしょうね。貴族の集まりで風俗はないですよ。

 そういう趣向もあるとは思いますけど、まだ初対面の方々ですし、まずは女性が居る店で和気藹々でしょうね。」

「・・・なんですと!?」

ジェシーとテンプルが予想している横でアリスがワナワナしている。

スミスは「女性が居る店に行くのが楽しいの?」と不思議そうな顔をしている。

「ジェシーお姉様、どうしましょう!?」

「いや・・・もう行っちゃった後だし、タケオさんなら既成事実なんて作らないと思うわよ?

 それにそのぐらい良いじゃない。

 皆、嫁の監視がないから楽しみたいのでしょう?」

「これは由々しき問題です!」

アリスが武雄が帰ってきたらどう怒るか思案するのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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