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第739話 エイミーの憂鬱とレイラ達のお茶のみ時間。(子作りの経過。)

ここは第1皇子一家の居室。

「はぁぁぁぁ・・・・」

エイミーは机に突っ伏して壮大なため息を付いていた。

「アン、エイミーお姉様が何やら悩んでいます。」

「ですね、クリナお姉様。」

クリナとアンは違う机からお茶を飲みながらエイミーを観察している。

「何があったのかしらね。」

「本当ね。」

ローナとセリーナもクリナとアンが居る机についてお茶を飲んでいる。


クリフとクラリッサ、ニールとリネットは共に各貴族の挨拶回りをしている。

なので一緒に行かない残りの第1皇子一家と第2皇子一家でお茶をしているのだが・・・


「・・・」

エイミーがため息をやめ釈然としない顔でボーっと窓から外を眺め始める。

「・・・クリナお姉様、エイミーお姉様は大丈夫でしょうかね?」

「アン、やっぱりそう思いますか?」

幼子2名はコソコソ観察をしている。

「「・・・」」

皇子妃2名は何も言わずに「こりゃスミス関係だな」と見ているのだった。


エイミーの当初の計画では授与式が終わったタイミングで武雄とアリスとスミスが話している所にお邪魔する予定だったのだ・・・まぁ目の前で瓦解し第1弾として失敗に終わった。

エイミー的には「なぜ?タケオさんとアリス様がさっさと出て行っちゃうの!?」と思っている隙にレイラがスミスを掻っ攫ったのだ。

エイミーは自問する。「次の機会は挙式の後・・・はないか。私の親の挙式だし・・・明日の立食の時が狙いなのだろうか?・・・いやでも何人も話をした後に来られてもなぁ・・・表面作るの疲れるし、そんな顔を初対面で見せたくないしなぁ・・・」

自問自答を繰り返しながら明日の計画を練るのだった。

そんなエイミーを見ながらローナとセリーナは「何とか場を作るべきなのかな?」と思うのだった。


------------------------

第3皇子一家の執務室。

「タケオさん、遅いわね~。

 あ!このバターサンドまた味が変わったわ。」

アルマが茶菓子を頬張りながら呟く。

「だね。

 まぁ研修だし、時間がかかってもしょうがないよ。

 それに今の時間は兄上達が挨拶回りをしているからそれに遭遇したのかもしれないね。」

ウィリアムも茶を飲みながら言ってくる。

「レイラお姉様、この話はちょっと言い回しがクドくないですか?」

「え?そう?・・・エリカさん、どう直そうか?」

「そうですね・・・ちょっと考えさせてください・・・えーっと・・・」

アリスとレイラとエリカは3人でレイラの新作童話の本の内容を吟味していた。

スミスはスーと一緒に昼寝をしている。

「んー・・・相変わらずスミスの寝顔は可愛いわね。」

ジェシーがスミスを見ながら穏やかに言ってくる。

「まったく・・・ジェシーもレイラもアリスもスミスには甘いわね。

 普通、皇子一家を前にして寝ているのを注意しないの?」

アルマがため息をつく。

「昨日と今日とで見聞きしたのは疲れる事ばかりでしょうからね。

 アルマお姉様もウィリアム殿下もそういった事で怒るような方ではないのは知っています。

 それに姉弟なのですからいがみ合っても意味はないですし、元々この子は真面目ですから・・・頑張り過ぎてもね~。」

「そうだね。

 大人たちの間に入って緊張していたんだろうからね。

 疲れただろうから寝て良いよ。」

ウィリアムも朗らかに言う。


「そう言えばアルマお姉様、夜の調子はどうですか?」

「まったく兆候はないわね。ジェシーはどう?」

「うちも・・・んー・・・タケオさんの保健は実践しているのですけどね。」

「私もよ・・・調子は良いのよね。」

「そうですね。タケオさんの知識のおかげで体調はすこぶる良いんですけどね。

 他にもあるのでしょうか?」

「わからないわね。」

アルマとジェシーが唐突に子作りの話を始める。

ウィリアムは「これは逃げないとマズいかな?」と思い始める。

「・・・アルマお姉様、ジェシーお姉様、スミスが居るのですけど・・・

 何という話をしているのですか?」

アリスが呆れる。

「ん?別にスミスもわかる年ごろでしょう?

 男子の確保は貴族としても王族としても優先課題よ。

 今年で成果がないならうちも側室の話をしないといけないし・・・」

ジェシーの顔色を曇らせる。

「そっか~・・・ジェシーの所もか。」

「はい。

 2回程は兆候があったのですけど・・・流れまして・・・」

「そぉ。私も2回、レイラは1回ね。

 子を授かるのは難しいわね。」

「まったくですね。」

アルマとジェシーがため息をつく。

「・・・ジェシーお姉様もレイラお姉様も兆候があったのですか?

 私はそこは聞いていませんでしたけど。」

アリスが驚きながら聞いてくる。

「アリス、そんなこと実家に言わないわよ。

 もう少し安定してきたら言うわよ。

 それに・・・結構精神的に苦しいのよ・・・」

レイラが本を読みながら言ってくる。

「それはわかりますが・・・いや、宿したこともない私が言えませんね。」

アリスが頷く。

ウィリアムは「最速で厨房に逃げ込むかな?」と思い始める。

「アリスも他人事ではないわよ?」

ジェシーがアリスを見る。

「わかっています。」

「わかっているなら良いのだけど・・・

 これは夫婦の問題だし、タケオさんと話していかないといけないわよ。」

「はい。」

ジェシーの言葉にアリスが頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。


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