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第715話 王都に到着。(魔王国方面の貴族達。新しい物好きばっかり。)

「さてと。

 改めて皆で挨拶が終わったわね。」

アルマがウンウン頷く。

「こうやって一堂に会するというのは初めてなのかな?」

レイラが首を傾げながら言う。

「そうだね。とりあえずタケオさん達を座らせないといけないね。

 ソファには・・・いや、適当でお願いします。」

ウィリアムが何か言おうと思ったようだが思った以上に狭かったようで各々に任せるようだ。

「じゃあ、ジェシーさんとアリスお嬢様がソファで私とスミス坊ちゃんは適当に座りましょうか。」

「「はい。」」

アリスとスミスが動く。

「え?タケオさんいいの?」

ジェシーが不思議そうな顔をさせる。

「ええ。特に私がソファに座る(・・・・・・・・)必要はないでしょうし。

 どうぞどうぞ。」

「わかったわ。ごめんね。」

「いえいえ。」


「さてと。タケオさん、報告して貰える?」

レイラが唐突に武雄に聞いてくる。

「・・・どれをですか?」

武雄はレイラが何を報告して欲しいのかわからずに悩む。

「タケオさん、父上に何か物を作るとか言っていませんか?

 最近父上が『出来たかなぁ』と期待しているんですよ。」

ウィリアムが言ってくる。

「あ~・・・黒板とか将棋とかリバーシですね。

 王家4家分出来ていますし、持ってきましたよ。」

「ん~・・・それはどういった物なの?」

「はい。

 じゃあスミス坊ちゃん手伝ってください。」

「はい、わかりました。」

武雄はリュックから大袋を取り出しいろいろ引っ張り出し始める。

そして黒板を組み立て始める。

・・

あっと言う間に完成。

「緑の板だわ。」

「これをどうするんですかね?」

「それよりこれはなにかしら?」

アルマにウィリアムにレイラが武雄から出された黒板と将棋とリバーシを見ながら感想を述べる。

ジェシーとボールドは黒板に興味深々なようだし、他の面々は全部が目新しいのであっちを見たりこっちを見たりしている。

「良い反応ですね♪

 じゃあまずはこれらの説明をしましょうか。」

武雄が黒板を使って、黒板とチョークと消しゴム、将棋とリバーシの概要の説明を始めるのだった。

・・

「というわけでハワース商会への注文は黒板と玩具については5個単位で鉛筆については20本単位でチョークについては50本単位でお願いします。」

「えーっと・・・待ってね。

 んー・・・これとこれが5個でこれが20個とこれが50個かぁ・・・」

アルマが机の上に並べる。

「タケオさん。

 黒板は4セットとチョークは20セットで他の物は1セットずつ頼みたいんだけど・・・」

ジェシーが考えながらぼそっと言ってくる。

「ではハワース商会に見積書と注文書を貰ってくださいね。

 見積金額で良いなら注文書を送れば届き次第、請書が送付され現品と納品書が後々届くという流れになると思いますよ。」

「・・・私からハワース商会に手紙を送って注文書と請書の対応はフレッドにさせようっと。」

「バッセル殿、5個の内、うちが3個ずつ買いますから残りの2個ずつを買いませんか?」

「乗りましょう。

 支払は全体の4割をボールド殿に払えば良いでしょうかね。」

「はい、それで注文してしまいましょう。」

ボールドとバッセルが合意をする。

「んー・・・うちはとりあえず1セットずつかなぁ。」

テンプルが腕を組んで考える。

「ちょ・・・ちょっと!何で皆即決なのよ!?」

アルマが焦る。

「え?黒板はタケオさんの説明で使用用途が広いとわかりましたし、他のは移動中に試しましたし。

 うちの屋敷内で使ってみるのも良いかと思って。」

ジェシーが素っ気なく答える。

「うちは屋敷内で使ってから他の皆に言ってみようかと思っただけだよ。」

テンプルも普通に返事をする。

「「私達もそうですね。」」

テンプルの言葉にボールドとバッセルが同意する。

「むぅ・・・絶対何か考えてるわね!?」

アルマが皆を見回しながら訝しがる。

「えっと・・・タケオさん、納期はどのくらいと考えれば良いのかしら?」

レイラが聞いてくる。

「1セット1週間が製作納期ですが・・・まぁ先着順でしょうね。」

「タケオさん、私は今日中にハワース商会に手紙送るから。」

「うちも今日中かな。」

「私達は明日に送りましょう。」

「なんでそんなに対応が早いのよ!?」

アルマが驚く。

「「「「・・・・」」」」

4人とも黙ってアルマを真顔で見つめる。

顔には「何言ってるの?」と書いてあるかのような表情だ。

「え?・・・あれ?」

アルマが1歩引く。

「はぁ・・・アルマお姉様、相も変わらずボケボケね。」

ジェシーがため息を付きながら言う。

「う・・・ボケてないわよ。周りが早いだけよ。」

アルマも自覚があるのがショボンとする。

「いやいや、アルマのこの感じは救いなんだけどね。」

「アルマお姉様があっての第3皇子一家ですから。」

ウィリアムとレイラが微妙なフォローをする。

「で?ジェシー、何よ?」

アルマが家族からフォローを微妙にされていない事には気が付かないでジェシーに聞いてくる。

「今回タケオさんが王都に持って来た物って王家向け(・・・・)でしょう?

 という事は確実に陛下が吟味する。」

「ええ、そうね。

 一番期待しているのはお義父さまね。」

「で、持ってきたどれもが私は有効な物だと思っています。

 黒板や鉛筆については会議の方法が変わる可能性があるし、将棋とリバーシはやり込み度が高いわ。

 少なくとも不出来ではないのですよ。

 なら陛下が注文するかも(・・・・・・)しれない。」

「まぁ、そうね。」

「陛下が注文すれば周りが買い始め・・・タケオさんが言っているハワース商会って所詮は地方の工房でしょう?そんなに大量に作れるわけないじゃないですか。

 手元に届くのはいつになるのでしょうかね?

 なら、皆に知られる前に自分達の分は確保したいでしょう?」

「・・・それはまぁ。」

「なのでここにいる私達は一足先に注文する事にしただけですよ。」

「ん~・・・お義父さまが『買う』とはまだ言っていないのに?」

「陛下がどう判断するかではなく、私は私の判断で使えると思ったから注文するのですよ。

 注文したい時に数か月待ちなんてアルマお姉様でも嫌でしょう?」

「それはわかるけど・・・

 兄上とかもそうなの?」

「そうだな。」

「「私達もそうですね。」」

3人が頷く。

「ウィリアム・・・」

アルマが対応に困りウィリアムに助けを求める。

「はいはい。

 タケオさん、とりあえず僕達も頼めば良いのでしょうかね?」

「ウィリアム殿下、クリフ殿下、ニール殿下、陛下には1個ずつ持ってきましたが・・・

 追加はエルヴィス領のハワース商会までお願いします。」

「そうですか。

 うちに1個あるなら後はさっきタケオさんが言ったチョークと鉛筆と消しゴムを買っておけばいいね。

 うちはそれの見積もりと注文書を貰おう。」

「じゃあ私がそれらの数を適当に考えて手紙を送っておくわ。

 ジェシーお姉様じゃないけど、お義父さまが欲しがる前に注文しないとね。」

レイラも一足先に注文する組のようだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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