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第713話 王都に到着。(出迎え?)

武雄達のエルヴィス家の馬車と試験小隊4名、ボールドとジェシーが乗った馬車が王城の玄関に着く。

ボールドの使用人達は王都からの指定の宿に今日は泊る事になっていてそちらに向かった。

それは王都勤めの全新貴族達がそのような対応をされていた。

「凄い・・・」

「・・・はぁ・・・流石は王城ね。」

「ここに毎日勤めるのですか・・・」

馬車を降りたスミスとジェシーとボールドが王城を見上げて感動しながら感想を述べる。

「初めて見るとこうなりますよね。」

「ですね。ん?」

アリスと武雄がジェシー達を見ながら朗らかにしていると玄関横にいた執事達がやって来る。

先頭は見知った顔なのだが・・・

「キタミザト殿、アリス殿、お久しぶりです。

 こちらはエルヴィス殿にゴドウィン伯爵夫人殿とボールド殿ですね。

 皆さま、長旅お疲れ様でした。

 部屋の用意は出来ております。

 御者の方々の部屋も用意しております。

 今日はごゆるりとお過ごしください。」

近寄って来た男性が礼をする。

「オルコット宰相、お出迎えありがとうございます。」

武雄が普通に礼をする。

「「宰相!?」」

ジェシーとボールドが驚く。

スミスは「アリスお姉様が迷惑をかけた人だ」と焦る。

ちなみに宰相程の人物なら普通は出迎えなんてしないはずなのだが回りの者達も特に緊張とかなく普通に対応していたりする。

「お初にお目にかかります。

 フレッド・ジェリー・ゴドウィンの正室のジェシー・ヘンリー・エルヴィスです。」

「王都勤めを拝命いたします。

 スタンリー・ボールドです。」

「はい、よろしくお願いいたします。」

ジェシー達とオルコットが礼をする。

「と・・・当主代行で参りました。スミス・ヘンリー・エルヴィスです。

 先月はタケ・・・うちの部下と姉アリスがお世話になりました。

 私も初めての王都でご迷惑をかけるかも知れませんが・・・よろしくお願いします。」

「エルヴィス殿、そこまで畏まらなくてもよろしいのです。

 先の件はこちらに多大な非があります。

 あとで正式に私達よりエルヴィス殿には謝罪に参ります。

 その際に改めましてお話が出来たらと考えております。

 今はまず長旅の疲れを癒して頂きますようお願いいたします。」

「はい。」

スミスも頷く。


「・・・オルコット宰相が来たという事は何かあったのですか?」

話が付いたようなので武雄がオルコットに話しかける。

「・・・面倒でしてね。」

オルコットが目線を逸らして呟く。

「面倒?」

「実はキタミザト殿達以外は皆揃っています。」

「先に来てしまうと何かとご迷惑かと思いましたのでゆっくりと来たのですが・・・遅れて申し訳ありませんでした。」

「いえいえ!もう!この様に!場を読んで頂いて嬉しい限りなんです!」

オルコットが武雄の手を両手で握り上下に振る。

「はぁ・・・何があったので?」

「今王城内は新貴族だけではなく全地方貴族が居ます。

 もう・・・なんでしょう。うるさいんですよ・・・総監局の面々はその対応で走り回っていまして・・・

 はぁ・・・」

オルコットが深いため息をつく。

「お疲れ様です。」

「本当にお疲れ様なんです・・・

 と、そうそうここで立ち話もなんです。

 キタミザト殿とアリス殿は前に泊まられた部屋を用意していますし、エルヴィス殿、ゴドウィン伯爵夫人殿、ボールド殿には個室を用意しております。

 また御者の方々には1組で1室をご用意いたしています。

 すみませんが、王都勤めの方の使用人や今回の護衛の方々は街中の指定の宿が割り当てられています。」

「はい。それは街の城門の警備兵に言われています。

 ジェシーさん、ボールド殿、問題ないですよね?」

「「大丈夫です。」」

「ありがとうございます。

 各部屋に専属の執事かメイドが1名いますので何なりとお申し付けください。

 では。案内をしなさい。」

オルコットが指示を出すと傍に控えている執事達が動き出す。


「あ、オルコット宰相。手紙を預かっています。」

と武雄は懐からフレデリックからの手紙をオルコットに渡す。

「ん?・・・おぉ、ラムからですか。ありがとうございます。

 これは後で読ませて貰います。

 キタミザト殿、今日はこれからどうされますか?」

「そうですね・・・着いたのでウィリアム殿下達へ挨拶をしに行かないととは思っています。」

「わかりました。

 それとキタミザト殿、ボールド殿、アリス殿、明日の昼過ぎに爵位授与式の予行がありますので6時課の鐘辺りで大広間に集合をお願いいたします。」

「「「はい。」」」

「ゴドウィン伯爵夫人殿とエルヴィス殿は明日は1日自由になります。

 なりますが、王都は今、人が多くなっていますのであまり出歩くのはお控え下さるようお願いします。」

「「わかりました。」」

「さて、ごゆっくりと過ごしてください。」

オルコットがにこやかに対応するのだった。


「キタミザト殿、お疲れ様です。」

玄関の奥からマイヤーとアンダーセンがやって来る。

「おや?マイヤーさんにアンダーセンさん。

 どうしました?」

武雄が「何しに来たの?」という顔をする。

「いやいや、所属長が来たのに挨拶もしない訳に行かないでしょう?」

マイヤーが苦笑してくる。

「まったくですよ。

 4人とも護衛ご苦労!」

「「はっ!」」

「「はい。」」

4人が馬の横でアンダーセンに礼をする。

「キタミザト殿、4人ともうちで預かりますがよろしいでしょうか?」

「私は問題ないですよ。」

「わかりました。

 アーキン、第八兵舎に移動し休んでおけ。

 第3会議室がうち専用になっている。」

「わかりました。

 では皆さま、私共はここまでです。」

「はい、ご苦労様でした。」

武雄がアーキンに答えると他の面々も頷く。

アーキン達はのんびりと馬を引きながら玄関前を去っていくのだった。


「で、キタミザト殿、こちらは?」

「はい。

 ゴドウィン伯爵夫人のジェシー・ヘンリー・エルヴィスさん。

 こちらが新貴族のスタンリー・ボールド殿です。」

「「よろしくお願いします。」」

「王都守備隊 第一近衛分隊長 カルロ・マイヤーです。

 キタミザト殿の研究所の総監に就任します。

 以後お見知りおきを。」

「王都守備隊 第三魔法分隊長 ドム・アンダーセンです。

 キタミザト殿の研究所の試験小隊長に就任します。

 よろしくお願いします。」

2人の言葉にジェシーとボールドが固まる。

「あれ?その肩書を言って良いのですか?」

武雄が不思議そうな顔をさせる。

「キタミザト殿が子爵の拝命をし研究所の所長に就任して初めて変わる・・・らしいですよ?」

アンダーセンが言ってくる。

「なるほど、発足前ですものね。」

「はい。明後日以降は変わる予定・・・でしたよね?マイヤー殿。」

「明後日辞令が出るはずなんだが・・・王城内がこんなんだからなぁ。」

アンダーセンの問いかけにマイヤーが苦笑する。

「追々でしょうね。」

「キタミザト殿、王都からのお使いの件(・・・・・・・・・・)なのですが。」

「概要は教えられていますが、どうなりましたか?」

陛下から研究所へ(・・・・・・・・)の依頼となるようです。」

「そうですか・・・わかりました。

 それも明後日正式に来るのでしょうね。」

「はい。

 私達ももう準備はしていますが・・・その辺も授与式後に打ち合わせ出来たらと思います。」

「わかりました。

 まぁとりあえずはマイヤーさん達はアーキンさん達を労ってください。

 向こうでの話も聞きたいでしょう。」

「ええ、うちのも知りたがっていますよ。

 特に部屋が・・・」

マイヤーが苦笑する。

「別に私は何も制限していませんからいろいろ聞いてください。」

「「わかりました。」」

マイヤーとアンダーセンが頷く。

「では。

 私達はこれで。何かあれば呼びますよ。」

「はい。」

武雄達は王城に入るのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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