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第712話 79日目 王都に到着。(交通集中による渋滞と王家はのんびり中。)

武雄達は何事もなく(?)無事に王都に着いたのだが、今は街の城門前の渋滞にハマっていた。

馬車の順番は先頭がエルヴィス家一同、2台目と3台目がゴドウィン家一同に乗込む人が変わっていた。

「いや~・・・混んでいますね。」

武雄が馬車を降りて伸びをしながら言う。

「まったくね。

 王都はいつもこうなのかしら?」

「どうなんでしょうか。前回は普通に中に入れて貰えましたけど。」

ジェシーとアリスは馬車の外で机を出して優雅にお茶を飲んでいる。

「はぁ・・・タケオ様、なんでこんなに混んでいるんですかね?」

スミスも飽き気味に聞いてくる。

「流石に任命式と挙式ですからね~。

 警備の人達も引っ切り無しに検査等々をしているんでしょうが、これを機に王都に来た人達が多いのでしょうね。

 検査も手抜きは出来ないでしょうからしょうがありませんよ。」

「それとたぶん私と同じで新たな王都勤めが居ますし、各地方貴族も来ていますからその一団の先導やら指示やらで大変なんでしょう。」

ボールドがと目を細めながら城門を見ている。

「まぁ、のんびり行きましょう。

 急ぐ必要はないでしょうし。」

武雄の言葉に皆が頷くのだった。


------------------------

ここは王城内の第1皇子一家の居室。

「ふんふ~ん♪」

「あら?アンが上機嫌ね。」

セリーナがローナとアンとクラリッサでお茶をしていたがアンが上機嫌でお菓子を頬張っている。

「ね~?昨日まで本ばかり読んでいて返事もそこそこしかしなかったのに。

 何かあったの?」

「タケオさんとアリス様が来ます♪」

「ん?そろそろかしら?

 あ、アンは新しいスイーツを作ったものね。」

「はい♪

 まずはタケオさんに評価して貰わなくてはいけないんです。

 王都の料理長と考えたんですよ♪」

「私達にも教えてくれないけど何を作ったの?」

「・・・秘密です・・・」

アンが目線を明後日の方に向けながら答える。

「料理長にはお墨付きを貰ったのでしょう?」

「一応・・・ですけど。タケオさんが何て言うか・・・」

「平気よ。タケオさんならどんな料理を見ても怒りはしないと思うわよ?」

「そこは・・・平気なんですけど・・・

 んー・・・あれだけでタケオさんは褒めてくれるのかなぁ。」

アンは明らかに不安がる。

「平気よ~。」

ローナが朗らかに言う。

「タケオさんの影響でアンが料理に目覚めたわね。」

セリーナが言ってくる。

「タケオさん、褒めてくれるかなぁ?」

アンは武雄達の到着を心待ちにするのだった。


------------------------

ここは王城内の第2皇子一家の居室。

「・・・」

ウロウロ。

「?」

「・・・」

ウロウロ。

「??」

「・・・」

ウロウロ

「あの・・・」

「ん?クリナ、どうしたの?」

リネットがお茶を飲みながら言ってくる。

「なんでさっきからエイミーお姉様は部屋の中をあっちいったりこっちいったりしているんですか?」

クリナもお茶が入ったカップを両手で持ちながら聞いてくる。

「私は別に・・・特には・・・はぁ・・・」

ウロウロ。

「さてな。エイミーもいろいろ考えたいのだろうな。」

「ふふふ♪」

ニールとリネットは目を細めながらエイミーを見つめるのだった。


------------------------

ここは王城内の第3皇子一家の居室。

爵位授与式と挙式参列用のドレスをアルマとレイラとエリカが選んでいた。

ウィリアムは「こういうのは僕は不向きだから」と退出して逃げていた。

「ん~・・・エリカさんはどれが良いと思う?」

レイラが横一列に並べたドレスを見ながら言ってくる。

「そうですね・・・左から2つ目の少しフリルがあるドレスですかね。」

「こっちはどうかしら?」

アルマも聞いてくる。

「アルマ殿下の方はストレートですね。

 どれも良いですね~。」

「んー・・・アルマお姉様、これとこれ・・・あぁ2人して被りそうですね。

 やはり2日連日だと難しいですね。」

「そうね。

 うちは緑が基調だけど・・・どれも見栄えが変わらないわね。

 式典が2日連続は久しぶりだね。」

「そうですね。いつぶりでしょうかね?

 あ、エリカさん。これにこれを羽織ったらどうかな?」

「レイラ殿下、それだと濃過ぎではないですか?

 ドレスが濃いめの緑で羽織る物も濃いめの色だと・・・少し見栄えが良くないですよ。

 むしろこっちの薄めの緑色のドレスにその羽織る物でどうでしょうか。」

「そうか~、なるほどね。

 でも印象が変わっちゃうかなぁ~?」

「あ、それは良いわね。

 私はそれにしようかな。

 前は・・・思い出せないわね。

 あっても他国の使者の歓迎式典とかで1日だったし。

 あ、そうそうエリカさん。」

「はい。アルマ殿下、何でしょうか?」

「爵位授与式と挙式には来ないんだけどね。

 挙式後の立食会でカトランダ帝国とウィリプ連合国の使者が来るのよ。」

「はい、聞き及んでいます。

 私は面が割れるのでそちらには出ないという事を陛下と皆様とで決めましたが。」

「うん、ごめんね。

 それでね、こっそりとで良いからその者達が王城に入る際に確認して欲しいとお義父さまに言われたのよ。」

「あ・・・正式に参加者が決まったのですね?」

「ええ、通知が来たらしいのよ。

 それでね・・・いつもと違うのが来るのが気になっているらしいわ。」

「あの・・・誰が来るのですか?」

「名前は知らない者達ばっかなんだけどね。

 帝都護衛軍だそうよ。」

「帝都護衛軍?・・・なぜ?」

エリカが首を傾げる。

「いつもなら第2軍の将軍が皇帝の名代で来るんだけどね。

 今回は帝都護衛軍という最上級の軍部が来るのが不思議でね。」

「はい。帝都護衛軍はその名の通り帝都警護が任務です。

 他国の・・・それも挙式で来る者達ではないですね。」

「エリカさん、帝都護衛軍が出国する時はどんな時と言われていたの?」

「・・・あり得るのは戦後交渉ですかね。

 ですが、基本的には戦争では対アズパール方面軍である第2軍の将校が交渉をしますし・・・

 あとは皇族の警・・・ん?・・・まさか・・・」

エリカが真顔でアルマとレイラを見る。

「お義父さまもそれが起こるのが気がかりみたいね。

 カトランダ帝国に何か仕掛ける気はないけど、面倒を起こされる気もないのよ。」

「・・・父上かチコが来ると?」

「名簿には名前はないのよ。

 でも一応、カトランダ帝国からのご一行様の警護を厚くするようには今再手配しているんだけど。

 明らかに重厚には出来ないし・・・それに実物を私達は見ていないわ。

 エリカさん、万が一の為にも確認してくれない?」

「はい、わかりました。」

エリカが頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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