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第703話 69日目 今日もお終い。(エルヴィス家の寝る前の遊びと武雄と夕霧達の相談。)

一通り話終えてジェシーとボールドは就寝する為に退出して行った。

将棋とリバーシは移動中に教えることになった。

今はアリスとスミスでリバーシを行いジーナが傍に控えており、エルヴィス爺さんと武雄で将棋を指してフレデリックとヴィクターが傍にいる。


「さて・・・と、一通り話したの。

 タケオ、どう思うのじゃ?」

エルヴィス爺さんは駒を進めながら聞いてくる。

「どうとも。お互いの領地の事、王都と魔王国相手の情報の共有化において良い関係を築きたいと思っているのはわかりました。

 ただ、王都の情報は流石にゴドウィン伯爵家と同等の情報が入るという事ではないだろうとは思います。

 私から王家や王都守備隊の情報がジェシーさん達に全てを教えるとは思ってもいないのと同じです。」

「まぁそうじゃの。

 王都の貴族会議の情報はスタンリーからゴドウィン家そしてうちに流れる情報じゃ。

 そのどこかの段階でいろいろと余計な情報が(・・・・・・)抜かれるのは当然じゃの。

 それにわしらもタケオから全てが教えられるとは考えておらぬよ。」

「伝えて良い事と私の胸に留めておかないといけない事は違うのはわかっています。

 ・・・すべてを教えても結局は私が解決しないといけない事もありますし、なら教えておかない方が賢明という事もあるかもしれません。」

武雄が駒を進める。

「うむ。

 タケオ、どのくらい抱えておるかの?」

「現状ではエルヴィスさんに言っていない事はありませんね。包み隠さず言っています。

 ですが、これから先はわかりません・・・研究所の仕事が始まれば言えなくなる事も出来るかもしれません。

 王家と王都守備隊そして私達第一、第二研究所の所長のみが知っていれば良い事もあるでしょう。」

「ふむ。

 それは機密に抵触するのじゃろうの。

 下手に地方の領主が知っては災いになろう。」

「ええ。それに私達研究所にはそんなに高位の情報は降りてはこないと思っています。

 せいぜい軍事関係ぐらいでしょう。

 『いつぐらいにどこそこの領主の軍備再編があるから成果を出せ』といった感じだと思っています。」

「はぁ、それを聞いただけでも国の動きがわかりそうなものじゃの。」

エルヴィス爺さんがため息をつく。

「そうですね。

 私は王都と直接やりとりが増えそうですが、エルヴィスさん達はウィリアム殿下とやり取りが増えそうですね。」

「うむ。

 まぁその辺はどちらかと言うと報告を上げる先を王都からウィリアム殿下宛に変えれば良いだけだからの。

 あまり気にする事ではないの。

 むしろ直接王都から言われないので楽とも言えるが、ウィリアム殿下と関係を密にしておれば無理強いもされぬじゃろう。」

「そうですか。

 と、王手ですよ?」

「なぬ!?

 タ・・・タケオ、3手戻してくれぬかの?」

「はいはい、3手ですね。」

武雄とエルヴィス爺さんの対局はもう少し続くのだった。


------------------------

「タケオ・・・いらっしゃい。」

「タケオ、元気だったっスか?」

訓練場に着くと初雪と時雨が待っていた。

「こんばんは。

 2人とも早いですね。」

武雄がそう答える横をすり抜け夕霧が衣装小屋に入っていく。

「ユウギリから事前に連絡が来たっス♪

 タケオの考えた通路は便利っスね。

 ユウギリのアサギリが何からも攻撃されずにすぐに来たっスよ。」

「なので、待っていた。」

「ん、お待たせ。」

夕霧が衣装を脱いで小屋から出て来る。

「ユウギリの方も順調みたいっスね!」

「人間社会の勉強は順調。

 見る物も聞く物も知らない事ばかり良い感じ。

 シグレ、ハツユキ、今日学んだことを教える。」

「はいっス♪」

「はい。」

夕霧と時雨と初雪が手を合わせて情報の共有を始める。

・・

「?・・・シグレ、何を見つけたの?」

「そのまんまっス。」

「私もこれ今知った。」

夕霧と初雪が目を開けて時雨を見るが時雨は説明が出来ないでいる。

「夕霧どうしましたか?」

「ん、タケオ、シグレが作ったアサギリが街の南側の森でエルダームーンスライムらしき物を見た感じがあります。」

武雄の問いかけに夕霧が答える

「あたしも直に見てないっスけど。

 接触しても良いのか・・・」

時雨が難しい顔をさせる。

「夕霧、エルダームーンスライムらしきとは何ですか?」

「・・・透き通っている鳥を見つけています。

 たぶん成りたてだと思うのですが・・・

 タケオ、どうします?」

「接触してみてはどうでしょう。

 私達に害をなすなら夕霧達にはすみませんが駆除対象です。」

「ん、そこはわかっています。

 私達街の北のスライムは人間と争う気はない。

 街の南のスライムが人間と敵対したら駆除して構わない。

 私達が駆除されては意味がないから。」

夕霧が答える。

「じゃあ、明日にでもあたしが行くっス。」

「シグレ、大丈夫?」

「平気っス♪

 敵対するようならそのまま情報量を送り込んで破裂させるっスよ。」

時雨が得意顔で怖い事を言う。

「やり方は任せますが、時雨、無茶はダメですよ。

 折角3人ともエルダームーンスライムになったのです。

 これからいろんなことを見聞きして貰いますからね?」

「タケオ、わかったっス♪

 無理はしないで何かあれば戻って来るっスよ。

 タケオは心配性っス。じゃあ行く時はモモに一緒に来て貰うっス。」

時雨が笑顔で頷く。

「タケオ、魔王国側の関、私が行く。」

初雪が言ってくる。

「初雪も無理はしないように。

 何かあればすぐにここに戻ってくれば良いですからね?」

「はい。

 まずはアサギリを使って穴を掘る。その後に行く。」

「ハツユキ、急ぐことはないです。」

夕霧が少し初雪が心配なのか声をかける。

「わかった、何かあればここに戻って来る。」


ちなみに夕霧達は穴を掘ったり、何か作業をしたり監視をしているスライム達を『朝霧』と呼んでいる。

体液を作り出しているのは『皆』と呼び、夕霧達のみの何かしらの基準を作っているみたいだった。


「3人とも無理はしてはダメですからね?」

「ん。」

「わかったっス。」

「わかった。」

夕霧、時雨、初雪が頷く。

「タケオは遠くに行くっスか?」

「ええ、この辺の人間種の王に会ってきます。

 その後は西の他国に行ってきます。

 戻りは少しかかると思いますので、3人とものんびりと作業をしていてください。

 何かあれば夕霧を通じてエルヴィス家の人に連絡をすれば動いてくれるでしょう。

 あと夕霧、朝霧を2体貸してください。」

「ん、何色?」

「緑と黒で。

 緑については王都に向けた道中に分裂させて潜伏させてきます。

 黒は私と一緒にウィリプ連合国へ。緑はアリスお嬢様に持たせて王都に居て貰います。」

「ん、わかりました。森の調査をさせるのですね。

 そっちもゆっくりと穴を掘らせながらここに向かわせるようにします。」

「はい、お願いしますね。

 さてと、他に話す事はありますか?」

「あ、タケオ、北の鳥について話したい。」

初雪が話し始め武雄達は少しの間雑談をするのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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