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第7話 屋敷には何が待っているのやら?

しばらく馬車に揺られエルヴィス老とタケオがボーっとし始めた頃。

「そう言えば主。」

「なんじゃ?」

「ゴドウィン様が屋敷にみえておいでです。」

「ふむ、暇な奴じゃな。いつぐらいに来たのじゃ?」

「6時課の鐘ぐらいでしょうか。」

「・・・怒っておったか?」

「怒りというよりも焦っておいででした。

 最初は大人しく待っておいででしたが、次第にソワソワされだし、終いには各兵士に矢継ぎ早に指示をされておいででした。」

「・・・で、わしの生存を聞いてどうなっておった?」

「とりあえずホッとした感を出したあと・・・」

「なぜ詰まる?」

「食事をすると言い出しまして・・・」

「・・・備蓄はあとどのくらいじゃ?」

「2日ほどかと・・・」

「マズいな・・・」

「今頃、各店に走っている頃かと・・・」

エルヴィス老とフレデリックは沈痛な面持ちで語り合っている。


武雄はそろそろ寝そうです。

ウトウト中です。一番今が気持ち良い時です。


「ちなみに・・・」

「まだあるのかの?」

「アリスお嬢様が主生存の一報を聞きつけまして・・・」

「・・・うむ・・・聞きたくないのじゃが・・・」

「主が戻られるまで玄関で待つと・・・仁王立ちに・・・」

「ひぃ!」

・・・ガタガタガタガタ・・・


良い感じの揺れだなぁと夢見心地で武雄がさらに眠りに誘われ始める。

あぁ気持ち良いなぁ。


「タ、タケオ!!」

「ふぇあ!!!!? な、なんでしょう!?」

「良いか!?もうすぐ街にいや屋敷に着くんだが、良いかっ」

「ごめん被ります、絶対に嫌です。」

「な、何を言うのじゃ!? お主、今まで寝そうであったであろう!?」

「ええ、気持ちよかったですね。」

「聞いておったのか!?」

「申し訳ないですが、頭に入っておりません。お二人で何を話し合っていたのですか?」

「内容なぞどうでも良いのじゃ!タケオ出来れ」

「絶対に嫌です。」

「なぜ全部を聞かぬのじゃ!?」

「全部を聞いたら『はい』としか言えなさそうでしょうが!?」

「主。タケオ様にご助力していただくのはいかがな物かと・・・」

フレデリックはタケオを見ながら呟いた。

ってかお二人とも声小さっ!

「フレデリックまで何を言っておる。

 わし一人では収まらない可能性があるのじゃぞ!?

 あのアリスが仁王立ちじゃぞ!?」

「主よ、覚悟なさいませ!」

「嫌じゃ!」

どんだけそのアリスお嬢様が怖いんだよ?

かなりエルヴィス老宅に行きたくなくなったんですが。

「タケオ、何か良い手はないじゃろうか?」

「そんなの素直に謝」

「出合頭でそんなことをすれば、わしは明日の朝日を拝めぬかもしれないのじゃぞ!?

 他に何かないのか?こう・・・引き伸ばし作戦でも良いから!」

「・・・確かうろ覚えですが、お客様がいらっしゃっているのですか?」

「ゴドウィン様でございますね。」

フレデリックは合いの手を入れてくれる。

「では、お嬢様に開口一番に『すまなかった』と伝えて、矢継ぎ早に『お客様にすぐに会う準備を』とフレデリックさんに伝言。ご自身はさっさと部屋に戻って着替えます。

 着替え終わったら即会談という感じにすればよろしいのでは?」

「行く手を阻まれたらどうするのじゃ?」

「『謝りは後回しで、今はお客様との会談が先決』と言い切って足早に通り過ぎることしかできないのでは?」

「タケオ様の筋書きであれば、ある程度の筋は通るかと。家族よりお客様が上位ですので。」

「あとは時間を空けることによっての沈静効果を待つしかないでしょうね?」

「そうじゃな・・・その手で行こうかの・・」


もうすぐ街の入り口なのに、馬車の周りは負のオーラを纏っている様だったと、

後続の兵士は後に語ったのだった。


ここまで読んで下さりありがとうございます。

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