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第684話 66日目 エルヴィス家の新年の行事と王都での今年の予定。

「・・・眠い。」

武雄は客間にてボーっとしている。

客間に居る面々も武雄と同じようにボーっとしていた。

朝からひっきりなしに訪問者が訪れていて、今は丁度居なくなったので客間でのんびり中。

「タケオ、寝てはダメじゃぞ。

 寝たら起きれなくなるからの。」

「でも眠くなりますね。

 毎年している僕ですら若干、眠いですから。」

「客間に待機して広間に客が通されたら後から広間に入るのですけれども、結局は客間と広間の間を往復して新年の挨拶をするだけですからね。

 それに会話の内容も変わりませんし・・・タケオ様でも飽きちゃいますよね。」

「ん~・・・」

武雄は目の力を抜き皆の話を聞き流しながら「今まで挨拶をする側だったけど、される側も大変なんだなぁ」と思いを馳せるのだった。

「あとタケオ様、言い忘れてましたが今日、明日はお店がほぼ全部閉まっていますから訪問しちゃダメですからね。」

「・・・ほぼですか?」

「酒場と飲食店は開いています。

 実は今日の夕方から朝方まで各組合で懇親会が会されますのでその会場が開いているだけで他の商店は年始は休んでいるんですよ。」

「へ~・・・朝まで。

 明日は皆寝ているのですね。」

「はい。

 なのでうちの使用人達も半分は今日の昼までで後の半分は明後日の昼から4日までお休みです。」

「・・・あれ?

 王都へ到着予定が1月14日。逆算して王都まで馬車でいくと9日。

 5日には出立ですよね?」

「そうですね。」

「ですね。」

アリスとスミスが頷く。

「準備は?」

「「終わっていますよ。」」

「・・・そ・・・そうですか。

 ジェシーさんが来るのは?」

「私達の出立の前日に来て翌日一緒に行きます。

 お姉様の事だから明日には出立してこっちに来るのではないですか?」

アリスが普通に返答してくる。

「えーっと・・・ゴドウィン領ってそんなに近くでしたか?」

「いえ。お姉様なら昼夜走り通しで来るので6日かかる所を2日で来ます。」

スミスも普通に返答してくる。

「・・・はい?」

「ちなみにこの間のレイラお姉様やウィリアム殿下、アズパール王陛下は昼夜で4日で来ました。」

「・・・そう言えばそうでしたね。」

「私達は昼夜走る事はしたくないので通常通り日中のみ移動で9日で王都に行きます。

 それにしてもジェシーお姉様もレイラお姉様も行動力においては異様に高いんですよね。

 そんなに急ぐ案件でもないでしょうに。」

アリスがため息をつきエルヴィス爺さんとスミスが苦笑している。

と執事がやってくる。

「皆さま、鍛冶屋組合の方々が新年の挨拶にお越しになりました。」

「うむ。

 では行くかの。」

エルヴィス爺さんの言葉に皆が顔をしっかりと作り新年の行事を進めるのだった。


------------------------

アズパール王国 王城の広間の扉を開けアズパール王が入室してくる。

先に部屋に入っていた王家の面々と武官そして文官の幹部が起立して出迎える。

「皆、揃っているな。」

そう言い席に着き、皆も席に座る。

「陛下、新年おめでとうございます。」

オルコットが祝辞を述べると。

「「おめでとうございます。」」

その場の全員が唱和する。

「うむ。

 去年はまぁタケオ関連で年末は忙しかったが、概ねいつもどおりだったな。」

アズパール王が苦笑すると所々から笑い声が聞こえる。

「特別な催し物として年始からクリフとニールの挙式に新貴族の任命式、年末にはウィリアム達の異動があるな。

 王都のみを見ると今年は相当人事が動くのだが混乱なくいくことを願っておるぞ。」

「「はっ!」」

皆が返事をする。

「うむ。

 それと隣国を見ると魔王国の魔王選定試験があるとの事だ。

 いったいどんな事をやるのかは見当も付かんが・・・魔王国に面している3伯爵、特にエルヴィス伯爵とゴドウィン伯爵には関の強化を通達するのだったな?」

「はい。

 臨時の予算も組めました。まぁ十分ではないかもしれませんが、関の補強程度の金銭補助が出来ているのではないかと。」

オルコットが答える。

「うむ。

 何もないよりかはマシだろう。

 カトランダ帝国方面は東町で大規模な街の開発があるようだな。

 そちらに誰か送り込んだか?」

「はっ!

 王都守備隊 第一情報分隊から2週間ごとに交代で2名が在中する運びになっています。

 陛下、報告にも上げましたが、すんなりと部屋が借りられたとの事で少々訝しく思えますが・・・順調ではあります。」

王都守備隊総長が返事をする。

「向こうも隠す気が無いという事か・・・

 第1騎士団長、すまないが不測の事態が発生した際の即応体制は任せる。」

「はっ!アシュトン子爵領には定宿を設定しています。

 2小隊程度を交代で常駐出来るようにしています。

 2小隊であれば本隊が合流するまで持ちこたえられるかと。」

第1騎士団長が返事をする。

「そうだな。

 あとはウィリプ連合国か・・・何も動きがないそうだな。」

「はい。

 こちらは第二情報分隊を入れているのですが・・・特に変わった動きはないと。」

王都守備隊総長が返事をする。

「ふむ・・・

 カトランダ帝国と魔王国が動いているからウィリプ連合国も動くものと思っていたが・・・

 こちらは注目しておくしかないか。

 それとこちらの即応体制は第2騎士団だからな。」

「はっ!」

第2騎士団長が返事をする。

「それと陛下、前に少しお願いした件ですが・・・どうでしょうか?」

「・・・それかぁ・・・」

王都守備隊総長が恐る恐る聞いてくるとアズパール王が腕を組んで悩んでしまう。

「陛下、王都守備隊総長殿、お願いした件というのは?」

オルコットが聞いてくる。

「ふむ・・・新年早々だが皆の意見を聞かせて欲しい。

 少し前の話なのだがな。」

アズパール王が説明を始めるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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