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第681話 武雄と魔法師商店の今後の話。2(拳銃素案と試験小隊員の部屋。)

「戻りました。」

鈴音が上の自室から何やら抱えてテイラーの店にやって来る。

「鈴音、おかえり。」

武雄は普通に鈴音を招くが他の皆は「おかえりなの?」と微妙な顔をさせる。

「武雄さん、見てください。」

と鈴音が先程の机の上に図面を広げる。

「これは拳銃の4面図ですか。」

武雄はそう呟くが若干驚いていた。

外観が武雄が思っていた標準的なリボルバーとは違っていたからだ。

簡単に言えば一回り大きいベレッタ92の後側に割りと細目のシリンダーが付いた感じなのだ。

「はい!武雄さん専用の毎秒4連発式です!」

鈴音が満面の笑みで答える。

「毎秒4発?」

「はい。

 今回は銃身の強化や水の膜、手首の保護等の本体部分と弾丸を別工程で組み込んでいます。

 そして撃った瞬間から再装填が始まります。

 弾丸の生成に1秒ずつ。

 4発撃つのに1秒はかかるとスズネさんと考えました。」

テイラーも説明に参加する。

「機構的には問題はないのですか?」

「はい。

 サリタさん達にシリンダーの回転方法を考えて貰ったのですが、1/4の回転は出来るが1/5、1/6を正確に回転させるのは難しいと言われました。」

「そうですか。」

「それに今考えているやり方だと銃の本体用で魔力を100くらい常に使い、弾丸の生成に75くらいずつ使います。」

「常に?」

「キタミザト様以外の魔法師が手に持った状態で半日いると魔力を全部使いきってしまうかもしれませんね。

 腰に下げているだけなら強化のみの消費で1日で50くらい消費するでしょうか。」

「どちらにしても常に魔力を消費しているのですか。

 と言うより私用の拳銃はどれだけ魔力を消費するので?」

「常に100は使っていて、最初の4発を作り出すのに300、さらに1発撃つごとに75消費していきますね。」

「・・・なんていう仕様ですか・・・」

アーキンが呆れる。

「持っているだけで消費していくなんて・・・

 そんな魔法具は危険です。

 所長以外では使えませんよ。」

ブルックも呆れる。

「・・・テイラー店長、1回の使用量自体は25なのですよね?」

「はい、キタミザト様のスペック通りです。

 銃の強化、銃の筒と玉の隙間に水の膜を生成、手首保護のシールドと回復のケアを常にしています。

 この時点で4工程で100。

 さらに、氷の玉の生成、氷の内部に爆発の魔法を仕込む、玉の後方で爆発で3工程の75。

 総じて撃つ準備段階で500程度は必要ですね。」

テイラーが説明する。

「小銃改1が150で改3が300でしたから小銃改4拳銃は酷く消費する仕様になっていますね。

 それに私は35個の同時展開が出来ますけど、拳銃を持った瞬間は16個を使うのですか、残り19・・・

 まぁ、準備段階ではシールドで防御は出来そうですね。」

「あくまで今の机上段階での試算ですので、実際はもう少し増減するとは思います。」

「そうですか。私の特性を生かしてくれれば問題はありません。

 鈴音、シリンダーが私が予想したよりも小さいのですが、何を考え付いたのですか?」

「はい!

 武雄さんは最初小銃用の空薬莢を使うと言っていましたが、想定距離が短いのであの大きさは要らないだろうというのとシリンダーを小さくして重心を前に持っていきたかったのです。

 それに見た目が何だか違和感があって・・・

 武雄さん、ダメですか?」

鈴音が難しい顔をさせて言う。

「いえ?

 私が小銃の空薬莢を使いたいと思ったのは既存の方法を取った方が楽そうだからです。

 製作側が想定距離が短いからそれにあった大きさにしたいというならそれで構いませんよ。

 要は私が求めている結果が示されるなら仕様は変えて構いません。」

「わかりました!」

鈴音はホッとする。

「所長が求める結果とは何ですか?」

「撃ちたい距離は最大100m程度。物理的な補給がいらない。弾丸は相手に当たれば爆発する。威力はそれなりに。私の体に対する負荷が少ないぐらいですかね。」

「何も知らない人が聞いたら良くわからない要求でしょうね。」

ブルックの質問に答えたら逆に呆れられる。

「でしょうね。」

武雄も苦笑を返す。

「試作品が出来るまで1か月は最低かかると思います。」

テイラーが言ってくる。

「それで構いません。

 本格的な話合いは年明けの王都から戻ってからですね。

 あ、アーキンさん達も王都へ私の随行をお願いします。」

「もともとそのつもりです。

 部屋も見終わりましたので問題はありません。」

「そうですか。

 ちなみに用意されていた部屋はどうでしたか?」

「どの部屋も家賃を低くしているのに部屋の数もあり、壁もしっかりとして外の音が気になりませんし、備え付けの家具も品質が高いですね。

 王都の不動産業者に見せたいです。」

「ほんとね。

 今回選ばれた隊員の家族は満足するはずですよ。

 王都で住んでいる部屋より一つ格上の部屋ばかりですもん。

 これをあの家賃なんてね。

 所長、何かしましたか?」

「何も。部屋を紹介してくださいとしか言っていませんよ。

 部屋を下見して準備したのはエルヴィス家の文官達ですからね。」

「ん~・・・王都は全体的に高いのはわかりますが、エルヴィス家で用意していたのは相当家賃が安めに設定されていますよ?」

「そうなのですか?

 私にはわかりませんが・・・」

武雄が「その辺は今の所は興味が無いなぁ」と微妙な顔をする。

「まぁ、悪い事がなければ問題ないですね。

 それと独身者用の共同生活物件はどうでしたか?」

「はい。

 1階に大家さん家族が住んでいて2階と3階の部屋を独身者の部屋とする下宿型で様子を見ようかと思います。

 朝は食事を用意して貰って掃除から洗濯等々生活自体は自分達で行う感じになると思います。」

「なるほど、独身寮みたいな感じですね。」

アーキンの説明に武雄が頷く。

「はい。

 大家さん家族も良い方達であそこならアニータやミルコも平気かと思います。

 こちらの入居は明日からです。

 家賃も安く抑えてくれていて銀貨8枚ですし、朝食付きで十分な広さの部屋でこの値段なら格安ですね。」

ブルックが嬉しそうに言う。

「そうですか。

 あとはアニータとミルコがちゃんと生活出来るかですね。

 まぁ、初めは苦労するかもしれませんが、慣れるしかありませんね。

 2人とも出来そうですか?」

「「たぶん。」」

2人が苦笑しながら言ってくるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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