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第658話 陛下と息子達の時間外会議。

アズパール王と息子3人は王城内の簡単なバーに来ていた。

「はぁ・・・連日の会議は面倒だな。」

「父上がそれを言ってはどうしようもないでしょう?」

「だな。」

「ですね。」

「言いたくもなるわ。

 はぁ・・・だが、やっとウィリアム関係の書類が終わったのに・・・

 対ウィリプ連合国とカトランダ帝国の話で連日の会議・・・

 面倒だな。」

「それは致し方ないでしょう?何かしら動きがあるのですから。

 それに良い機会ではないですか。

 国の中も変わる時期に一気に街道整備やらも出来るのですから。」

「それはそうなんだがなぁ・・・

 はぁ・・・で?ウィリアム、恋煩いは終わったか?」

「父上まで・・・終わりましたよ。」

「「ホントかよ?」」

ウィリアムの言葉にクリフとニールが訝しげに見る。

「兄上達まで・・・平気です。

 アルマ達にも言いましたが、あの時は何で『妃に迎えなくては!』と思うのか不思議ですね。」

「・・・まぁ、ウィリアムは昔から女性にはそんな感じだったしな・・・

 王城からほとんど出ないから女性への免疫もないし・・・でもあれは病気の一種だな。」

アズパール王がやれやれとため息をつく。

「アルマとレイラは何て言っていたんだ?」

ニールが聞いてくる。

「勝手にエリカを妃にすると決めてはダメ。

 エリカが僕の妃になっても良いと言ったら初めてアルマ達で考慮を始めると。」

「・・・全く信用をされてないんだな。」

クリフがため息をつく。

「もう平気ですよ。

 僕からは言いません、安心してください。」

「「本当かなぁ?」」

クリフとニールが再び訝しげに見る。

「アルマ達からは破った際の罰則まで言われましたよ。」

「あの2人が罰則?

 何をすると言ったんだ?」

「タケオさんにアリス、そしてエルヴィス伯爵家とゴドウィン伯爵家、テンプル伯爵家に頼んで僕をこき使うそうです。

 『女性と一緒になんかさせません』と言われています。」

「ふむ・・・

 なら我も乗ってやろう。

 王都守備隊と第1騎士団も付けてやる。」

「うちの騎士団も付けるとしようか。」

「じゃあ、俺のとこも。」

「・・・どんだけ僕の信用がないんですか?」

「ウィリアムの女性関係の信用はハッキリ言えば全くないな。

 政務は出来る癖に女性関係は全くのダメ・・・アルマもレイラも苦労をしているな。」

アズパール王がシミジミと呟く。

「・・・苦労をかけている事については否定しませんけど。

 さ、もうこの話は止めです!

 父上、今日の飲みの議題はなんですか?」

ウィリアムが話題を変えたがる。

「まぁ、エリカの件は我も注目しておくか・・・」

アズパール王の呟きに兄2名も頷く。

ウィリアムはこれで王家全員からの監視対象になるのだった。


「会議の後にオルコットがある資料を持ってきたんだがな。」

アズパール王が息子達の前に資料を置く。

「失礼します。」

クリフが中身を軽く見てニールに渡し、ニールも軽く見てからウィリアムに渡す。

「今後の各貴族の家族構成ですか?」

ウィリアムが資料を見ながら呟く。

「来年の4月時点は・・・途中編入が1名、入学が4名・・・新規の貴族での入学は2名で。

 グレースとスミスは確定していたが・・・アルダーソンとボールドの子供が追加・・・第一研究所の所長とゴドウィン伯爵家からの推薦者だったかな?」

ニールが答える。

「・・・特に不審な事はないかと思いますが?」

ウィリアムが答える。

「アンとクリナの入学を狙った訳ではないだろうが、クリナには地方の貴族が、アンには王都勤めが一緒に入る見込みだ。」

「確かにアンとクリナの年代が多いと感じますが・・・領地持ち3貴族に王都勤め4貴族の7名ですか。」

クリフが感想を言う。

「これは・・・ややこしそうですね。」

ニールが呟く。

「全くだな。

 アンとクリナは1つ違いだが一緒に入って来るのが地方組と王都組に見事に分かれている。」

「・・・派閥化しそうですね。」

ウィリアムが呟く。

「さて・・・どうなるかな。」

「アンもクリナもその辺の事はわかると思うが・・・取り巻きが騒ぎそうだな。

 パットとエイミーは男女だったから何もなかったようだが・・・」

クリフが思案しながら言う。

「そもそもエイミーはニールが不在時の代行権限を持っていて責任感や物事を思考するのもパットとは比べ物にならないほど場数を踏んでいるからな。

 エイミーには同年代の誰も反抗出来んだろうな。

 まぁ、気を許している時のエイミーは年相応なのだが・・・」

「エイミーには苦労をかけてしまっていたな。」

ニールが難しい顔をさせる。

「と言う訳で、早い段階からアンとクリナにはそれとなく学院の事を言っておいてほしい。

 学院内で対立されてもいけないだろうしな。」

「「わかりました。」」

クリフとニールが頷くのだった。


「それとな。

 来年の式典に参列する貴族達の回答が出そろったぞ。」

「父上、回答も何もこちらから『当主もしくは次期当主』が来るように通達していますが。」

「そうだな、ウィリアムとアルマの挙式以来だからなぁ・・・久しぶりに皆と会えるな。

 で、だが・・・ほれ。」

アズパール王が息子達の前に資料を置くと今度はクリフ達が覗き見る。

「・・・?・・・これは許可されたのですか?」

「あぁ、したぞ。」

クリフの質問にアズパール王が頷く。

「・・・ゴドウィン伯爵家から正室のジェシー・ヘンリー・エルヴィス、エルヴィス伯爵家からスミス・ヘンリー・エルヴィス・・・

 これにレイラとアリスが揃うのか。」

ニールが呟く。

「エルヴィス伯爵家の姉弟が揃うのはアリスの事件以来でしょうね。」

「となると2年ぶりか。

 早い様で長かったな。」

「うちとニールの所は当主ばかり・・・いや、アシュトンは流石に子爵と次期当主両方か。

 それにしても正室でも可としたのは何でですか?」

クリフが聞いてくる。

「ん?ゴドウィン伯爵が事前に決まっていた新人訓練を実施する為と国境での不穏な動きが終息していないからな。それに推薦のあった・・・ボールド男爵はそこの騎士団長だからトップ2人が居なくなるのはダメだろうという判断だ。

 それに現状では正室が次期当主(・・・・・・・)と正式に登録されているしな。」

「・・・子供がいないのですか。」

「あぁ。

 あそこは確か結婚して5年目だが・・・そろそろ出来ても良いとは思うな。

 それに確かタケオとも会っているような話をアリスがしていたらしいな。」

「はい。

 アリスとタケオさんが王都に居る際に会っている旨は聞いていますし、たぶん最初のお土産(・・・・・・)と同じ物が向こうにも行っていると考えると例の保健も向こうにはあるでしょう。」

「そうだな。

 と、ウィリアム、側室問題よりも子供はどうした?」

「ん~・・・頑張ってはいますが・・・」

「アルマとレイラ・・・いや妃達はタケオの保健を実践していると前の飲みでは言っていたな。」

「「「ええ・・・」」」

3皇子が目を逸らせながらぎこちなく頷く。

「・・・何だ?その反応は。」

「タケオの知識の深さがわかりすぎるんですよ・・・」

「意外と簡単に出来てしまうんですよね・・・」

「こっちの体力が・・・」

「・・・そうか・・・頑張れ・・・」

3皇子の呟きにアズパール王が何とも言えない表情で言葉を返すのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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