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第630話 夕食後の報告会1(大豆と小豆。)

「料理長、戻りました。」

「お、タケオ、おかえり。

 皆の意見はどうだった?」

「ええ、高評価でしたよ。」


武雄はテイラーの魔法具商店を後にしアーキン達の宿の受付に団子を置いたのちにエルヴィス邸に戻って来ていた。

玄関を入った所でフレデリックと会い「団子を食べた客間に居た3名が歓喜していた」と言っていたが、すぐに想像が出来たため武雄とフレデリックはお互いに苦笑をして別れていた。

で、今は厨房に顔を出している。


「だろうな。

 今までにない味のお菓子だからな。

 それと俺とフレデリック、そして使用人の皆がかりんとうを食べているぞ。

 で、一応客間向けには指示通りに今日の夕飯後のティータイムのお菓子をかりんとうにすると伝えておいた。」

「どうでしたか?」

「『また新たなお菓子が!!』と言って皆テンション高めだな。

 さて・・・豆乳と湯葉だな。

 タケオが出かけている間に皆で工程の復習をしておいた。

 タケオは皆の作業を見ていて違和感があるなら言ってくれ。」

「はい、わかりました。

 あぁ、あとで少し相談に乗ってください。」

「ん?今度は何だ?」

「えぇ、ちょっと・・・」

料理長に武雄は苦笑を返すのだった。


------------------------

夕飯後、客間に皆が移動する。

フレデリックが食後のお茶を入れ、皆の前に置き、皆から少し後ろに下がる。

ミア達にはオレンジの搾りたてジュースが出されていた。

「さて、今日の午後のお茶菓子は見事だったのぉ。」

エルヴィス爺さんの言葉に武雄以外の皆が頷く。

「新感覚でしたか?」

「うむうむ。

 聞いた所だと豆と砂糖だけらしいの。」

「そうですね。

 大豆も小豆も時間がかかりましたね。

 ですが、確かに調味料の数は少なかったですね。」

「ん?・・・タケオ、小豆はつぶ餡で大豆はきな粉なのじゃろ?

 大豆に何が時間がかかったのかの?」

「今日の夕飯に入れましたが?」

「「「???」」」

エルヴィス爺さんとアリスとスミスが首を傾げながらさっきまでの夕飯を思い出す。

「えーっと・・・ハンバーグでしたよね?

 濃い目のソースでしたが、美味しかったです。」

「うむ、いつも通りだったの。」

「そうですか?僕は若干肉の味が薄かったように思いますが。」

スミスの言葉におからを使っているのを知っている武雄とフレデリックがピクッとするが誰も気が付かない。

「出汁のスープに大豆から作った物を入れましたよ?」

武雄がおからは伏せて湯葉を教える。

「「「ああ!」」」

3人が頷く。

「あの味が薄い物がそうなのじゃな?」

「確かに単体では味は薄かったですが、出汁の塩気と丁度合っていると思いました。良かったですよ。」

「僕は単体で食べないで他のと食べましたが美味しかったです。」

3人はとりあえず及第点を出してくる。

「・・・フレデリックさん、どうですか?」

「そうですね。

 もう少し試しながら分量は決めましょうか。

 ですが、これからハンバーグ等のひき肉を使う際には使っていきましょう。

 なので、少数ずつになるでしょうが、月々一定の仕入れをするようにしましょうか。」

3人を他所に武雄とフレデリックが確認し合う。

「なんじゃ?タケオ、フレデリック、何をしたのじゃ?」

「実はですね。

 今回大豆を使った料理は出汁に使った大豆を煮て潰した物を濾してさらに煮詰めて作った湯葉(・・)とそのろ過した残りのおから(・・・)を使ったのです。」

「「「おから?」」」

「はい。」

「ん~・・・どこにおからがあったのですか?

 スープにもサラダにもそれらしい物はありませんでしたよ。」

アリスが考えながら言ってくる。

「ハンバーグの中です。」

フレデリックが言ってくる。

「「「え!?」」」

「全然気にならなかったです。」

アリスが茫然とする。

「スミス坊ちゃんは気が付いたようですね。」

「え?・・・ですが、そこまでの違和感はなかったです。」

「そうですか。

 では少し説明をしましょう。

 今日お出ししたハンバーグは今までよりも肉の量を4/5にしています。

 ですので、同じ量のハンバーグを食べていても実質の肉の量は少なくなっている算段です。

 それにおからは美容や健康に良いと言われていてですね。

 食物繊維が豊富な食材として便通が良くなったり、肉の摂取量を減らせる為、体重にお悩みの方には同じ量のハンバーグを食べても若干のダイエット効果が」

「タケオ様!毎日お願いします!」

アリスが食い気味にくる。

「ははは、いきなり大量に取っても意味はないと思いますよ。

 なので、ひき肉料理の際に少し足すぐらいが良いでしょう。

 さらにおからには脳の記憶力を高める効果があるという話もありますね。」

「毎日食べさせてください!」

スミスが言ってくる。

「ははは、まぁ先ほども言いましたが、いきなり大量に取っても意味はないので、これからの食事に少しずつ入れていきましょう。」

「「は~い」」

アリスとスミスが返事をするのだった。

と、客間の扉がノックされエルヴィス爺さんが許可を出すと執事とヴィクターとジーナ、そしてメイドが2名が入って来る。

「「「失礼します。」」」

3人は室内の面々に挨拶をする。

「伯爵様、キタミザト様。

 本日のヴィクターとジーナの研修が終わりましたので、ご挨拶に参りました。

 また、夕食後のお茶菓子にと預かってまいりました。」

とその言葉でメイドが皆の前にかりんとうを配膳する。

「うむ。

 とりあえずヴィクターとジーナの報告の前にタケオ、この菓子の説明を頼む。」

「はい。

 こちらはかりんとうと言いまして」

武雄が説明を始めるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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