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第617話 夕飯。カレーの派生レシピを考えよう。

「はぁあ!?なんじゃこれは!!!」

食堂からエルヴィス爺さんの奇声が聞こえてくる。

「お爺さま!うるさいです!」

アリスが怒っている。

「タケオ様!凄い料理を教えて貰えたのですね!」

スミスが目をキラキラさせながら武雄に言ってくる。


ここはエルヴィス邸の食堂で今は夕飯を取っているのだがメニューはカレーだった。

事前に食べている家の者達も大絶賛だった。

料理長に至っては「このレシピを教えて貰えたのは奇跡だぞ!」と歓喜の舞を披露してしまう程テンションを上げる始末。

フレデリック至っては「3日に1回でも良いですね♪」と太鼓判を押していた。

執事やメイドは「エルヴィス家に就職して良かった!」とさらに職場の満足度が上がっていた。


「ははは、カレーは美味しいですよね。

 と、料理長これはレシピ通りに?」

「あぁ、あのレシピ通りだ。

 タケオ、アリスお嬢様、味に問題はないか?」

「タケオ様、私は変わらないと思います。

 でもトンカツの時の方がもう少しとろみがありましたよね?」

「はい、私もアズパールカレーの味が出ていると思います。

 料理長達が食べた感想はどうですか?」

「美味かったな。

 武雄が欲しがる理由もわかる。

 そして調理もブイヨンベースのスープに各調味料を足していく感じで割と簡単だ。

 タケオ、これを昨日のトリカツやトンカツにかけて食べたのか?」

「正確には少し手を入れました。

 アリスお嬢様の言う通り、ジャガイモを磨り潰した物を入れてとろみを出しました。

 今よりも若干甘味ととろみが増すのですよ。」

「ふむ・・・意外と奥が深い料理なんだな。

 タケオ、これは喫茶店に出しても良い物なのか?」

「アズパールカレーはエルヴィス伯爵家およびその息のかかった店以外には出さずにレシピの公開もしないのが条件になります。

 喫茶店は息のかかった店になると思いますね。

 まぁ後は・・・そうですね~・・・

 オーク肉をミンチ状にした物をカレーと煮込みキーマカレーやエビや魚、イカを入れてシーフードカレーも良いでしょうし、ナスや野菜と炒めても良いかもしれないですね。

 さらに一緒に入れる肉も鶏、牛とかいろいろ変えられるでしょうし、トマトを多く入れてあっさりとしたカレーも良いでしょう。

 スパイスの量を減らしてスープにしても良いですし、もう少し味の調整をしてパスタに合わせる事も出来るでしょうね。

 それにもっとジャガイモを磨り潰した物を入れてかなりのとろみを付けたらサンドイッチにも出来ますよね。

 むしろパンの中に入れてしまうという手もありますし、それに」

武雄がどんどんカレー料理を話していく

「ちょ!ちょっと待てタケオ!

 早い!早い!」

料理長が慌ててメモを取り出す。

「はぁ、タケオ様は相変わらず唐突です。

 料理に対して貪欲ですね。」

言葉は悪いもののアリスは楽しそうに言う。

「ふふ。

 食べたい料理がいっぱいあるのです。

 料理長、早く作ってくださいね。」

「ちょ・・・ちょっと待てって・・・

 えーっと・・・キーマカレーにトマトカレーにシーフードカレー。

 ナスや野菜の炒め物の味として使って・・・

 だー!タケオ!レシピを書いてくれ!」

「はいはい。」

武雄がレシピを書いていく横で料理長がメガネをかけながら清書していく。


そんな2人を見ながらエルヴィス家の面々はのほほんとしている。

「タケオが帰って来て早々に新しい料理が増えていくの♪

 良い事じゃ。」

「主、今日の夕飯なんですが、ご指示の通り、計算をしてみると意外と安く収まっていました。」

フレデリックも皆と同じようにタケオを朗らかに見つめながら報告してくる。

「え??フレデリック、そうなのですか?

 これだけの料理なのですから購入費が高いと思ったのですけど。」

スミスが聞いてくる。

「いえ、スミス様。

 今日の夕飯はパンにカレーにサラダと果物なのですが・・・一番原材料で高い肉の使用量が少ないのです。

 野菜を多く使っているのでいつもの夕飯より安く収まっています。

 タケオ様からの宿題だったパン関係のピザも原材料費が安かったですね。

 トリカツは肉と卵と油を使用するのでこれは少し割高ですね。

 前に披露されていたバターは需要がないので今の所、高い印象ですね。

 生クリームは牛乳を大量に入手するのでこれは少し高いでしょうか。

 あと出汁のおかげでスープの費用が少なくなっています。

 全体的にエルヴィス家の食費は下がっている状態になっています。」

「ふむ・・・

 パン系はこれからも種類を伸ばせそうじゃの。

 生クリームやバターは牛の飼育を拡大させれば入手の価格が下がる可能性があるのじゃな?」

「はい。

 今度の課題はどれを街に教えるか(・・・・・・・・・)でしょうか。」

「悩ましいの、どれも美味しいからのぉ。

 一気に需要が高まりそうじゃ。

 うちの領内でそれらの発展を見込むなら・・・小麦と牛の放牧をしている南町かの?」

「そうですね。

 ですが、今進めている政策の養鶏場を軌道に乗せる為に鶏の卵と肉を使ったトリカツの促進も出来るのではないでしょうか。」

「そうじゃの。

 それは・・・お茶をしながら考えるかの。

 とりあえず今はカレーを堪能しようかの。」

「はい、畏まりました。」

フレデリックが頷き、エルヴィス爺さんとアリスとスミスが夕飯を再開するのだった。

料理長は武雄のカレーレシピを必死に書いているのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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