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第591話 ヴィクターとジーナの買い物。

ヴィクターとジーナはエルヴィス家の執事とメイドと一緒に雑貨屋に来ていた。


「お父さま、このぐらいで良いのでしょうか?」

ジーナがパジャマ等々を抱えていながらヴィクターに聞いてきていた。

ちなみにほとんどが無地を選んでいた。

「良いと思いますね。

 えーっと・・・本当に衣服類のみで良いのでしょうか?」

「はい、構いません。

 他の準備はちゃんと出来ています。」

ヴィクターは一緒に来たメイドに確認を取ると朗らかに笑顔を返してくる。

「私も選び終わりましたし、ジーナは他に買う物はありますか?」

「ん~・・・」

ジーナが悩む。

「私とジーナはもう1軒寄りたいので、貴方達は先に戻っていてください。

 部屋には後から行きますから。」

メイドが執事とヴィクターに言う。

「わかりました。

 ではヴィクター、先に私達は部屋に行きましょう。」

「はい。わかりました。

 ジーナ、先に行っています。

 それも一緒に会計をしておきますからね。」

「はい、お父さま。」

ヴィクターがジーナから荷物を貰い受ける。

執事とヴィクターが会計に向かう。

「じゃあジーナ、次に行きましょう♪」

「はい。」

メイドとジーナは先に店を出るのだった。

・・

「次はこのお店なのですか?」

ジーナが連れて来られた店前で呟く。その雑貨屋は武雄が以前「雑貨屋2」と言っていたお店だった。

「はい、そうです。

 私達メイドは制服は皆同じですが、個々でお洒落を楽しんでいます。」

「そうなのですか?」

ジーナは「皆制服が一緒ならお洒落をする箇所はないと思うんだけどなぁ」と思っていたりする。

「ふふ。

 制服は確かに同一なのですけどね。

 私達も女性ですから髪飾りを毎日変えて気分を変えているのですよ。」

「なるほど・・・全然気が付きませんでした。」

「確かに毎日見ていないとわからないかもしれませんけどね。

 それにエルヴィス家のメイドはあまり派手な物はいけませんが、いろんな柄と色を持っていますよ。

 毎日付け替えているのです。

 ですが、他の人が同じ物をしていた場合、部下の方が変えるという風習があります。

 ジーナの場合は今は他の全てのメイドですね。

 なので数個持ち歩いて先輩達がしていない物を着けるようにしないといけません。」

「なるほど、わかりました。

 この店はそういった物があるのですか?」

「ええ、良い素材で可愛らしい物が多いのです。

 まぁその分値段は少し高めですけどもね。

 ですが、エルヴィス家のメイドが安い物を付けているというのも見る人が見たらわかってしまいますから、外聞的に最低限の品質は守らないといけません。」

「難しいのですね。」

「当分はこの店で買っておけば問題はありませんよ。

 仕事や街に慣れ始めたら他の店も見て回り良い物を選べるようにしないといけないかもしれないですけどね。」

女性(メイド)も大変なのですね。」

ジーナが感心するのだった。

「さ、とりあえず2、3個買いましょう。

 当分はそれで凌いで徐々に買い足せば良いですからね。」

「はい、わかりました。」

メイドが楽しそうにジーナはやる気を出して店内に入るのだった。


------------------------

執事とヴィクターがジーナ達よりも一足先に割り当てられた部屋に到着していた。

玄関を入ってヴィクターが一言。

「割と広いのですが?」

ヴィクターがそう呟く。

「ええ、確かに他の物件より若干広い物を選びましたが・・・

 小部屋が2つにリビングが1つですから親子2名ならこのぐらいではないでしょうか。

 それに立地も伯爵邸の目の前の部屋で良いですし。」

「ですが・・・その・・・主から給金は金貨5枚(・・・・)と言われていますが・・・

 足りるのでしょうか。」

「それはキタミザト様にお伝えしており、ヴィクター達からは月々銀貨3枚を給料から差し引く事になっています。」

「・・・この部屋でその値段なのですか?」

ヴィクターは「安すぎませんか?」という顔をする。

「キタミザト様にお伝えした所、『ヴィクター達には3割負担で』と言われております。

 ですので、残りの銀貨7枚はキタミザト様の毎月王都からの給金からお支払いする運びに決まっています。」

「本人が3割負担なのですか?

 普通は全額負担かと思うのですが。」

「ええ。今回私共もそうお伝えしましたがキタミザト様は『うちの使用人なのだから福利厚生の一環です』と押し切られました。

 ヴィクター達は良い主人に仕えていると思います。」

執事は朗らかに言う。

「主が心優しいのはわかるのですが・・・他の皆さまはどうしているのでしょうか?」

「私共は全額自己負担です。

 それと午後から庁舎にて講義が始まりますが、その際に執事とメイドの勤務体系もご説明する運びになります。

 少し他の部署と違いますので間違わないでください。」

「はい、わかりました。」

ヴィクターがそう返事をした所で。

「ただいま戻りました。」

メイドとジーナが戻って来るのだった。

そして室内を見たジーナが一言。

「想像していたよりもかなり広いんですが・・・なぜでしょう?」

ヴィクターはその一言で「やっぱり親子なんだなぁ」と思うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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