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第588話 小銃改シリーズとテイラーの発想。

「キタミザト殿、2人の用具は選び終えました。」

ブルックが武雄に言ってくる。

「はい、ご苦労様です。

 こっちの用件はこのぐらいですか?」

「はい。」

アーキン達が返事をして空いている席に座る。

「ではこちらからですが。

 キタミザト様。

 王都から品物が届きましたけど・・・剣を4本買ったのですか?」

テイラーが武雄に言ってくる。

「はい、買いましたね。

 テイラー店長に紹介された問屋さんで買いましたよ。」

「あのオヤジが小売りをしたのですか?」

テイラーは「あれ?」と首を傾げる。

「ええ、特別に売ってくれましたよ。

 それに何か欲しかったらテイラー店長経由で買うと言っていますのでその内この店に武具のリストが来るはずなんですが・・・」

「剣に同封されていましたよ。

 そうですか、私用だと思っていましたが・・・あのオヤジ・・・」

テイラーは「こっちにも渡せよ」と心の中で毒づくのだった。

「剣4本と冊子ですか。

 テイラー店長、暇な時に持って来て下さい。」

「わかりました。

 あ、ちなみにあの剣もステノ工房だったのですね。」

「ええ。

 鈴音が作ったらしいですよ。」

「え!?」

テイラーが鈴音を見る。

「私一人ではなくて工房の皆で作りました。」

「そうですか・・・この魔法刻印もスズネさんが?」

「はい。

 意匠職人のボイドさんに教わったりしながら。」

「ボイド?」

「今回連れてきた3つの内の1つの工房の親父さんです。」

「そうですか・・・

 あのキタミザト様、スズネさん、この魔法刻印を教えて貰えませんか?」

「え?」

スズネが驚く。

この店は工房ではなく魔法具の商店なのだ。魔法刻印をするのではなくされた物を売る(・・・・・・・)のが本来の姿なのにテイラーの提案はスズネの予想外の発言だった。

「私としては良い考えだとは思うのですけどね?

 小銃もステノ工房ではなくて今回連れてきた3工房の合作ですからいろんな考えに触れられるでしょう。

 ただ、今は引っ越してきたばかりですし、やる事も多いでしょうから・・・あまり通い詰めても迷惑になるのではないですか?」

「あ、そうですね。

 スズネさん、そのボイドさんにお伺いして貰っても良いですか?

 1週間に1度でも良いので師事させてほしいと。」

「あ・・・わかりました。

 聞いてみます。」

鈴音が返事をするのだった。


「そうそう、テイラー店長に見て貰いたいのですけど。」

と武雄は小銃改1をカウンターに置く。

「何だか変な物が付いていますね。

 これはなんでしょうか?」

テイラーがスコープを見てウズウズしだす。

「スコープと言います。この小銃専用の照準器です。

 簡単に言うと狙った先の対象の大きさを何倍にも拡大して見せる物ですね。」

「見ても構いませんか?」

「ええ。」

武雄が頷くとテイラーが外に向かって小銃を構えてスコープを覗き込む。

「ほぉ。」

テイラーが感嘆のため息も漏らす。

「これの生産も連れてきた工房に頼んでいます。」

「カトランダ帝国に行った際に手に入れたので?」

「はい。ウィリプ連合国の人と会いましてね。

 快くくれました。」

と武雄が笑顔でテイラーに答えているがアーキンとブルックは「いや、あれは貰えるように仕向けましたよね?」と思い若干ジト目で武雄を見ている。

「・・・ウィリプ連合国ですか・・・

 随分と向こうも考えているのですね。」

「余念がないのでしょう。」

「そうですね。

 それとキタミザト様に頼まれていた小銃改3ですが、最終調整後にお渡し出来ます。」

「そうですか。

 狙い通り出来ていそうですか?」

「理論上はですね。

 弾丸の生成に細工をして当たった際の爆発は3倍に、発射の際は連続爆発にしたので1.5倍の威力が出ているはずです・・・たぶん。」

「高威力ですね。」

「ええ。威力は増しましたが、新たに小銃の保護に全体の強化や衝撃を抑える為にシールドを組み込んだので・・・使用する魔力量は150から300程度にまで上がっています。」

「そうですか。

 問題はないでしょうし、後は試射をして確認します。」

「はい、お願いします。」

「「・・・」」

アーキンとブルックはもう武雄の仕様に呆れるしかなかった。

さきほどの魔力量の測定で武雄の魔力量を見ているから尚更驚きと呆れが凄まじかった。

「あと連射の方法を考えたのですが・・・」

「何か思い付きましたか?」

「連射ですか?」

武雄と鈴音が興味を示す。

「その、間違っていたら諦めるのですが・・・

 弾丸を他の箱にでも入れて横から薬莢だけを差し込み1発撃つごとに横に移動出来たら5発までなら連射が出来るのではないのかな?と考えて。

 最悪、箱に拘らなくても弾丸だけでも横に移動が出来たらと思ったんですが、そこで行き詰まっているんです。

 どうやって弾丸を横に移動させるのか(・・・・・・・・・)。」

「「・・・」」

テイラーの話を聞いていた武雄と鈴音が驚愕の表情をさせていた。

「あ・・・あれ?この考えは違いましたか?」

テイラーが武雄達の反応が凄いので戸惑う。

「鈴音・・・この考えは・・・拳銃ですよね?」

「はい・・・拳銃ですね・・・」

武雄の問いかけに鈴音がゆっくりと考えながら頷く。

「「拳銃?」」

アリス達が聞き返してくる。

「武雄さん、天才っているんですね。」

「こういう天才が世の中を変えるんですよ。

 怖いものですね。」

武雄と鈴音が真顔で頷きあう。

「で、タケオ様、拳銃とはなんですか!?」

置いてけぼりのアリスが再度聞いてくる。

「そうですね・・・話しておいた方が良いでしょうかね・・・

 では私の知る事を話しますか。」

説明が始まるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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