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第581話 制服は派手派?地味派?

「採用♪」

「「早っ!」」

武雄の即決にアーキンとブルックが驚く。

職人が持ってきたのは、武雄が王都で書いた物を再現した英国型の軍服と緑地の作業服だった。

そして一目見て武雄が採用を決めていた。


「いやいや!キタミザト殿!?

 即決過ぎます!最低でも着てください!」

ブルックが言ってくるが。

「・・・じゃあ着れば決めて良いのですか?」

武雄は苦笑しながら言ってくる。

「え!?・・・とりあえず待ってください!」

ブルックは軽く考えるがやはり止める。

「はい、わかりました。

 ブルックさんが慌てて止めたので試験小隊への(・・・・・・)採用はとりあえず保留とします。」

「あ・・・ありがとうございます。」

「アーキンさん、制服は所長が決めてはダメなのですか?」

「いえ、決めて下さって良いのですが、発足なのですから所属人員には意見を聞いても良いのではないでしょうか?」

アーキンが意見を述べる。

「なるほど・・・ブルックさん、何が引っかかるのですか?」

「地味です。全体が・・・」

「地味だと何が問題なのですか?

 試験小隊の任務は平時は武器の試験と戦術の考察、非常時は偵察とアンダーセンさんが言った通りです。

 前線で武勇を見せつける必要もありませんし、偵察任務で目立つ事をする気もありません。

 それに大事な部下が命をかけて偵察任務に向かうというなら上司である私は出来る限りの不安要素を排除しないといけません。

 極力敵に見つからない服装を用意するのは当然だと思うのですが。」

「くっ・・・正論です。

 ですが、派手な軍装は兵士としての名誉です。

 特に王都守備隊の赤のフルプレートは武勇の誉なんです!

 土や草の色の軍装は・・・その・・・嫌です。」

ブルックがそう答える。

「ん~・・・」

武雄が考え出す。

「タケオ様。

 確か王都でもアンダーセンさんやその部下の方も難色を示していたではないですか。」

「ええ、そうですね。

 そんなに嫌なんですかね・・・」

「今までよりも地味になりますからね。

 ここに居る皆が否定すると思いますよ?」

「皆さんが?」

武雄がアリスに目線を送る。

「はい。

 アーキンさんとブルックさんは難色ですし。

 スズネさんもでしょう?」

「え?私は武雄さんの言う通りだと思います。

 戦闘時に目立つなんて自殺行為だと思いますが?」

「え?」

「アニータとミルコはどう思いますか?」

アリスが固まっているので武雄がアニータとミルコに聞く。

「森に潜んだり、草原に潜むには同じ色にするのは当たり前だと思うんですけど。」

「僕もそう思います。」

「ええ?」

「アリスお嬢様、半数以上が地味でも良いと言っていますが・・・」

「しゅ・・・種族の違いかと!

 あ・・・タケオ様とスズネさんがいたか・・・生活の違いですか??」

アリスが悩みだす。

「まぁ、アーキンさんとブルックさんが嫌がるなら他の面々も嫌がるでしょうね・・・

 とりあえず試験小隊の制服は保留のままで。」

「そうですか・・・」

職人が残念そうに言う。

「じゃあ、試着してきますかね。」

「「「え!?」」」

武雄の言葉に全員が驚く。

「タ・・・タケオ様?採用は保留なのでは?」

「ええ、試験小隊の制服としては・・・でも個人的に着るのは構わないでしょう?

 なので、試着してきます。」

「は・・・はい!

 奥にどうぞ!」

武雄と職人2名が奥に行く。


「スズネさん・・・あの服装は本当にタケオ様が居た所では軍服だったのですか?」

「はい、アリスさん。

 昔の・・・剣同士の戦いでは真っ赤な甲冑で揃えたり、奇抜な鎧で目立ったそうですけど。

 私や武雄さんが居た所では兵隊さんは大体あのような服装ですし、戦闘服と言えばあの緑色の作業服をさらに迷彩色で彩った物だったはずです。」

「「「迷彩色?」」」

アリスとアーキンとブルックが聞き返してくる。

「なんて言えば良いんでしょうか・・・森の中でさらにわかりづらくする配色があって緑や茶色も散りばめているんです。」

「「「???」」」

3人とも頭を傾げるのだった。


「はい、着ましたよ。

 どうでしょうか?」

武雄が奥から戻って来る。

帽子がないがカーキ色の上下、下はスラックスで上がジャケットだった。

もちろん肩にはボタン留めのショルダーストラップを用意

そしてカーキ色が少し濃い目のYシャツと濃茶のネクタイ(正確にはネクタイっぽい物)をしていた。

海軍の艦内制服にも似ていた。

「「「・・・」」」

アリス達3名がじーっと見つめる。

「武雄さん、私もそれが欲しいです。」

「ん?鈴音、どうしましたか?」

「いえ、制服はあると便利じゃないですか。

 なので私用にも作って欲しいのですけど・・・ダメでしょうか?」

「ダメではないですよ。

 じゃあ、スカート型も作らないといけませんね。

 ひざ上ぐらいでしょうか?」

「はい。」

「じゃあ、採寸が必要でしょう。

 もう1着を試着した後に採寸してください。」

「わかりました。」

「じゃあ、着替えて来ますかね。」

武雄は再び奥へと行ってしまう。


「ん~・・・」

「アリス殿、どう思いますか?」

ブルックが武雄の姿を見て悩んでいるアリスに声をかけてくる。

「言うほど悪くはなさそうですね。

 見た目はスッキリとしていましたし・・・

 ブルックさんは?」

「強固に否定する気は無くなってはいますが・・・」

「武雄さん、帽子はどうするんだろう?」

「「帽子?」」

鈴音の呟きにアリスとブルックが顔を向ける

「はい。ああいう制服には帽子が付くと思うのですが、武雄さんはどう考えているのか・・・」

女性陣がさっきの制服で話し合っている横でアーキンが「別に俺は嫌がってはいないんだけどなぁ」と思っていたりするのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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