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第578話 工房へ挨拶とアーキン達の朝の散策。

武雄とブラッドリーと鈴音は店先の机に陣取って話をしていた。

途中、サリタ達他の面々が通りかかって挨拶をしていたが、笑顔が溢れていたので武雄はとりあえず安心していた。


「ふむ、家賃が安いと。」

「はい、総石造りの3階建ての建物です。

 最低でも月金貨10枚はいくと思っていたのですが・・・金貨5枚と昨日言われました。」

「今のこの工房では事業は始めていませんから金貨5枚も結構厳しいのではないですか?」

「ええ。ですが当面は立ち退き費用を当てますので問題はないかと。

 少なくとも懐中時計の月産20個が達成できればこの工房の存続は出来ますので。」

「なるほど。

 ですが、あくまで最低条件ですね。」

「はい。今年度中には月産50個までにはしたい意向はあります。」

「努力目標としては良いでしょう。

 それに・・・注文も来そうですからね。」

「キタミザト様はどのくらい来ると思いますか?」

「そうですね・・・

 エルヴィス家に所属する文官、武官は約1700名です。

 文官の半分と兵士の2割として・・・500個ですかね?」

「我々が持ちませんね・・・」

ブラッドリーがガックリとくる。

「それと王都で各皇子達にも渡しましたし、文官のトップと貴族のトップにも渡しましたからその辺からも来そうですよね。」

「来年には月産100個くらいは出来る体制を取らないとマズいかもしれませんね。」

武雄は笑って説明する。

「・・・それとキタミザト様からの試作品を作る事もするのですよね?」

「ええ。

 それと小銃とスコープと弾丸もですね。」

「・・・」

ブラッドリーがさらにガックリとする。

「まぁ、早急に作って品質が悪い物を納入されても困ります。

 まずは確実に20個出来るように仕込んでください。

 たぶん各工程の確認箇所は明記しているはずですが。」

「はい、我々が作る時に使っていた物があります。」

「ならそれをさらに細分化してください。」

「細分化ですか?」

「ええ。貴方達(・・・)は懐中時計を知っている状態から組み立てています。

 ですが、これから教える面々は知らない状態から作るのです。

 どこを気を付けて、何をしてはいけないのか。

 ちゃんと細かく確認をさせる必要があるでしょう。」

「なるほど、確かにその通りです。

 あ、それとこの街の工房との話し合いの場なのですが、いつ頃始められますでしょうか。」

「私としてはいつでも構いませんが、ブラッドリーさんはいつが良いですか?」

「最低でも2日頂きたいので・・・明後日には出来るかと。」

「わかりました。

 それはこちらで調整して決まったらお知らせします。」

「はい、お願いします。」

ブラッドリーが礼をしてくる。

「それと今日はどうするのですか?」

「午前中に昨日来ていただいた執事の方と整備局の方が来てこの建物を確認するそうです。

 それで何か金貨5枚となるような不備があるのか確認するそうです。

 そして午後からその方達を交えて再度、家賃交渉をすると言われています。」

「わかりました。

 契約の中身には私は立ち会いませんので、頑張ってください。」

「はい、わかりました。」

「それと後で鈴音を借りて良いでしょうか?」

「スズネはもうキタミザト様の部下なので私の許可は必要ないかと。」

ブラッドリーが苦笑する。

「そうでしたね。 

 鈴音、今日は私が贔屓にしている店に挨拶に行くのですが、魔法具商店にも行きます。

 すみませんが、一緒に来てください。」

「魔法具商店ですか?」

「ええ、私の小銃の改造をしてくれている人に会うのです。」

「あ、わかりました。

 何時ごろですか?」

鈴音が懐中時計を見る。

「朝食後に動きますから・・・9時頃に伯爵邸の門前に居てください。」

「はい、わかりました。

 テトちゃんも一緒で良いですか?」

「ええ、構いませんよ。」

武雄は朗らかに言うのだった。

「では私はこれにて。ブラッドリーさん、後はよろしく。

 鈴音、またあとで。」

「「はい。」」

武雄達は席を立ち退出していくのだった。


------------------------

武雄とミアはのんびりと屋敷への帰路を歩いていると。

「キタミザト殿、おはようございます。」

「「「おはようございます。」」」

アーキンとブルック、アニータとミルコに遭遇する。

「はい、おはよう。

 皆さん、どうしたのですか?」

「朝の散策です。

 とりあえず今後の活動の場になる裏の城門周りを見て来ようと思いまして。

 朝食前の運動です。」

「そうでしたか。

 今日はどうするのですか?」

「昨日はとりあえず数日分の衣料品は買いましたので今日は物件を見て行こうかと。

 それとキタミザト殿、お勧めの魔法具商店はありますでしょうか?」

アーキンが聞いてくる。

「ん?何か買いますか?」

「いえ、アニータとミルコの系統を見に行ってみようかと思いまして。」

「なるほど。

 丁度、朝食の後に仕立て屋と魔法具商店に行くのですが、一緒に来ますか?

 鈴音も一緒ですけど。」

「ご一緒して構わないなら私達も合流します。」

「ええ、問題ないですよ。

 この街に居る研究所の人員で動くみたいなものですし。」

「確かにスズネ殿も一緒ならそうですね。」

ブルックが苦笑してくる。

「鈴音とは9時頃に伯爵邸の門前に集合としています。」

「では我々もその時間に合わせて行かせていただきます。」

アーキンが言ってくる。

「はい、わかりました。

 アニータ、ミルコ、大丈夫ですか?」

「問題ありません♪」

「ご飯も美味しかったし、ベッドも良かったです。」

2人とも問題無いようだった。

「わかりました。

 ではまた後程。」

「「「「はい。」」」」

武雄はアーキン達と別れて再度、歩き出すのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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