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第575話 アリス達のお茶会。(チビッ子達の意思伝達方法。スミスとジーナ。)

「皆、真面目にやらないとご飯を貰えませんよ!?」

「きゅ!」

「ニャ!」

「チュン!」

ミアの前にチビッ子達が整列して説教をされていた。


「はぁ、癒されるなぁ。」

「「ですね~。」」

アリス達はそんなチビッ子を見ながらお茶をしている。

最初の発端は「私とテトが居ない時の意思疏通はどうするか?」というミアからの疑問で最低限の意思疏通はしないといけないとなり、今はチビッ子達が意思疏通の為のパントマイムを覚えていた。


「じゃあ、最初からいきますよ。

 挨拶!わかった!問題なし!」

「きゅ!」

「ニャ!」

「チュン!」

チビッ子達が一斉に右手を上げる。


「お腹が空いた!」

「きゅ!」

「ニャ!」

「チュン!」

チビッ子達が一斉に右手をお腹に当てる。


「怪我をした!体調不良!助けて~!」

「きゅ!」

「ニャ!」

「チュン!」

チビッ子達が一斉に両手をお腹に当てる。


「魔物が来た!」

「きゅ!」

「ニャ!」

「チュン!」

チビッ子達が一斉に左手を上げる。


「敵が来た!害意がある!」

「きゅ!きゅ!」

「ニャ!ニャ!」

「チュン!チュン!」

チビッ子達が一斉に両手を上げてクルクル回る。


「誰か来た!」

「きゅ!きゅ!」

「ニャ!ニャ!」

「チュン!チュン!」

チビッ子達が一斉に両手を下げてクルクル回る。


「ごめんなさい!」

「きゅ~。」

「ニャ~。」

「チュン~。」

チビッ子達が腹這いになって両手を前に出している。


「はぁ。可愛いなぁ~。」

アリスはチビッ子達の仕草で癒されている。

「お姉様、とりあえずこれで意思疎通はできますかね?」

「たぶんね。

 ジーナちゃんはどう思う?」

「そうですね・・・特にはないかと。」

ジーナは微妙な顔をさせながら答える。

「・・・ジーナちゃん、別に遠慮する必要はないわよ?」

「いえ!本当にミア殿達にはないんです。

 ただ。」

「ただ?」

「いえ、どこまでミア殿達のポーズを教えるのか気になって。」

「武官、文官全員よ。」

アリスは「当たり前ですね。」と思い普通に返しているが。

「えーっと・・・全員ですか?」

ジーナにしてみれば幹部のみに教えれば良いと思っていた。

「ミアちゃんやクゥちゃん、タマちゃんにスーちゃん・・・

 私的には皆を部屋の中に閉じ込めて置く気はありません。

 タケオ様も万が一の際の避難方法はこの子達に教えているし、勝手に対処しないように言っているでしょう?」

「それは・・・似たような事は私も言われていますが・・・」

「つまりは皆自由にして良いのですよ。

 皆がいろんなものを見て考えて欲しいです。

 何か問題が発生すれば私達で対処しますが・・・不埒者が現れたら皆で対応する為に文官、武官全員が最低限の意思疎通方法を知っておくべきだと思います。

 それに皆が悪さをしたら私達が怒られる仕組みです。

 悪さをしたら本気で怒ります。私もタケオ様も、私達はもう家族なんですからね?」

「あ・・・ありがとうございます。」

ジーナは少し感動しながら頭を下げる。

「で、スミス、寄宿舎どうするの?」

「ん~・・・お付ですか。」

スミスはちらっとジーナを見るとジーナと目が合い顔を少し赤らめる。

「あら?スミス、ジーナちゃんが気になる?」

アリスはワクワクしながら聞いてくる。

「「な!?」」

スミスとジーナが固まる。

「スミス、会って1日では早いわよ~?」

「な!?出会って4日で婚約したお姉様に言われる事ではないですよ!?」

「う・・・それは・・・まぁそうね。

 でもなぁ・・・女の子に免疫を付けるにはジーナちゃんが横に居るのもありかもね。

 それにスミスではジーナちゃんには敵わなそうだし。」

「え?そうなのですか?

 こう・・・言葉は変かもしれませんが、見た目は貴族のご令嬢でか弱そうですよ?」

「ス・・・スミス様!?」

スミスの褒め言葉にジーナが慌てる。

「そうでしょう?見た目はか弱いのよ。

 でも実際はこの状態(・・・・)でオーガと戦えるぐらいの武力の持ち主よ。」

「え!?」

スミスはジーナをマジマジと見る。

「うぅ、でもお父さまと一緒でしたし。」

「・・・あれ?そうだったっけ?

 でも少なくともアニータとミルコの時にオークは難なく倒していたよね?」

「まぁ・・・家畜に遅れは取らないです。」

「オークを家畜呼ばわりですか。」

スミスは苦笑する。

「そこはヴィクターもジーナちゃんも種族的な物だしね。

 それにオークは私達も食べるから半家畜みたいなものだけどね。」

「人間はオークを家畜として育てられないですよ。

 冒険者に頼んで討伐して貰って肉の買取をするぐらいが限度です。」

「まぁ・・・そうね。

 スミス、それにしてもジーナちゃんは凄かったわよ。

 走り込んできてあっという間にオークを倒していくのよ。」

「それはアリス様も。」

「あぁ、ジーナさん、お姉様は別扱いで良いのですよ?

 あれを人間が皆出来ると思われると大変ですから。」

「スミス様、『さん』付けはいらないです。」

「スミス、私には辛口だわ・・・

 ジーナちゃん、今日ぐらいは付けても良いんじゃない?

 明日からちゃんと呼べば良い事ですし。」

「その辺はしっかりとしますよ。

 ジーナさん、本当にうちに来てくれてありがとう。」

スミスは頭を下げる。

「えぇ!?どうしてスミス様が??

 それにご主人様付きですし・・・」

「だってタケオ様の面倒を見てくれるのでしょう?

 それだけでも来てくれた価値はありますよ。」

「あ、何だか少し会わない内にスミスが毒舌になっている・・・」

アリスが寂しそうな顔をさせる。

「僕だってそれなりに日々考えてはいるんですよ?

 それにタケオ様の行動力を考えれば貴族云々は関係なく誰か付けないといけない事でしょう?」

「ん~・・・それが私でしょう?」

「それは本当に面倒をみる(・・・・・)のはそうですが・・・タケオ様専用の文官を用意した方が良いのではないかとお姉様達が出立してから考えていたんですよ。

 話の相談にはお爺さまもフレデリックもいますけど、実際に文官達との話合いをする者が必要かな?と。」

「おぉ、スミスも考えているわね。

 それはお爺さま達には言ったの?」

「いえ、言っていません。

 お姉様が帰って来てから言ってみようかと思っていたので。」

「そう、じゃあ後で言ってみようか?

 お爺さまもタケオ様も喜ぶわよ♪」

アリスがスミスの成長に嬉しそうに言う。


「ア・・・アリス様、主の所に行くのですか?」

ミアがチビッ子達とアリスの元に来て聞いてくる。

チビッ子達全員が肩で息をしていた。アリス達の話合いの裏でもう4回は繰り返ししていた。

「そうね、そろそろ行こうかなぁ。

 皆、お疲れ様。」

「はい。」

「きゅ・・・」

「ニャ・・・」

「ちゅん・・・」

アリスの労いにチビッ子達が弱々しく右手を上げる。

「じゃあ皆でお爺さまの執務室に行きますか。

 で、ジーナちゃんとヴィクターは就寝して貰いましょう。」

「「「はい。」」」

アリス達は席を立ち移動を始めるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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