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第568話 エルヴィス家の報告会5。(武雄の契約関係とお漬物。)

「あとは・・・少し話が変わるがタケオ関係の契約じゃの。」

「はい。」

フレデリックが頷く。

「ウォルトウィスキーについては・・・フレデリックあるか?」

「はい、こちらになります。」

フレデリックが武雄の前に書面を置く。

武雄は書面の内容を読んでいく。

「・・・ん?ローさんの売り上げから1割、ワイナリーの売り上げから1.5割?

 私の受取額が多くなっています。」

武雄が首を傾げる。

「その所はわしもローに聞いたの。

 なんでもワイナリーが好条件過ぎるので少し変えたそうじゃ。

 それと兵士達が寄る酒場と歓楽街を中心に試飲用のウォルトウィスキーを提供し始めるそうじゃ。」

「そうですか。

 水割りですね。」

「うむ、商品単価を下げ、売り上げを伸ばす商品として売り込むとの事だったの。

 それに裏稼業の2家からは酒屋や酒屋組合、エルヴィス家に迷惑はかけないようにする旨の確約を取ったそうじゃ。」

「わかりました。

 何かあれば文句を言いに行って良いのですね。」

「ん?何か違う気がするが・・・まぁ良いかの。」

「タケオ様、ワイナリーの方なのですが、融資に同意した旨の報告が上がっています。」

「・・・足りますか?」

武雄が真面目な顔を向けてフレデリックに言ってくる。

「はい、問題はないかと。

 ただ、金額的に今年はこの1件になるかもしれません。」

「んー・・・」

武雄が腕を組んで悩む。

「タケオ、どうしたのかの?」

「いえ、ウスターソースの方はどうしようかと思ってですね。

 このウスターソースを開発した所との契約で魔王国に面した4領地(・・・)での販売のみをする予定ではあるのですが・・・

 それでも大量に作らないといけないと思うので青果屋の大将の所に資金力があるか・・・」

「そうじゃの・・・ローやラルフとは違うからの・・・」

エルヴィス爺さんも難しい顔をさせる。

「タケオ様、とりあえずベッドフォード様に実施する旨を聞いて来てはいかがでしょうか。」

フレデリックが代案を出してくる。

「そうですね。

 はい、そうします。」

武雄が頷くのだった。


「トレンチコートについてはタケオにも報告を上げたの。」

「はい、読ませていただきました。

 街南に決まったのは順当と取って良いのかと考えています。」

「うむ。エルヴィス家(我ら)に続き、王都とウィリアム殿下、そして先日フレッドの所も採用が決まったそうじゃ。」

「続々決まりますね。」

「うむ、相当大変なようじゃぞ?

 毎日ラルフや店員達が走り回っていると聞いているの。」

エルヴィス爺さんが楽しそうに言う。

「過労で倒れなければ良いですね。」

武雄は苦笑を返す。

「タケオ様、街北に工房を配置してさらに試験小隊の面々(・・・・・・・)も住んでもらうのですよね?」

スミスが聞いてくる。

「ええ。

 ブラッドリーさん達を警護する意味も持たせていますが、気休めでしかありません。

 それに庁舎街に部屋が用意できても生活できないでしょうからね。

 今回の引っ越しで皆が近い所にいれば良いのではと思っただけです。

 スミス坊ちゃんはどう思いますか?」

「僕ですか?

 街北の発展を考えれば工房も住人も増えるのは良い事なのですが、移住者が街北に集まってしまうと今居る住民と対立してしまうのではないかと思います。」

「ふむ・・・既存者と新規者の対立というわけじゃの?

 わし的には今回の件はそこまで気にかける物ではないかと思うの。」

「そうなのですか?」

「うむ。工房が8名、研究所関係で家族を含めて30名程度じゃろう。

 数百名単位ならいざこざになるかも知れぬが、40名程度で既存の住民と対立はせんと思うの。

 まぁ、常日頃固まられるとあるかもしれんからタケオは試験小隊の家族にその辺も気にかけてくれるように言ってくれるかの?」

「わかりました。

 来年王都に行った際に皆に伝えておきます。」

武雄が頷く。


「こちら側の報告は他にはないかの?」

「そうですね。

 各村の養鶏場や特産品祭りも問題なく進行中です。」

「あ、西町に寄った際に西町局長と北町局長に会いました。」

「うむ、2人して何をしておったかの?」

「特産品の打ち合わせをしていましたので話を聞いてきました。」

「ふむ、まだ各町からは何を出すかは来ていないの。」

「新年の会議の時に発表ですね。

 タケオ様、何か言っていましたか?」

「そうですね。

 西町と北町が野菜の塩漬け、南町が新種のパスタ、東町が川魚だそうです。」

「ふむ、西町と北町が被るの。

 それに野菜の塩漬けは美味しいのかの?」

「私は結構好きですね。

 あっさりしていたのでおやつにも食事にも合いそうでした。」

アリスが答える。

「ん?アリスもタケオも食べたのかの?」

「はい、数種類食べました。

 西町局長は数十種類出来てしまって選ぶのが大変だと言っていましたね。

 それと特産品祭りにタケオ様も参加する方向になりました。」

「・・・タケオが出たら各町が不満を言うのではないかの?」

エルヴィス爺さんはため息をつく。

「いや、出店数が少ないなぁと思ったので簡単な物を出そうかと・・・私はジャガイモで参戦しますよ。」

「ジャガイモのぉ・・・美味しく出来るかの?」

「フライドポテトを作る予定です。」

「タケオが考えたにしては普通じゃの・・・」

「お手軽に作れる物ですし、安く提供出来ますからね。

 それに塩味だけでは飽きるでしょうからマヨネーズとトマトソースを混ぜた物を上からかけますかね。」

「ソースが絶品ときたな・・・

 タケオ、うちから出すなら試食を要求する!」

エルヴィス爺さんは目をきらめかせながら言う。

「料理長を借りれるなら・・・」

「いくらでも使って構わぬ!」

「わかりました。

 まぁ近々に作ります。」

「うむ♪」

エルヴィス爺さんが満面の笑顔を向けるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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