第550話 45日目 武雄達の話し合い。(変な物を買う武雄2とアリスに使役物。)
アリス達はマジマジと武雄が出したルビーのペンダントを見ている。
「タケオ、これは炎の拡張ペンダントですかね?
装着した者の炎との順応性を上げると思いますけど。」
「アリスお嬢様にあげても平気ですか?」
「むしろアリスが着けるのが良いでしょう。
アリス、これを着けて貴女の剣を持ってきてください。」
「え?・・・はぁ。」
アリスはテトに言われた通りにペンダントを着けて剣を取ってくる。
「アリス、鞘から少しだけ剣を抜いてください。
刀身が見えるだけで構いません。」
「はいはい。」
アリスが剣を鞘から抜くと刀身が赤くなっている。
「ふむ・・・やはり・・・
あのかび臭い部屋で感じたのは、これでしたか。」
武雄は「いや、テトさん?王城の宝物庫をカビ部屋呼ばわりですか?」と苦笑する。
テトはアリスの剣の刀身に近づき2回ノックする。
とアリスの剣が点滅を2回する。
「・・・こら、スー助、いつまで出て来ない気?」
テトがそう言いながら軽く手を触れると眩い光が一瞬部屋を覆う。
「な!何事ですか!?」
「きゅ!?」
「ニャ!?」
チビッ子達が飛び起きてくる。
「ん?ミア、同輩です。」
テトが普通に返答をする。
「チュン。」
いつの間にかアリスの肩に真っ赤なインコが乗っていた。
「な!?」
ミアが言葉を無くす。
「・・・えーっと、テト、これは?」
武雄が「増えたよ!」と内心驚きながらテトに聞く。
「スー助、確か貴方、有名なのよね?」
「チュン?チュン。」
「え・・・朱雀?・・・て何ですか?」
ミアが疑問形で答えるとインコがガックリとする。
「朱雀かぁ・・・」
武雄が明後日の方向を向く。
「ん?タケオは日本人でしたから知っていますか?」
「地方都市の方角の守り神でしたかね?」
武雄は目線をテトに向ける。
「まぁそうですね。
それにしてもスー助。貴方なんでそんな剣に付与されているの?」
テトが呆れながらスー助と呼ばれているインコに問いかける。
「チュン?チュン。」
「きゅ?」
「・・・チュン!チュン・・・」
「レッドドラゴンと戦って返り討ちって・・・貴方一応神獣でしょう?」
テトが呆れる。
「チュチュン。」
「いや、到達すると同時に使用者が死んだって・・・この剣は遺品なのですか?」
ミアがツッコミをする。
「チュン。」
インコが頷く。
「えーっと・・・ミアちゃん、この剣はレッドドラゴン・・・クゥちゃんの姉ドラゴンと戦った人が使っていた剣なの?」
「ええ、そうらしいですね。
で、巡り巡ってアリス様の元に来たそうですが・・・
スー助曰く、こっちの話も聞かないで勝手にドラゴンに戦いを挑んで勝手に玉砕したそうです。」
「ちなみに剣と意思疎通が出来たの?」
「チュン?」
「いや、スー助、貴方、使用者と話もしないで良くこっちの話も聞かないでとか言えますね。」
テトが呆れる。
「チュン!」
「いや、それは同情するけど。
じゃあ、ドワーフがその剣に付与した時から意思疎通が出来ない仕様だったの?」
「チュン・・・チチチッ」
インコは若干目線を落として悲し気な雰囲気を出す。
「・・・え?その姉ドラゴンと対峙した時しか外に出ていないのですか?
今まで剣の中で?」
ミアが驚く。
「・・・チュン。」
「順応力が足りないって・・・今だってアリスの順応性をさらに高める宝石を着けて、なおかつ私が呼び出してやっとよ?
ドワーフはどれだけ高く設定したのよ。」
「チュン?・・・チュン!」
「一度呼び出されればもう平気って・・・どういう事ですか?」
ミアが訝しがる。
「あぁ・・・認識の固定化かぁ・・・でもそれだとスー助が炎になって飛び掛かれないんじゃないの?」
「チュン!」
インコは勢い良く頷く。
「へぇ・・・まぁ神獣ならその程度して貰わないとね。
で、どうするのスー助。アリスに使って貰えるの?
アリスが拒否すれば貴方また剣の中よ?」
「チュン!?」
インコはアリスの方を向いて悲壮感漂う顔を向ける。
「あ・・・あのタケオ様どうすれば良いのでしょう?」
アリスがどうすれば良いか武雄に聞いてくる。
「さぁ?
ミアの時は拾ってきましたし、クゥはそもそも旅仲間ですし、タマはミアの部下ですし・・・
アリスお嬢様の好きにして良いのでは?」
「そ・・・そうですか・・・生き物は飼った事ないんですけど。
・・・スー助?で良いのかしら?」
「チュン。」
「アリス様、正式には朱雀、通称スーだそうです。」
「スーちゃん、私の命令には従ってくれる?」
「チュン!」
インコが大きく頷く。
「勝手に行動しない?」
「チュン!」
インコが大きく頷く。
「私に従うという事は婚約者のタケオ様や家族の命令にも従ってくれるの?」
「チュン!」
インコが大きく頷く。
その光景を見ているテトが「いやいや、譲歩し過ぎでしょう。どんだけ剣の中に居たくないのよ。」と呆れているがアリスとインコの会話には入らない。
「タケオ様、良いようです。」
「わかりました。
では、クゥ達と同じことを約束して貰いましょうか。」
「チュン?」
インコが武雄を向く。
「あ、テトにも同じ約束をしたいのですけど?」
「・・・聞くだけ聞いておきます。」
テト的に命令系統ではないので賛同するならするという立場らしい。
「はい、それで良いです。
良いですか?
人間は常に欲望が渦巻いていますので貴方方を珍しがって近寄って来るかもしれませんので基本的には私やアリスお嬢様の近くに必ず居ること。
テトは私達か鈴音の近くに居てください。
最低でも目の届く範囲に居てください。」
「チュン。」
インコが頷く。
「次に人間社会は、基本的に物の売り買いで成り立っています。
ですから金銭を払って食べたい物を買うのです。
何か食べたい時は私やアリスお嬢様に言ってください。買ってあげますからね。」
「チュン。」
インコが頷く。
「あとは基本的にはスーはアリスお嬢様、テトは鈴音の指示に従ってください。
あ、王国内で勝手に人間や生き物を殺生した場合、もしかしたら討伐される可能性もあります。
ですので、危険だな?と思ったら不本意かもしれませんが、逃げる事に集中してください。
そして私達に報告をしてください。
そうすれば私達の方で対応します。
良いですか?勝手に殺生をすればあらぬ疑いで結果的にアリスお嬢様や鈴音の立場を悪くします。
ですから勝手な行動は慎む事、常に何かを感じたら報告する事、これが重要です。」
「チュン。」
インコが大きく頷く。
「わかりました、従います。」
テトも了解する。
「じゃあ、それで良いですね。
明日は早いですからもう寝ましょう。
テト、鈴音の傍にいてくださいね。」
「わかりました。」
とテトは窓から出て行く。
「さて、ヴィクター、今日も疲れましたから寝ましょう。」
「はい、では私達はこれで。」
ヴィクター親子も早々に部屋に戻っていく。
「ミア、クゥ、タマ、スー、寝ますから毛布に入りなさい。」
武雄が言うとチビッ子達が返事をしてさっき寝ていた場所に向かおうとする。
「ほら、スー助、こっちですよ。」
ミアがスーの後ろを押しながら向かう。
「チュン!?」
スーは何が何だかわからずミアに従うのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。




