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第494話 朝食♪とエルフの子供達が起きた。

今回の討伐に参加した各々のグループで食事がされている。

今日の朝食はサンドイッチと簡易的なスープだった。

本当はサンドイッチだけの予定だったが、戦闘と現場検証とオーク達を荷駄に乗せるのが終わっており、仕事が完了していた為、ゆっくりとご飯を取ろうという事になっていた。


「はぁ~、美味しいですね。」

アリスがサンドイッチを食べながら感嘆を述べる。

「ですね、アリス殿。

 やっぱりキタミザト殿のマヨネーズは一級品です♪」

ブルックが幸せ感を前面に出しながら言ってくる。

その様子を見ながら皆が朗らかに頷く。

「主、このエルフをどうするのですか?」

「きゅ?」

チビッ子達がサンドイッチを頬張りながら聞いてくる。

「さて?・・・何しに来たかもわかりませんし。

 そもそも私の判断でどうこう出来るとは限りませんが・・・まぁ戦利品という感じなら私の部下行きですかね?

 マイヤーさん、王都としてはどうですか?」

「微妙です。

 対魔王国用としてエルフの子供という所が交渉材料になるのか・・・

 万が一、アズパール王国側が拉致したと言われたら戦争の大義名分にされてしまいます。

 戦争時の捕虜交換規定はあったとは思いますが・・・戦争をした後ではないですし・・・」

マイヤーが難しい顔をさせる。

「なるほど、判断が微妙ですね。」

武雄が頷く。

と、エルフの子供達が身じろぎを始める。

ミアは何を思ったのか。少女の方の顔の上にポテッっと腹ばいで乗っかる。

「・・・ん?・・・」

少女は薄目を開け・・・

「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」と目を見開き絶叫する。

と、いつの間にか子供達の後ろに回っていたジーナが少女の顔からミアをペリッと剥がす。

少女の声で少年も飛び起きる。

「はい、おはよう。」

武雄は何事も無かったように声をかける。

「え!?・・・は?・・・あ、おはようございます。」

「お・・・おはようございます。」

2人は頭が回らない中で武雄に挨拶をする。

「私はタケオ・キタミザトと言います。

 それよりお腹が減っているでしょう。

 まずは食事を取りなさい。」

武雄が朗らかに言う。

「え?・・・えーっと・・・アナタ達は人間でしょう?」

「ええ、それは食べてから言いますし、聞かせて貰います。

 それより1日中木の上だったでしょう?

 今は食べなさい。」

武雄はにこやかに言う。

「私達は人間の施しな」

「・・・良いから食べなさい。」

ジーナが魔眼を発動し子供2人に浴びせながら言う。

「「ひぃ!!」」

エルフの子供は震え上がりながらコクコク頷きサンドイッチを手に取り、口に運ぶ。

「あ・・・お姉ちゃん・・・美味しいね。」

「うん・・・美味しい・・・うぅ・・・」

2人とも緊張が緩んだのかポロポロ泣きながら食べるのだった。

そんな様子を周りの皆は朗らかに見るのだった。

・・

「さてと、食べ終わりましたね。

 改めて、私はタケオ・キタミザトと言います。

 状況としては・・・町の付近に魔物が発生したとの事で討伐にきたらアナタ達を見つけたので最優先で保護をさせてもらいました。」

「はい・・・私はアニータ・チーゴリ。

 こっちが弟の。」

「ミルコ・チーゴリと言います。

 キタミザト様、そして皆さま、この度は救って頂きありがとうございます。」

アニータとミルコはその場で深々と頭を下げる。

「はい。では、こっちも自己紹介をしましょうか。

 じゃあ、アリスお嬢様。」

「私はタケオ・キタミザト様の婚約者で」

各々が自己紹介をするのだった。

・・

「皆、自己紹介はしましたね。

 では、唐突に2人に質問です。」

武雄は朗らかに言い始める。

「「はい!」」

アニータとミルコは緊張した面持ちで返事をする。

「アナタ達はどうしてここに居るのですか?」

「えーっと・・・キタミザト様。

 その質問にはまずここがどこなのかを教えていただけますか?」

「ここはアズパール王国の王都に近い町の外れになります。

 私達の国は魔王国の西隣に位置しています。」

「「アズパール・・・王国?」」

エルフの2人は不思議そうな顔をして聞いている。

「んー・・・マイヤーさん、ヴィクター。

 他に言い方はありますか?」

「「特にはないかと」」

マイヤーとヴィクターが考えながら言う。

「その・・・アズパール王国とか魔王国とは・・・何でしょうか?」

ミルコが恐る恐る聞いてくる。

「ふむ・・・子供には地理を教えないのですかね・・・

 では、さっきの質問はなしで良いです。

 まずはアナタ達の事を聞いてみましょうか。

 2人ともどこの出身ですか?」

「コラットル王国の外れの村です。」

アニータが答える。

武雄は目線を動かしマイヤーを見ると首を振っている。

「そうですか・・・

 その国はエルフが治めていたのですか?」

「はい。国王も村の長もエルフでした。

 皆のんびりと過ごしていましたが・・・隣接する国と人間の国と戦っていて稀に親達が戦いに。

 人間に捕まれば奴隷にされると言われていて・・・そのこんな食事を出されるとは思っても居なくて・・・」

「あぁ、少なくともアズパール王国としては奴隷制を取ってはいないですね。

 なのでこの国にいる間は奴隷にすることはありえないでしょう。

 ですけど・・・まぁ私の部下が私と絶賛奴隷契約中ですが、25年で解放することを条件に雇用しています。」

「???解放するのが条件なのですか?」

「ええ。私として有能な者を25年雇用したいだけなのでそれまでは縛っているだけです。

 無下に扱う気もありませんし、給金は・・・安いですが、納得いただいているはず・・・ヴィクター、ジーナ、給金が少なくてごめんなさい。」

「ご主人様!十分ですので!」

ジーナが慌てる。

「はぁ・・・私はカツカツの主なんですよ。」

武雄はため息を付く。

「そ・・・そうですか。」

ミルコがぎこちなく頷く。

「皆さま、すみません。

 主、アリス様、マイヤー殿、ちょっとよろしいでしょうか。」

ヴィクターが3人を皆から離れた場所に連れて行くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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