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第490話 救出作戦の立案。

タマに頼みコラとモモもこっちに呼びよせて皆での会議。

「さて・・・当初のままならここで王都からの増援を待つ予定でしたね・・・

 時と場合により犠牲を出さないといけない場面というのはある物だという事は大人ですからわかっています。

 ですが、今は子供を犠牲にするような場面ではないと思うんですよね。」

「ええ、そこまで政治的に考える必要は今はないと思います。」

マイヤーが頷く。

「救える命なのであれば救ってあげたいと私は思っています。ですが、全ては救えない。

 私は目の前の困っている人にしか手を差し伸べられないと言っているのですけど、これは偽善なのでしょうかね・・・」

「タケオ様・・・それが偽善ならば私がタケオ様の偽善の半分は肩代わりして差し上げますよ。

 お好きになさって下さって結構です。」

アリスが武雄に言ってくる。

「まぁ、偽善だったとかはもっと歳を取ってから考えますか。

 今は精一杯、自分のしたいように生きましょうかね。」

武雄が苦笑する。

「はい!今は目の前の事が大事ですよ。」

「そうですね。

 ではマイヤーさん、現状を改めて考えましょうか。」

「はい。

 森の端に集結しているのはハイオーク2体、オーク10体、リザードドラゴン1体そして子供1名です。

 ヴィクター殿の偵察により何名かの魔法師が近くに居る可能性があります。」

「そうですね。

 ・・・討伐の任務から救出の任務に変更します。

 第1優先は子供の確保です。」

「「「はい。」」」

武雄の任務変更案に皆が頷く。

「突撃は私達のみで行います。」

「よろしいのですか?」

兵士の1人が聞いてくる。

「ええ。ですが、子供を救出したら即時に退却するかもしれませんし、討ち漏らしが出る可能性もあります。

 その際には兵士を指揮して対応してください。

 最低でもリザードドラゴンはこっちで始末します。」

「「「わかりました。」」」

兵士の指揮官達が頷く。

「謎の魔法師についてはどうしましょうか?」

マイヤーが聞いてくる。

「残念ですが放置でしょう。

 子供の確保の方が優先順位が高いと考えます。

 子供の確保はマイヤーさん達5名で行ってください。

 確保の際に暴れるなら・・・いや暴れなくても静かにさせて結構です。」

「ブルック、フォレット、睡眠系の魔法が使えるな?」

「「はっ!問題なく!」」

2人が返事をする。

「アーキンとバートは俺と共にブルックとフォレットの援護。

 どんな魔法が来ても防ぎきるぞ。」

「「はっ!」」

「ヴィクター、ジーナ、コラ、モモは突撃をしますか。」

「主、リザードドラゴンを目指すのでしょうか?」

「いや、それは私とアリスお嬢様がします。

 ハイオークからオークと順に排除してください。

 ヴィクター、ジーナ、平気ですか?」

「問題ありません、主。」

「大丈夫です、ご主人様。」

ヴィクター親子が返事をする。

「コラ、モモ、頼みますよ。」

「「ニャ!」」

2体も頷く。

「右側からは私達が左の兵士側からはヴィクター達、正面からはマイヤーさん達で行きますか。」

「はい、それでよろしいかと。

 ヴィクター殿達が突撃したと同時に私達も救出に向かいます。」

マイヤー達が頷く。

「開始はタマの鳴き声から始め、私がリザードドラゴン相手に3発は撃ち込みます。

 3発終わるまでは突撃は禁止です。

 私の小銃改1の威力は高いですからね。致命傷ではなく即死が待っています。」

「3発ですね・・・わかりました。」

マイヤーが答えると他の面々も頷く。

「では、私達は部下を配置させます。」

兵士達が戻っていく。

「タケオ様、リザードドラゴンは昨日言っていたように口を狙うのですか?」

アリスが訊ねる。

「はい、その通りですね。

 これはクゥ達にも言えますけど。」

「きゅ?」

クゥが「私?」と首を傾げる。

「硬い皮で守られている者への有効な攻撃箇所は目か口のような守られていない箇所か若しくは関節の繋ぎ目しかありません。」

「それは確かにそうですが・・・普通は思い付かないかと。」

マイヤーが頷く。

「・・・これは普通に皆が知っている事ではありますよ。

 例えばフルプレートでロングソードを構えている相手への有効な攻撃は何でしょうか?」

「関節部分かスキマへの攻撃・・・一緒ですね・・・」

アーキンが考えながら言う。

「ええ、ドラゴンが兵士達と違うのは飛んでいたり尻尾の威力が高かったりするぐらいですね。」

「近づけないなら同じでは?」

「小銃がそれを可能にしますよ。

 それに寝ている時に撃ち込めば良い事です。」

「きゅ!」

「主、クゥが卑怯だって言ってます。」

ミアがクゥを代弁する。

「駆除するのに卑怯も何もありません。

 クゥも駆除されないように大人しくしていれば良い事でしょう?

 それにクゥ、私とアリスお嬢様なら近づいて口を開けさせる事も可能でしょうからね。

 おいたをしたらクゥの口の中を火傷だらけにしますからね?」

武雄はさらりと罰の方法を伝える。

「きゅ!?」

クゥは口を押さえながら「絶対悪さしないもん!」と誓うのだった。

「さて、準備をしますか。

 今から15分後に撃ち込みます。」

「15分・・・長い針が1/4進んだ時でしたか?

 えーっと・・・7の数字ですか?」

マイヤーが懐中時計を見る。

「ええ、タマに叫ばせますからそっちを目安に。

 まぁ発砲音の3回後に動けば良いですからね。

 じゃあ、解散。」

武雄は立ち上がり皆に言うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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