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第486話 武雄の概要2。(研究所とブルックの再就職先。)

「研究所の人員は決まっているのですか?」

ビセンテが聞いてくる。

「そうですね・・・

 武具の評価および偵察任務要員としては1小隊の設立が出来ると言われています。

 今年は10名程度で研究員が3名の予定ですね。今の所1名内定しています。」

「あ、タケオ様、王都のアンダーセン殿から預かっています。」

とアリスが資料を武雄に渡してくる。

「はい、ありがとうございます。

 ・・・ふむ、とりあえず6名が内定したのですか。

 はい、マイヤーさん。中身を見てください。」

武雄が隣に座っているマイヤーに渡す。

「はい。 

 え?・・・」

リストを見ながらマイヤーは黙り込んでしまう。

「マイヤー殿、どうしたのです?」

ブルックが聞いてくる。

「ん・・・あぁ、試験小隊のメンバーが・・・ベテラン勢4名がいるんだがな。

 選ばれている人員が皆、各分隊の副官だ。」

「「え!?」」

アーキンとブルックが固まる。

「どうしました?2人とも。」

「あ・・・いえ、実はキタミザト殿にお願いがあったのですが・・・」

「アーキン、今言っちゃうの?」

ブルックが心配そうに言う。

「・・・何でしょうか?」

武雄は真面目な顔付きで答える。

「実は私とブルック両名を試験小隊に入れて頂きたいのですが、この」

「良いですよ。」

「は?」

アーキンが口を開けながらポカンとする。

「来たいのでしょう?まだ4名の枠が余っていますから良いですよ。」

「そんなに簡単に決めて良いのですか?」

ブルックが聞いてくる。

「え?何か問題がありますか?

 面識がある方が良いでしょうから私は別に気にしませんよ。

 それに魔法師専門学院の2名も来るなら女性隊員も必要でしょう。

 ブルックさんなら新人隊員もなつくと思いますので。」

「新人隊員ですか?」

「ええ、2名でしたね。

 あとは万が一の際には魔法の適性がなくなっても良いのかですね。」

「魔法の適性が・・・なくなる?」

アーキンが聞いてくる。

「小隊に渡る前にいろんな試験を繰返ししてからですので、そこまで危険な試験はさせはしませんが、可能性だけはありますからね。」

「もし無くなったらどうなりますか?」

ブルックが恐る恐る聞いてくる。

「・・・何で皆さんは魔法適性が無くなると除隊させられると思うのですか?

 本人が辞めると言うまで雇います。

 そもそも適性がない兵士用にも武具を考えないといけないですし、戦術だの偵察だのやることは山ほどありますから適性が無いなら無いでやることはありますよ。

 安心してください、魔法適性のありなしで賃金を変えはしませんし、平等にこき使いますから。

 ですよね?マイヤーさん。」

「・・・ええ。」

マイヤーは伏し目がちに答える。

「それにブルックさん、アーキンさんと結婚したらどうしますか?」

「あぁ、確かに同じ隊にはいられないですね。」

マイヤーも武雄の指摘に頷く。

「・・・やはり難しいですか?」

「んー・・・マイヤーさん、普通はしないですよね?」

「しませんね。」

「ブルックさんは配置転換ですけど・・・兵士がしたいですか?」

「えーっと・・・ずっと兵士を続けられるとは思ってはいませんが・・・キタミザト殿、その言い方だと何かあるのですか?」

「いえ、少し考えている事があるので・・・ブルックさんがやれたらなぁとは思いますね。」

「タケオ様、また何か思いついたのですか?」

アリスが聞いてくる。

「ええ。やれるかはエルヴィス伯爵に聞いてからですね。」

「ちなみにどんなことでしょうか?」

「んー・・・一つは保育所ですね。」

「保育所とは何でしょうか?」

「子供を抱えている働きたい主婦に成り代わって子供を日中預かることですね。

 まずは文官や兵士の家庭を対象に試そうかと思っています。」

「ひ・・・一人ででしょうか?」

「いえ。そうは考えていませんが、ブルックさんを所長にさせようかと思っていますよ。

 というよりも一からブルックさんに作らせる気満々ですけどね。」

武雄はにこやかに言う。

「すっごく大変そうなんですけど!」

ブルックが驚きながら言ってくる。

「ええ、アズパール王国には保育施設はないみたいなので大変でしょうね。

 まぁ何とかなるんじゃないですか?

 それにエルヴィス伯爵とも話さないと決められないので今は私の頭の中にあるだけです。」

「はぁ・・・」

「なので、ブルックさんの結婚後の就職先も考えますから安心してこっちに来て貰って良いですよ。

 もちろん専業主婦が良いと言うならそれも良いですし、もっと簡単な事をしたいと言うならそれはそれで考えても良いですよ。」

「タケオ様、随分ブルック殿を買いますね。」

アリスがにこやかな顔をして言う。

「ええ、ブルックさんは優秀ですからね。

 優秀な人材が主婦層には眠っていると考えられます。なのでその方たちを活用しない手はないです。」

武雄はアリスが何を考えて・・・やきもきしているのをわかっているのに普通に返す。

「お爺さまがダメと言ったらどうするのですか?」

「喫茶店でもしてもらいます。」

「喫茶店?」

「ええ。研究所がどんな所に建つかわかりませんが、近くに喫茶店を作って朝は軽食、昼は定食、夜はバーに出来ればと思いますね。

 その時はブルックさんは店長にしてみせますけど。」

武雄の言葉にブルックは「どれだけ私を長にしたいのだろう?」と呆れるのだった。

「あ、タケオ様、お爺さまから資料が来ていました。」

アリスは武雄に資料を渡すのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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