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第479話 アリスVSクラリッサ。(初対面。)

「はぁ・・・」

アシュトン子爵の孫娘のクラリッサは一室で一人ため息をついていた。

唐突に祖父が『アリスが来たから雑談でもして来い』とこの部屋に送り込まれたのだが・・・緊張していた。

「相手は名高い鮮紅のアリス・・・頭の中まで筋肉で出来ていたらどうしよう。」

クラリッサはアリスを見たことがないので筋肉隆々の女性を想像していた。

「でも知力も高いとは知っているし・・・どんな娘なんだろう?」と思案する。

と、部屋の扉がノックされる。

「どうぞ。」

返事をすると年齢が近そうな女性が入って来る。

「失礼します。

 アリス・ヘンリー・エルヴィスと申します。

 アシュトン殿でしょうか?」

アリスは部屋に入るなり綺麗な挨拶をする。

「はい!

 アリ・・・エルヴィス殿。

 クラリッサ・ブリース・アシュトンと申します。」

クラリッサは若干焦りながら挨拶をする。

「「よろしくお願いします。」」

2人は挨拶をして会談が始まるのだった。


------------------------

アリス達の隣の隣室にて第1皇子一家と第2皇子一家が詰めていた。

「始まったわ。」

エイミーが壁に耳を当てながら呟く。

「いやエイミー?そんなにしなくても聞こえるわよ?」

セリーナが苦笑する。

「何だか・・・落ち着かないわ。」

ローナがソワソワする。

「・・・王家なんだから落ち着いて聞いていれば良いだろうに。

 あとはアリスが上手く聞き出せるか祈るばかりだ。」

ニールが苦笑し、皆はニールの言葉にぎこちなく頷くのだった。


------------------------

「さてと、まさか西のアシュトン家のご令嬢とお会いできるとは思ってもいませんでした。」

アリスが席に座りながら言ってくる。

「私もそうです。東のエルヴィス家のご令嬢とお会いできるとは考えてもいませんでした。」

「まったくですね。

 これも面白い縁と言えるのでしょう。

 ちなみにお名前で呼んでも構いませんか?

 どうも堅苦しいのは苦手なのです。」

「はい、クラリッサで構いません。

 私もお名前でお呼びしても?」

「はい、私もアリスで構いません。

 それに私達は同い年で立場も地方貴族の娘ですしね。

 まぁ誰かが居るなら畏まる必要はあるでしょうが、今は不要と思います。

 そうでしょう?クラリッサ?」

「ええ、そうですね、アリス。」

2人は微笑を向ける。

「で、何で私が来たかわかりますか?」

「全然・・・お爺さまから王都にアリスが来ているから話をしてみてはとしか・・・」

「本当・・・何も伝えられていないのですね。」

アリスはため息を漏らす。

「その言い方だと・・・やっぱり?」

クラリッサが訝しがりながら聞いてくる。

「ええ。私を動かせる人物はそう多くないでしょう?

 それにクラリッサ、申し訳ないけど貴女の話は私も随分前から聞いていますからね?」

「それは私もそうよ、アリス。」

2人は笑顔のまま応酬をしている。


------------------------

アリス達の隣の隣室にて。

「ちょっと・・・雲行きが怪しいわよ?」

ローナが皆を見ながら言う。

「あの2人に年齢以外の接点はないんだがなぁ?」

クリフが腕を組みながら頭を捻る。

「アリス様が怖い感じになっている。」

クリナがエイミーに抱き着いている。

「さて・・・どういった事なんですかね?」

セリーナがため息をつきながら聞き耳を立てていた。


------------------------

「はぁ・・・私達の世代は全員アリスと比較されていましたからね。」

「・・・何を言っているの?正確には違うでしょう?

 初めに比べられたのは私の姉レイラがウィリアム殿下の妃に入った時でしょう。

 それにあの試験・・・私達の年代だけらしいわよ?」

「ウソでしょう?」

「後になってレイラ殿下に確認して貰ったわ。

 あの時の15歳から18歳までの貴族の息女は全員受けたわよね?

 なのにそれ以降は実施されていないそうよ。」

「なんのためにしたんだか・・・」

クラリッサが腕を組んで悩む。

「貴族会議からの正式な依頼事項だったわけだけど。

 貴女と私が1番2番だったし、他の貴族はどうだったかしら?

 結果リストの中身は覚えていないわ。」

アリスは首を捻って悩む。

「アリス、その言い方だと私が1番に聞こえるわ。

 実際は貴女が1番じゃない。

 それも当時の王立学院の最高学年の卒業試験と同じで全生徒も含めて(・・・・・・・)1番じゃない。」

「それは貴女もでしょう?クラリッサ。

 私が居なければ貴女が1番だったでしょうに。」


------------------------

「エイミー、王立学院の卒業試験て難しいと言われていたわよね?」

セリーナがエイミーに聞く。

「はい、言われていますね。

 それにしても地方貴族の息女に試験をさせたことがあったのですね。

 初めて知りました。」

「・・・王立学院で学んでいる生徒を押しのけて上位に君臨した才女が2名居るのか・・・

 学院としては堪った物ではないな。

 学院に来なければ知識は与えられないという宣伝に使おうと思ったら地方貴族が王立学院の生徒よりも上位に食い込んでくるのだからな。」

クリフが冷静に分析をする。

「あの部屋の2人とも学院に来ていれば首席筆頭候補だったのね。

 エイミー、感想は?」

「流石は!アリス様です!

 私も負けないようにしないといけません!」

「私も頑張ります!」

エイミーとアンがファイティングポーズをする。

「ん?アンも?」

エイミーがアンに聞く。

「はい!私も生徒筆頭にならないといけませんので!」

アンが元気に頷く。

「そっかぁ、頑張ろうね。」

「はい!」

エイミーはアンを朗らかに言い聞かせる。

と、部屋の扉がノックされる。

「どうぞ。」

クリフが返事をすると武雄と執事が入って来るのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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