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第467話 アリス。目的地に到着・・・エイミーに発見される。

「アリス殿!ペースが速いです!」

フォレットが先頭を行くアリスに声をかける。

「え?・・・王都に向かう時はこんな感じでしたよ?

 休憩までこのペースで、休憩は多めに取っていましたし。」

「それはキタミザト殿が馬にケアをかけていたからです。

 普通ならこのペースだと馬が早々に潰れてしまいます。」

フォレットが言ってくる。

「アリス殿、キタミザト殿に一刻も早く会いたいのでしょうが。

 今は自重してください。」

ブルックが言ってくる。

「別にそういった感じではないのですよ?」

アリスは苦笑を返し、馬の速度を落とす。

「ん?もう町が遠目に見えますね。」

アリスが気が付く。

「予定よりかなり早いです!」

フォレットが驚く。

「じゃあ、のんびりと行きましょう。」

ブルックの言葉にアリスとフォレットが頷くのだった。

・・・

・・

アリスが町に着くと。

「あれ?アリス様?」

エイミーと警護兵が町の門の所におり、アリスに気が付くと話しかけてくる。

「エイミー殿下、なぜこちらに?」

アリスも若干驚きながら声をかける。

「私達はこの町で第1皇子一家と待ち合わせなんです。

 アリス様はどうしてこちらに?」

「タケオ様とクリフ殿下に呼ばれまして・・・

 王都守備隊の方に同行して貰ってきました。」

「なるほど。お二方ともご苦労様です。

 それにしても・・・側室候補に会えと?」

エイミーはブルックとフォレットに軽く会釈をする。

ブルックとフォレットも礼をする。

「言われてはいないですが、陛下やレイラお姉様がそうだろうと。」

「なるほど、うちは即日で決めましたから・・・」

エイミーが腕を組ながら思案する。

「エイミー殿下は何故門の所に?」

「実は私達は昨日から居るのですけど・・・息抜きです。」

「息抜きですか?」

「リネットの父親とアルダーソンと父上が居るとどうも私に話が振られるのです・・・

 アリス様には申し訳ないのですが、エルヴィス家のスミスとの話になるので・・・抜け出してきました。」

エイミーはため息をつく。

「・・・」

アリスも微妙な顔をする。

ブルックとフォレットは「王家は今、婚姻ブーム?」とワクワクしながら聞いていたりする。

「私的にはなんとも言えないですね。

 エイミー殿下とスミスがお互いに気に入れば付き合えば良いですし、合わなければ付き合う必要はありませんが・・・」

「が?・・・なんですか?」

「そもそもそこまで行くのか不安です。

 スミスは奥手ですから自らエイミー殿下に手を出すとは思えません。

 真面目な子ですから王家の息女と恋仲になるという発想すらない可能性があります。」

「・・・つまり?」

「待っていてもスミスは行動しないと言うことです。

 というよりあの子は基本的に外に出ないので友達が出来るのかすら不安です。」

アリスはため息をつく。

「引きこもりですか?」

「いや・・・ひきこもりというか、用がなければ外に出ないんですよね・・・

 ちゃんと騎士団との武術の練習とか用事があれば外に行っていますけど、基本的に家で本を読んでいるんですよね。」

「えーっと、それは貴族としては当たり前なのでは・・・

 アリス様はどうだったのですか?

 それに屋敷外に出ると護衛が大変ではないですか?」

「毎日街の散策に行っていました。

 街を歩けば誰かしら声をかけてくれますし表通りを歩くだけなら護衛なんて必要ないですよ。」

「アリス様の方が奇抜だと思いますが・・・

 まぁどちらにしてもエルヴィス家のスミスは奥手なのですね?」

「私はそう思います。

 ですので、スミスと出会ってエイミー殿下が『良いかな。』と思うのであれば申し訳ないですが、エイミー殿下が動いた方が良いかと思います。」

「そうなんですか・・・夢見る少女ではいけないのですね。」

エイミーはため息を漏らす。

「ええ、白馬に乗った男性が颯爽と現れる訳ではないですね。」

「・・・アリス様、どうしてそれを?」

エイミーは訝し気な目をアリスに向ける。

「女の子は誰しも考える事でしょう?

 そんなことはあり得ないと現実を見るとわかってしまいますけども憧れはありますよね。」

アリスは苦笑を返す。

と、アリス達の横を兵士と思われる者が駆け足で走り過ぎ兵士詰め所に走り込んでいく。

アリスとエイミーがその様子を何気なく見ていた。

「・・・エイミー殿下。」

「はい、アリス様。

 私は一旦、宿に戻ります。」

「そうですか。

 では、私達も宿に行きましょうか・・・

 ブルックさん、私達の宿はどうしましょうか?」

「あ~・・・実はですね。

 これから取るしかないので・・・行ってみないと。」

「では、王家の方々とは別の宿にしましょうか。」

「アリス様なら私達と同じでも問題ないのでは?」

「いや、タケオ様が結構な人数を連れているのでたぶん王家の方々とは別の宿を取ると思うのです。」

「なるほど。」

「アリス殿、わかりました。

 エイミー殿下、宿まで一緒に行きましょう。」

「はい。」

アリス達は宿に向けて移動するのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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