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第463話 王家の考え(ウィリアムの側室候補?)

アズパール王の書斎にてアズパール王とウィリアム達第3皇子一家の4名が夕食後のお茶をしている。

「今日も1日何もなかったな。」

アズパール王が1日の疲れをため息と共に吐き出す。

「ええ、決める事も決め終わった感がありますね。」

アルマが頷く。

「あれ?アルマお姉様、街の区画はどうしましたか?

 私の案は出来ましたよ。」

「あれは今週末までの期限だから・・・まだ大丈夫!

 ウィリアムはどうなの?」

「区画かい?終わっているよ。

 今は軍務局関係かなぁ。」

「・・・前々から思っているけど・・・

 ウィリアムもレイラも仕事早くない?」

「「普通だよ(です)」」

ウィリアムとレイラが声を揃えて言う。

「ふむ。まぁ人によって作業にかかる時間が違うのはしょうがない事だがな。

 そのために期限と言う物がある。

 守っているのであれば問題ないだろう。」

アズパール王の言葉に皆が頷く。

「それにしてもアリスも旅に行ったからなぁ。

 また一層王城内が寂しいわ。」

レイラがお茶を飲みながら言う。

「だね。

 そう言えば、結局の所、タケオさんは何人呼び込んだんだろうね。」

ウィリアムもお茶を口に付けながら言う。

「まずは執事が2名でしょ?あとは工房が3軒・・・何人かな?一工房が1名なら3名、2名ずつなら6名?

 あとは冒険者が2名かな?」

アルマが指を折りながら言う。

「そうだね。

 あとはラジコチカが1匹だね。」

「ん?ウィリアム・・・あの報告ではラジコチカの頭数はなかったと思うが?」

アズパール王が不思議そうに言う。

「・・・確かに。でも複数の魔物がこちらの言う事を聞く想像がつかないのですよね。

 なので1匹としたのですが・・・」

「確かにな。

 だが、今回のタケオの旅は異例だ。

 カトランダ帝国でしていないとされていた奴隷売買を見つけ、買って部下にする。

 秘匿されるべき兵器の製造工房を3工房まとめて移住させる。

 そして第3皇女と思われる女性を同行させている。

 異例づくめだ・・・だとしたら魔物の数が1体と考えるのは早計だと思うな。」

「そうですね。」

ウィリアムやアルマ、レイラが頷く。

・・

「・・・ウィリアム、アルマ、レイラ。」

アズパール王が神妙な顔付きでウィリアム達を見る。

「「「はい。」」」

「父親としてではなく国王としての検討依頼なんだが・・・」

「カトランダ帝国の第3皇女ですね?」

アルマが真顔で答える。

「うむ・・・皇帝は国をかけて何かを狙っているのはわかる。

 なら我が国が取るべき道は不測の事態が起きた際に我が国が有利になる条件を整える事だと思う。」

「それは私達も考えました。

 ・・・ウィリアムの側室ですね?」

レイラが微妙な顔をしながら言う。

「うむ。流石に地方貴族に皇女の面倒はさせられん。

 カトランダ帝国が目的を達したならばウィリアムの子達の1人としておけば良いし、危ういなら第3皇女の子を送り込める。

 ・・・クリフかその次の代での手札としたい。

 国王の判断としてはこうなんだがな・・・」

アズパール王は真剣な顔で伝える。

「・・・クリフ兄上は次期国王でカトランダ帝国の者は受け入れてはならないでしょう。

 それにニール兄上も直接対峙する事になるでしょうからこちらも受け入れられない。

 カトランダ帝国と対峙もしないし国政にも影響が薄い僕の所が一番受け入れるのは簡単ですからね。

 そして陛下が言う通り将来に渡っての隠し手札として十分な威力を持っている。」

ウィリアムも真面目に考えを言う。

「だが・・・ウィリアムの父親として、アルマとレイラの義父としては無理に側室にする必要はないと思っている。

 お主達の好きにしてくれて構わない。

 国としてさっきの考えがあるが、家族内でいざこざになってしまっては意味がないのでな。

 夫婦仲を保ってくれることが一番重要だ。」

「お義父さまは手札が欲しくないのですか?」

アルマが聞く。

「さて・・・本心を言えば手札は多い方が良いとは思うが、無理に手札にしてもそれは意味のない手札にしかならないと思っている。

 ウィリアムの嫁になるならこの国の為に尽くしてくれる覚悟が必要だ。

 カトランダ帝国の皇女だからといっていつまでも向こうの事を考えられていても困る。

 まずはウィリアムの領地を運営し、領民を愛しんでくれないとな。」

「では、陛下としても強制的な側室には?」

「命令はしない。

 ただそうなって欲しいとは思う程度だ。

 ウィリアム、アルマ、レイラで見分して側室に入れても良いと思うなら入れなさい。

 合わないと思うならタケオに面倒を見させよう。」

「タケオさんの側室に?」

レイラが聞く。

「・・・アリスを敵に回す覚悟は我にはない・・・」

「ですよね。アリスの逆鱗は流石にこの間見ましたものね。

 あれがこっちに向かったら・・・したくないわ。」

アルマがため息をつく。

「うむ。良い男性を紹介するか?」

「ん?お義父さま、なんで独身だと知っているのですか?」

「あ・・・実はな、第3皇女の二つ名が『薄幸の皇女』というのだよ。」

「・・・僕も知りませんが・・・」

「うむ、我とオルコットとクラークぐらいしか知らんな。

 別に他国の事だから特に皆にも説明していないのだがな・・・

 第3皇女は結婚式の最中に旦那が急死したり、長兄や次兄が病気や事故で死亡したりとまぁ不幸続きなわけだ。」

「え・・・結婚式の最中に?」

「うむ。

 なのでウィリアム、第3皇女は生娘だぞ。」

「僕にどんな反応を求めているんですか?」

ウィリアムがジト目で抗議をする。

「・・・お義父さま、その第3皇女は年齢がいくつなのですか?」

「確か・・・24、5だった気がするな。」

「私のすぐ下かぁ・・・」

「私より年上かぁ・・・」

アルマとレイラが同時に呟く。

「どちらにしてもタケオさんが王都に戻ってくれば、例の執事とこの皇女の謁見があるでしょうから・・・

 その際に見分してから皆で考えます。」

ウィリアムが答える。

「うむ、そうしてくれ。」

アズパール王も頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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